【1から丁寧に!】ビザ申請時に必要な書類『理由書』について

ビザの申請変更等(正確には、「在留資格の申請・変更等」)において、定められている申請書類添付書類を提出すれば、入国管理局は受け取ってくれます。後は結果を待つだけ…。

 

ところが数週間後に、いきなり不許可となるかもしれないのです。追加資料を求められれば、まだましな方でしょう。その場合でも当然、審査期間が延びてしまいます。

 

「理由書」についての注意点をしっかりと確認し、このような事態を避けましょう。


ビザの申請・変更等で理由書が果たす役割

ビザの申請・変更等において、審査期間にも影響を及ぼす「理由書」は、どのような役割を果たすのでしょうか。

先ずはその点を確認しましょう。

「理由書」とは何か

ビザの申請・変更等には“法務省の裁量”が大きく関わっています。自国民以外の人間を受け入れるかどうかは、その国の裁量に任せられているのです。

 

これは何も日本に限った話ではなく、全世界共通です。だからこそ、ビザの申請をする側ができる限りの用意をし、日本にとって有益であり、かつ害を及ぼさない人間であることを証明する必要があるのです。その証明のための書類が、「理由書」なのです。

 

したがって「理由書」を書く場合には、その点を踏まえた内容になっていなければなりません。それが重要な注意点です。

「理由書」が審査期間にどのように影響を及ぼすのか

ビザの申請・変更等において、要求されている書類を過不足なく提出すれば、入国管理局は受け付けてはくれますが、そのことと入国審査官が許可をしてくれるかは別の話です。


要求されている書類だけで、申請者が日本にとって有益であり、かつ害を及ぼさない人間だとわかればよいのです。しかし常に、それだけで審査官を納得させられるとは限りません。

 

入国審査官を納得させられなければ、いきなり不許可となることもあります。追加で資料提出を求められることもありますが、当然その分だけ審査期間が長引くことになります。

 

つまり、「理由書」を用意しておけば審査官の審査がスムーズに進む可能性が高まるのであり、未提出の場合よりは、審査期間は確実に短縮されることになります。

 

追加資料を要求する審査官は、申請する外国人のことを知らないのですから、場合によっては、次々と追加の資料を求められるかもしれません。

 

そのようなことにならないようにするための注意点として、最初からしっかりとした「理由書」を用意することです。そうすれば、審査期間がむやみに長引くことはありません。


就労ビザの申請・変更等の場合

就労ビザの申請・変更等の場合には、雇用する側が用意する「雇用理由書」、申請する本人が用意する「理由書」という二種類の「理由書」を用意しましょう。そして、その理由書の中に書いた内容を証明する資料などがあれば、可能な限りそれらを調えて添付すべきです。

 

雇用理由書

会社の事業概要の説明をし、当該外国人を評価している能力や性格、採用経緯などを記載し、当該外国人を採用することが会社にとってどれだけの利益を生み出すのかを説明します。

 

留学生を採用する場合の注意点は、外国人の卒業学校と卒業年度のようなことの他に、学んできた専門分野と担当する業務の関連性なども説明する必要があります。

 

そしてこの雇用理由書が、会社の考えを正式に表明したものであると証明するために、会社名・代表者名と社判まで押印しておきます。会社として、当該外国人のビザの申請・変更を全面的にバックアップする姿勢を真摯に示すのです。

理由書

申請する外国人自身が用意する書類になります。出身国、卒業学校と卒業年度、専攻した専門分野、職歴などを記載し、雇用契約を交わした会社への応募理由やその会社で担当する職務適性や実務経験などを説明します。自分が日本においてどれだけ会社に貢献できるのかを、積極的にアピールしなければなりません。

 

ところが時々、紙一枚に簡単な日本語で作文さえできれば大丈夫だという外国人の方がおられます。仲間内でそのような話を聞いたというのが、大丈夫だと思われる根拠のようです。確かにそのような事実があります。但し注意点として、以下の内容を把握しておくべきです。

 

このような紙一枚の理由書は、その意義を問われていないケースなのです。

入国管理局にマイナスに思われる要素が何もないという場合には、そもそも理由書が不要となり、どのような理由書を出していても関係ないのです。

 

しかし、入国管理局がマイナスに思う事情があるやなしやは、入国管理局しかわからないことであり、事前にしっかりとした理由書を用意しておくことの方が、ビザの申請・変更等においては安全だと言えます。外国人本人がいかに大丈夫だと断言しても、入国管理局がそう思うかはわからないのです。

 

身分系ビザの申請・変更等の場合

身分系のビザの申請・変更等においても、「理由書」は大事な役割を担います。

 

就労系ビザの場合には、「就労」という利益・不利益が判断しやすいファクターを通しての「理由書」です。しかし「結婚」や「家族」というファクターは、二者択一的に判断するのが非常に難しいので、その「理由書」がより重たい意義をもつのです。

 

「日本人の配偶者等」のビザ(在留資格)を申請する場合の例を挙げておきましょう。

「日本人の配偶者等」のビザ(在留資格)を申請する場合

二人の出会いから結婚までの経緯、つまり交際状況をすべて明らかにしていく努力が求められます。ある意味プライベートを白日の下にさらすことになるので、気後れしてしまうこともあります。

 

また注意点は、結婚後の生活の安定性、継続性についても証明していく必要があります。これは主に経済的な側面に比重を置くとよいでしょう。

 

そして書かれていることが正しいことを証明するため、写真やSNSの通信記録など、客観的に示すことができるものはすべて添付資料とします。

 

まとめ

ビザの申請・変更等における「理由書」は、入国管理局から求められている書類ではありません。しかし一方で注意点は、申請者は自らを日本国にとって有益であり、害を及ぼす人間でないことを証明しなければならないということです。

 

そのために、「理由書」なるものをしっかりと用意することが必要です。万全の用意をしておけば、追加資料を求められ、その資料を用意して提出するという手間暇が省かれる分だけ、審査期間は短縮されるでしょう。

 

それ以上に、いきなり不許可となるリスクを最大限省くことができるのです。

 

 

行政書士齊藤学

千葉県行政書士会会員・葛南支部船橋幹事。 25年間の会社勤務経験を経て2016年に行政書士として独立。市民法務と国際業務を中心に活動し、ビザの申請取次業務にも従事。

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