外国籍従業員と日本人従業員の比率って、ビザ取得の難易度に影響するの?

外国人の方を初めて採用しようと考えている会社と既に複数人採用実績がある会社では、どちらの会社の方が就労ビザ(在留資格)を取得しやすいのでしょうか。言い換えると、日本人社員と外国人社員の比率がビザ取得難易度に影響するのでしょうか。

この点について、誤解されていることが多いのが実情だと思われます。そこでビザ取得難易度について、一度整理し、確認しておきましょう。


就労ビザ(在留資格)の取得要件を確認しましょう

就労ビザ(在留資格)を申請するには、以下の要件をすべて満たす必要があります。

  • ①就労ビザ(在留資格)毎による学歴または職歴(職務経験)
  • ②日本人と同等以上の報酬
  • ③雇用する会社(招へい機関)の安定性・継続性・収益性
  • ④その他(外国人の方の素行、勤務場所、雇用の必要性)

これら4つの要件は、外国人を初めて採用する会社でも、既に複数人採用実績がある会社でも等しく要求されます。

要件①~③について

既に複数人採用実績がある会社においては、今までの採用実績がありますから、①から③の要件をクリアしているかどうかを直ぐに判断できるでしょう。その一方で、初めて採用される会社では経験がない分、要件を満たしているかどうか不安を感じやすくなります。

 

しかし、①から③の要件はどちらかというと客観的に判断しやすく、書類も調えやすいはずです(手間がかかるという問題は別です)。したがって①から③について、驚くほど意外な結果を導くことはまずないでしょう。外国人の方が①で嘘を言っていなければ、事前に就労ビザ(在留資格)を取得できそうかどうかは、見込みが立つはずです。

要件④について

就労ビザ(在留資格)の取得難易度を左右するのは、実はこの④の要件なのです。④の中でも、最大のポイントになるのは「雇用の必要性」です。

 

既に外国人の方の多数の採用実績がある会社では、この点を油断しがちです。今まで就労ビザ(在留資格)を認めてもらって多数の外国人の方を採用してきているから、その点が問題になるとは全く考えず、油断してしまったというケースがあります。

 

外国人が多数を占める会社なのだから、当然就労ビザ(在留資格)を認めてもらえると、早合点してしまいがちなのです。この④の要件はそんなに単純なものではありません。

 

外国人雇用の必要性判断

就労ビザ(在留資格)の取得難易度は、外国人の方を採用する必要性をいかに説明できるかに係っているのです。入国審査官が納得できる資料を提出できるかどうか、その一点です。

 

過去の外国人社員採用の実績があっても、関係ありません。外国人社員の比率が日本人社員の比率よりどれだけ高くても関係ないのです。逆に、既に外国人の方を既に採用しているのだから、もう必要ないという判断をされかねません。

 

外国人の方を採用するためには、外国人の方を採用する必要性を証明しなければならないのです。日本人ではなく、外国人である従業員をなぜ雇用しなければならないのか、そのことによって会社にどのような利益がもたらされるのか、ここをしっかりと説明しましょう。

 

既に採用実績のある会社であれば、外国人従業員を更に雇用する理由付けを、今まで以上にしっかりと行う必要があります。漫然と今までと同じようにしていては、必要性を疑われ、就労ビザ(在留資格)取得難易度を高めてしまうことになります。

 

まとめ

外国人の方を初めて採用しようとする会社と、既に複数人採用実績がある会社で、就労ビザ(在留資格)の取得難易度に差があるわけではありません。実務の担当者が、書類を調えやすいかどうかぐらいの差だと思っていただいて、大丈夫です。

 

日本人社員と外国人社員の比率がビザ取得難易度に影響を及ぼすことはありません。ビザ取得難易度に影響を与えるのは、外国人雇用の必要性を十分説明できるかどうかという点です。既に採用実績があれば、なぜ更に採用する必要があるのかを、業務拡大と絡めて説明する必要があります。

 

初めて採用するのであれば、外国人の方にどのような働きを期待し、会社が何をしたいのかをしっかりと説明しましょう。

 

行政書士 齊藤学

千葉県行政書士会会員・葛南支部船橋幹事。 25年間の会社勤務経験を経て2016年に行政書士として独立。市民法務と国際業務を中心に活動し、ビザの申請取次業務にも従事。

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