罰金30万円? 届出を怠ると罰則も〜外国人採用に必要な届出〜

最近は日本にも外国人労働者が増加して、いわゆる会社の「労務管理」が重要になってきました。

特に会社の人事担当者は、雇っている外国人の在留資格や在留期間の把握はもちろん、現在義務付けられている届出についても、十分理解しておかなければなりません。

 

この記事では、外国人労働者に関する情報をいつ、どこに届け出るのかについて詳しくご説明します。

在留外国人を把握する制度

在留管理制度とは?

日本には、様々な理由で就労し、それぞれの期間で在留する外国人がいます。そこで、それらの外国人の適正な在留の確保のために、外国人の在留状況を一元的に把握する必要があります。

 

これが2012年(平成24年)7月から始まった在留管理制度で、法務省の管轄になります。

在留カードの交付

この制度の対象者には、住所、氏名などの「基本的身分事項」、在留資格、在留期間が記載され、顔写真が添付されている「在留カード」が交付されます。

制度の特徴

それまでは、「外国人登録制度」による実態の把握でしたが、「在留管理制度」のスタートによって、「外国人登録制度」は、廃止されることになりました。なお、新たな制度では、在留状況を今まで以上に把握できるようになったため、在留の上限が3年から最長5年までになりました。

 

また、出国の日から1年以内に再入国する場合、原則的に再入国許可手続きを不要とする制度(みなし再入国許可制度)を導入するに至りました。

 

外国人の雇用届出とは?

届出の概要・対象者

外国人を雇用している会社は、上記で説明した「在留カード」を確認した上で、管轄するハローワークに届け出なければなりません。

 

外国人労働者の雇入、離職の際には、当該外国人の氏名・在留資格などをハローワークに届けることになりますが、全員ではありません。外国籍であっても、在留資格が「外交」または「公用」の人、さらに「特別永住者」は、届け出る必要はありません。

 

なお、この届出を怠った場合には、その事業者に30万円以下の罰金が科されますので、注意が必要です。

アルバイトの場合は?

正社員以外でも、外国人をアルバイトとして雇い入れたり、離職したりした場合には、ハローワークに届け出る必要があります。届出の期限は、採用、もしくは離職した翌月末までです。

 

もし、この届出を怠った場合には、事業者は30万円以下の罰金が科せられます。 

2つの届け出方法

届け出には2通りあります。

 

まず、「雇用保険」の被保険者となる外国人労働者の場合は、以下の届出事項を事務所管轄のハローワークに届け出ます。届出期限は、雇い入れが翌月10日まで、離職が離職日翌日から10日以内です。

 

<届出事項>

氏名、在留資格、在留期間、生年月日、性別、国籍、地域、資格外活動許可の有無、雇い入れに係る事業所の名称・所在地、賃金その他の雇用状況に関する事項、住所、離職に係る事業所の名称・所在地

 

次に、「雇用保険」の被保険者の対象でない外国人労働者の場合は、以下の届出事項について、該当する外国人が勤務する事業施設(店舗、工場など)を管轄するハローワークに届け出ます。届出期限は、雇い入れ、離職ともに、翌日末までです。

 

<届出事項>

氏名、在留資格、在留期間、生年月日、性別、国籍、地域、

資格外活動許可の有無(※雇い入れ時のみ)

 

届出内容の確認

届出内容の確認方法には、次の3通りがあります。

在留カードの確認

「在留カード」を所持している外国人の場合は、該当する外国人に「在留カード」の提示を求めて、記載されている内容を届出書に記入し、提出します。ただ、この「在留カード」を所持している外国人は、中長期在留者に限られています。

 

中長期在留に該当する外国人とは、「技術」や「人文知識・国際業務」などの就労資格で会社などに務めている、「留学」などの資格で学校へ通っている、日本人と結婚して「日本人の配偶者等」の資格によって生活している、そして「永住者」の在留資格を有している人などです。

外国人登録証明書などの確認

先程ご説明したように、「外国人登録制度」は現在廃止され、中長期在留者には「在留カード」が交付されています。しかし、廃止時点で「外国人登録証明書」を所持している場合は、下記の期間、「在留カード」とみなす措置が取られていました。

 

永住者

16歳以下の方 2015年7月8日まで

16歳未満の方 2015年7月8日又は16歳の誕生日のいずれか早い日まで

 

特定活動

※特定研究活動等により「5年」の在留期間を付与されている者に限ります。

16歳以上の方 在留期間の満了日又は2015年7月8日のいずれか早い日まで

16歳未満の方 在留期間の満了日又は2015年7月8日又は16歳の誕生日のいずれか早い日まで

 

それ以外の在留資格

16歳以上の方 在留期間の満了日

16歳未満の方 在留期間の満了日又は16歳の誕生日のいずれか早い日まで

現時点では特伐な場合を除き原則として外国人登録証明書は効力がありません。提示された場合はよく確認してください。

どちらも持っていない外国人は?

「在留カード」も「外国人登録証明書」も所持していない外国人は、中長期在留者ではないか、入国管理局から「在留カード」が未だ届いていないことが考えられます。

 

このような場合は、旅券(パスポート)(事情により旅券を所持していない一部の外国人は「在留資格証明書」)、旅券の資格外活動許可証印、資格外活動許可書、就労資格証明書を確認し、届出書に記入した上で、提出します。

 

まとめ

会社が働く社員を管理・把握することは、基本中の基本です。特に外国人労働者の場合、在留資格や在留期間などに十分注意しておく必要があります。

 

 

行政書士井上通夫

熊本県出身。福岡大学法学部法律学科卒業。在学中は、新聞部編集長として、学内新聞を発行。憲法・行政法ゼミ(石村ゼミ第18期生)所属。大学卒業後は、大手信販会社、大手学習塾に勤務。平成18年度行政書士試験に合格後、平成20年7月福岡市で行政書士事務所を開業、現在に至る。扱う案件は、主に相続・遺言、民事法務(内容証明・契約書・離婚協議書等)、公益法人業務(社団・財団法人)など幅広く対応。

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