特定技能の創設による多文化共生社会到来に向けて日本が持つべき7つの視点と対策

 2019年4月より、外国籍人材の就労可能範囲を大幅に緩和する新しい在留資格「特定技能」が施行されます。 

 

日本は現在深刻な人材不足に陥っており、少子高齢化の煽りを受けて今後もこの傾向は強まっていく一方です。そんな中政府は、女性の社会進出、シニアの活躍支援、機械による自動化に加えて、海外人材を従来より広い範囲で受け入れていくことで人材不足に対応していく方針を示し、2018年12月に入管法が改正されました。

 

その結果、2025年までに最大34万人の海外人材が新設される特定技能の在留資格を取得し来日することが見込まれています。

 

現在、日本には多くの旅行者、留学生、労働者などが溢れ、日々の生活の中で外国籍の人々を目にすることは珍しくなくなりました。しかし、制度面でも心構えの面でも、来たる多文化共生社会に対する準備が社会全体で整っているとは言い難い状況です。

 

本記事では、株式会社 one visa 代表取締役岡村アルベルトと、関西大学国際部の池田佳子教授の対談を通して、多文化共生社会においてどのような対応をしていくべきかについて深く考えてゆきます。

スピーカー紹介

株式会社 one visa 代表取締役 岡村アルベルト

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1991年ペルー生まれ。日本とペルーのハーフとして生まれ、8歳で来日。幼少期に友人が強制送還された経験からビザに関する問題を解決すると志す。

 

大学卒業後、東京入国管理局の窓口で現場責任者を務め、年間2万件を超えるビザ発給に携わる。2015年に起業し、2017年6月にビザ取得サービスである one visaをリリース。

 

関西大学国際部 池田佳子教授

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ハワイ大学マノア校で博士号(Ph.D.)を取得、トロント大学講師、名古屋大学講師、助教授を経て、2009年より関西大学国際部教授。グローバル教育イノベーション推進機構(IIGE)副機構長。

 

専門は国際教育、日本語教育、外国語教育、相互行為分析研究。文部科学省委託事業・留学生就職促進プログラム「SUCCESS-Osaka事業(2017-2021)」および世界展開力強化事業「グローバル・キャリアマインドを培うCOIL Plusプログラム(2018-2022)」の実施主担当を務める。

 

入管法改正によって訪れる「隣人の変化」には顔の見えるコミュニティづくりで対応が必要

岡村

早速ですが、シンクタンクを始めとする様々な機関が発表している試算で、日本は今後更に深刻な人手不足に陥ると懸念されています。

 

政府としては「子育て支援による女性のさらなる活躍」「シニアの定年後の労働力化」「機械などによる自動化」に加えて「海外人材の活用」の4本柱でこの人手不足に対応していく方針ですね。

 

4月から施行される特定技能は、実質的な就労ビザの条件緩和ですが、これに伴って、向こう数年間で長期に渡って日本で生活する外国籍の方々の数が増えていくと予想されています。

 

その際に社会がどのように変化していくのかという所をまずお話できればと思います。

 

池田

いきなり具体的な話になりますが、外国籍の方が増えることで”隣人の変化”に多くの人が直面します。

 

社会全体の、といった実感を伴わない変化ではなく、例えばマンションに住んでいる隣人が、日本人の名前ではないという状況が今後確実に増えてきます。

 

スーパーで見かける外国籍の方の数も増えるでしょうし、地域のお祭りにも外国籍の方がたくさん参加している、といったような光景が当たり前になるでしょうね。

 

実は今でも地方で餅つき大会を実施したら、若者の参加者は全員海外の人だった、みたいなことは起こっていたりするんです。

 

私が住んでいる大阪でもすでに外国籍の方が日常に溶け込んでいる光景は珍しくなくなってきています。ただ、まだ一部の地域に集中的に外国籍の方が生活していて、その他の地域ではまだチラチラと見かけるかな、といった感じですね。

 

岡村

なるほど。私は”隣人”に外国籍の方が増える社会において、その人の顔が見えるかどうかがすごく大事だと思っています。「隣に越してきた中国人」ではなく「隣に越してきた王さん」となれるかどうか。

 

池田

そうですね。ただ、そこに関しては楽観的な見方を持っています。

私はSUCCESS-Osaka(サクセス大阪)という文部科学省委託事業の主担当をしているのですが、ここでは高度人材に該当する留学生に対して産学官民連携をして高等教育を行い、就職率を高めるということをやっているんです。

 

留学生の就学支援事業をする中で、企業と留学生をマッチングするのですが、最初は企業側も学生のことを”外国人”という1つのくくりで捉えているんですよ。

 

でもSUCCESS カフェという留学生とお茶を飲みながら話すイベントをやると、1時間足らずで「中国人」だったのが「チンくん」に変わって、Facebookを交換していたりするんです。

 

ものの1時間でこれだけ距離が縮められるというのを見ているので、住民間でも同じように、「一緒にお寿司食べましょう」とやるだけですぐに仲良くなってしまうと思うんですよね。

 

岡村

まさにそうですね。草の根活動ではありますが、こうしたボトムからの小さいな意識の変化を積み重ねていくことで、20年、30年後に大きな意識の変化が生まれていくんだろうと思います。

 

視点1

生活圏の隣人が変化し、外国籍の人が日常に溶け込む。「外国人」というくくりではなく、名前で認識されるような顔の見える関係づくりを仕掛ける必要がある。

 

「いてもいい」ではなく「いないと困る」を作り出せるかが鍵

 

岡村

また、私の意見として地域、自治体の中に外国籍の方が増えてくる中で、住民間の衝突を生まないために、市町村や自治体が間に入ることも必要だと思っています。

 

自治体としては、地域に外国籍の方が増えることでネガティブな変化を極力生まない、むしろポジティブな影響を生むような受け入れ体制を整えるべきだと考えているのですが、そのためには何が必要だと思いますか?

 

池田

外国籍の人に地域のためになる役割を担ってもらうのが一番いいと思ういます。お神輿の担ぎ手になるといった、その地域にとって「不可欠な存在」になるということです。

 

例えば北海道のニセコ町では、ワーキングホリデーや旅行で、海外から人がたくさん来ているという強みを生かして、インバウンドビジネスを興して地域の活性化につなげていますよね。地域にとって必要不可欠だから、地域住民も歓迎している。

 

ニセコ町の事例のように地域での活かし方を考えて、「いてもいいけど、いなくてもいい」という状態ではなく、そこにいる必然性を作ることができるのがベストです。

 

「国籍が違っても公平に扱いましょう」というようなスローガンを掲げるだけでは、人間の意識は簡単には変わらないんです。

 

この人達がいることで街が助かる、いて欲しいという状態が理想だと思っています。

 

岡村

まさしくそうですね。共存という意味で面白い事例があるのですが、日本は高齢者が多いじゃないですか。加えて空き家が多いことも問題になっていますよね。

 

そこで、空き家を利用して食堂と憩いの場を作ったという事例が東京の文京区にある「こまじいのうち」です。

 

「こまじいのうち」の事例は外国籍の人とのマッチングというわけではなく、老若男女、国籍も関係なく誰でも集まれる地域の憩いの場を作ったという話なのですが、参加者の中にはそこで集まってご飯を食べるのを楽しみに生きているという人もいるくらいで、生きるための活力にもなっていると。高齢者は話し相手がいないことが辛いですからね。

 

こういった場で地域の人と海外からやってきた人たち、正確には国籍関係なく誰でも集まれるという場が提供できると「孤独な高齢者の憩いの場」というニーズに支えられて、コミュニティが出来上がりますし、非常に参考になる事例だなと思っています。

 

池田

いいですね。国籍に関わらず、同じ生活圏の中でお互いに顔が見えて、話ができるというのが大切です。

 

視点2

外国籍の人が、その地域にとって「いてもいなくてもいい存在」ではなく、「無くてはならない存在」という設計を作り出せるかどうかが鍵。

多文化共生社会を支える人的リソースはすでに存在している

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池田

外国籍の方を交えたコミュニティ作りをするにあたっては、留学や仕事を通じて海外経験を持った人達が鍵を握っていると思っています。

 

CARES-Osaka(ケアーズ大阪)という留学生が卒業後も大阪近隣にて就職し、大阪の地域住民とともに共生する「大阪=第2のふるさと」のを目的としたプロジェクトがあるのですが、そこに関わってくれる人には、留学経験があり、今は結婚して子供がいるという人が一定数いるんです。

 

彼女たちは自身も海外で困った経験があるので、力になりたいというホスピタリティがありますし、英語やその他の言語に堪能だったりします。

 

また、子育て経験もあるので非常に細かいメンタルのケアや気配りまで素晴らしいです。

こういう人たちがボランティアを募集するとすぐ集まったりするので、多文化共生のコミュニティを運営する上で必要なリソースは、すでに存在しているんですよね。

 

岡村

それは素晴らしいですね。

 

海外経験がある日本人を活かすということのほかに、自分と同じバックグラウンドを持った方、つまり「移民の先輩」からの支援もありだと思っています。

 

日本人から教わるのと、自分と同じ文化背景を持った人から、こういうふうに理解するといいよと教えてもらうのだと、受け取り方も違うと思いますし、教える方も自分が苦労してきた分優しくできる面があるのではと思っていて。これは私自身も経験がある部分です。

 

現在は個々のコミュニティ、もしくは近所付き合いなど属人的な関係値の中で行われている助け合いを、仕組み化、マニュアル化、コンテンツ化して、相談しやすい環境を整えていく、というのは重要だと思います。

 

池田

今でも各地域自治体などが率先して生活ガイダンスなどをたくさん作られていると思いますけど、その(「移民の先輩からのガイダンス」という)視点はないですね。

 

岡村

はい、日本人目線で作られたものを多言語化しているのが実態だと思います。文化的な摩擦をなくしていくために、先輩移住者からのアドバイスというのは非常に重要だと思いました。

 

池田

私が参加している多文化共生の推進委員会にも、外国籍の方って入っていないんですよ。外国籍の人の生活の話をしているのに、本人達の口からは何も聞かずに物事が決まっていくんです。

 

当事者の意見も聞きましょうとなると、「ではアンケートをしましょう」という話になるんですよね。でもアンケートをするのと本人の視点から話を聞くのは全然意味合いが違います。

 

岡村

アンケートをするとなっても、サンプルが集めやすいところが母数の中心になると思うので、本当に意見が聞きたい来日直後の人の意見などは聞けないでしょうしね。

 

池田

はい、結局意見が聞きやすいという理由で大学に属している留学生からとったりしますからね。 このあたりは課題に感じているところです。

 

視点3

多文化共生社会を支える人的リソースはすでに存在している。海外経験のある日本人や「移民の先輩」をうまく取り込んだコミュニティ作りが肝。

自治体を横断的に統括する旗振り役が必要。各自バラバラでは仕組み化の足かせにも

岡村

先程、自治体が受け入れ体制を整えるべきという話が出た一方で、自治体が適切な形で支援を行う難しさも感じています。

 

池田

そうですね。 例えば政府が外国籍の方との共生を進める上で取りまとめた「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」では、20億円の予算を用意して全国100箇所に多文化共生総合相談ワンストップセンターという相談窓口を用意するということになっています。

 

しかし、その窓口で相談をすると、その相談はあそこの部署に行ってくださいねと、たらい回しにされるような仕組みになっていて、例え表面的に多言語で対応していたとしても、本当の意味でのワンストップサービスの実現にはなっていないことが多い。それで何万人もの外国籍の人の助けになるかと言うと...微妙な部分もあると感じています。

 

岡村

ワンストップという文脈で、同じようなコンセプトの施設が東京にもあるんです。これは外国籍の方に特化というわけではないんですが、起業家向けに東京都がやっている東京開業ワンストップセンターという施設で、これは非常にいいなと思ったんです。

 

何故かというと、ここにもコンシェルジュはいるのですが、入国管理局や税務署など、関係機関の出先機関がワンフロアに全部集まっているんです。

 
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<図:東京開業ワンストップセンター>

 

ここを順番に回って外にでるときには、手続きが全部終わっているという状態になるんです。

 

池田

それはいいですね。それが本当の意味でのワンストップです。

 

しかし、こういうのが理想だと言うのは念頭にありつつ、経済的な面でのハードルもあります。

 

先程の話ですが、20億円の予算を仮に100の自治体に配ると、1つの自治体が使えるのは平均2000万円ですよね。そうなると、規模的にはオフィスを構えて人を一人つけるくらいが限界になってしまう。

 

岡村

更にこれを公募でやるとなると、予算の関係で更にできることが限られてしまいますね。20億円という予算は大金ですが、全国に分散させるとできることにはどうしても限界があります。

 

また、各自治体に予算を分け与えて、バラバラに施策を進行することで発生する問題もあると思っています。

 

今 one visa が取り組もうとしている課題の一つに役所への届け出を one visa で簡単にできるようにするというのがあります。 one visa はビザを取得する時に本人の情報を網羅的に集めるので、収集した情報を使って公的機関への届け出書類を自動生成するというものです。非母語話者にとって、公的書類作成は労力がかかりますからね。

 

しかし実態として、全国に約1700ある自治体は提出書類のフォーマットが全部バラバラで統一の規格がないんです。結果として、システムとの相性は非常に悪くなってしまっています。

 

予算をつけて地方自治体を活用した施策をするのであれば、旗振り役をつけて足並みをそろえることは必須かなと思います。

 

視点4

自治体を巻き込んだ施策には旗振り役が不可欠。生活者の直面している課題を本当に解決できる設計をする必要がある。

ミッドスキルの海外人材は日本人の職を奪わない。ただし2世に関しては「ハイフンの視点」が必要

岡村

外国籍の方が増えると日本人の職が奪われるという議論が一般的にあると思うのですが、こちらに関してはどのようなご意見をお持ちですか?

 

池田

特定技能で来日してくるミドルスキルの人材に関しては、日本人がやらない仕事を補う形で募集されているので、そもそも論ですが奪う、奪われるという話ではないと思っています。

 

岡村

そうですね、私も特定技能に関しては、有効求人倍率が非常に高い仕事に限定して受け入れをしていくので、奪うという話ではないと思っています。

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ただ、問題になってくるのは長期的に見たときだと思うんですよね。

例えば、特定技能は2号を取得すると家族を連れてくることができるんです。そうなると家族が日本で育ちますよねと。

特定技能で来日した本人というのは基本的にその特定技能の在留資格の範囲内で仕事をするはずです。ただ、その子供は大学まで行って普通の仕事に就きますよね。

 

その2世、3世がどうなっていくかというのが特定技能で外国籍の人が増えたことによる結果というか、判断軸として分岐点になるかなと思うんです。

 

そうなった未来に、大多数の人が仕事を奪われたというマインドになってしまうと、対立が表面化するのではないかという不安ですね。

 

池田

なるほど。ただ、私はあえて、「日本人」というアイデンティティの定義自体が変わる必要があると思っています。「2世や3世は、日本人」というのが普通にならなくてはいけない。

 

日本には”ハイフンの視点”が欠けていると思っているんです。アメリカでは、アフリカにルーツを持っていれば African-American、日本にルーツを持っていれば Japanese-American。でもみんなアメリカ人という考えがあります。

一方で日本はこのハイフンの視点がほとんどないですよね。両親どちらかが日本人であればハーフという言葉が使われますが。

 

岡村

血統への意識が強いですよね。私も帰化しているので国籍上は日本人ですが、外国人、ペルー人という認識を持たれることが多いです。日本語上手ですねと言われたりとか。

 

池田

それでも血統に対する意識は少しずつ変わってきているかも知れません。大坂なおみさんの活躍などもありますし。

「2世、3世は、日本人」という認識を根底に持つことができれば、特定技能で来日した人たちの子供が、将来日本でどんな仕事をしようが問題にはならないでしょう。同じ日本人なのですから。

 

岡村

そうですね。

また、日本に人生を懸けてきた方は、自分のアイデンティティは日本人だと思っている。でも周囲の人達はそう思っていないというような、この隔絶が現時点では存在しています。

 

池田

この文脈では、教育から入るアプローチが非常に大切ですね。幼稚園くらいから始めないと駄目です。小学校だとすでに外国のルーツを持っている人は差別に遭ってしまいますから。

 

今は外国にルーツを持つ子供は、そうした差別を経て強くならないと日本社会では生きていくことができません。しかし、強くなくても生きていけるのが、本来あるべき姿です。

 

岡村

そうですね。おっしゃるとおりです。私自身経験がある話なので、深く刺さりました。

 

視点5

「ハイフンの視点」を持つことで、「2世、3世は日本人」というアイデンティティの変革が求められていく。

話は戻りますが、職を奪うという論点に関して、ハイスキルな高度人材の視点ではいかがでしょうか?

 

池田

冒頭でSUCCESS-Osakaという留学生の就職支援事業のお話をしましたが、その成果として、手前味噌ではありますが自信を持って推薦できるような人材が育ってきています。

 

彼らは異国に来て日本の文化に適応しているので異文化理解の素養があり、前提としてハイレベルな高等教育を受けてきているうえで、プロジェクトを通じて日本社会で汎用的に必要とされる調査能力等のスキルを身に着けてもらっているので、グローバル人材として活躍できる高いポテンシャルを持った人たちです。当然日本語能力もかなり高いです。

 

まだまだ母数は少ないですが、今後国籍関係なくこうした優秀な人材が増えてくると、日本人学生と競う形になるでしょうね。

 

ただ、グローバル化が進む中で国籍関係なく能力で切磋琢磨するのが本来ある形だと思いますので、日本人頑張りましょうという気持ちでいます。

 

視点6

グローバル化が進む世界では、ハイスキル人材は国籍関係なく実力で競争が求められる。

日本はすでに「選ぶ側ではない」ということを自覚しなくてはいけない

岡村

最後のテーマは私が最も危機感を持っているテーマなのですが、日本はすでに海外人材を「選ぶ立場」ではなく「選ばれる立場」になっていると思っているのですが、ここの認識が世間とずれていると感じています。

 

例えば入管法改正も「門戸開放」と捉えている人が多く、制限を撤廃すれば人が殺到するだろう思われている面が大きいのかなと思っています。

 

受け入れ側の民間企業の中でも温度感は二分されていて、真剣に人材に対して魅力をアピールして獲得に動かなくてはいけないと思っている会社と、待っていれば来ると思っている会社があります。

 

しかし、昨今のメディアでの技能実習批判や、技能実習を終えて母国へ帰国した人たちの口コミから、元々日本に抱いていたイメージと、現実とのギャップが露呈し始めており、良くない噂が回っている面があるのも事実です。

 

更に、この問題は日本と人材輩出国の間の問題にとどまらず、アジアを中心とした周辺の国々との人材の獲得競争であるという視点も必要です。

 

韓国やシンガポール、タイなどとの人材獲得競争が激化しているという話は現場でよく耳にします。

日本は文化的にも他国と大きく異なりますし、厳格な遅刻欠席管理や長時間労働など、仕事に対して厳しいイメージも強いです。

 

また、言語的にも日本語という他国で通用しない非常にガラパゴスで、且つ習得難易度の高い言語を学ばないといけないので、ハードルが高いですし、リスクヘッジができません。

 

英語を学べば、フィリピン、シンガポール、アメリカやオーストラリアなど、様々な場所でチャレンジができる中で、日本は試験にパスできなければ5年で帰国させられるなど、他国と比較したときに、相対的にハードルが高い国であることを自覚しなくてはいけないと思っています。

 

この問題を巡って私が最も懸念しているのは、当初日本の人材不足を解決するために海外人材の活用を決めたのに、スタンスを間違えると政府が求めていたような人材は日本に来てくれなくなってしまうという点です。

 

それに加えて、せっかく来てくれた人材に対して「低賃金」「虐待」など非人道的な扱いをしようものなら、日本の評判は地に落ちて、人材獲得など夢のまた夢になってしまいます。

 

池田

まさにそのとおりです。

留学生に関しても同じ構図で、すでに争奪戦の様相なんです。

日本にわざわざ留学に来る学生は、本命の国に行けなくて第2希望、第3希望の人が多くなってきています。耳の痛い話ですが、日本はまずそれを自覚したほうがいい。

 

日本はすでにみんなの憧れの国ではなく、アジアにおいてもナンバーワンだと思われていないということをまず理解して、その上で「ではどのように魅力付けしていきましょうか」という議論をするのが建設的です。

 

一体誰が日本を選んでくれるのだろうと、日々留学生と接している中で思います。日本の漫画が好きだからという理由だけでいつまでも日本を選んでくれるわけではないですからね。今は文化的なソフトパワーに頼り過ぎな部分が大きいと思います。

 

視点7

日本はすでに人材を選ぶ側ではない。上から目線を捨て「住みたい国」と思われるような魅力づけの議論が必要。

最後に

one visa は「世界から国境をなくす」をビジョンに掲げるスタートアップ企業です。私自身、幼少期にペルーから来日し、いまの自分があることにとても感謝しています。そうした背景から、すべての人が生まれた国に関係なく、挑戦できるような世界を事業を通じて実現していきたいと思っています。

 

今後も誠実に、国籍にかかわらずより多くの人が幸せになれる世界の実現を目指して邁進してまいります。

 

株式会社 one visa 代表取締役社長

岡村アルベルト

 

one visa 編集部 (ウェブサイト)

株式会社 one visaは”世界から国境をなくす”をビジョンに掲げ、在留資格の申請・取得・管理をサポートするオンラインサービス「one visa」を提供する企業です。

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