就労ビザの取得には【学歴】が必要? 〜外国人雇用と2つの要件〜

日本で働くには、就労ビザが必要です。

 

しかも、その中のいくつかは学歴が要件となっています。どのビザで学歴が必要なのか、詳しくご説明いたします。

学歴が必要な就労ビザ

学歴が必要な就労ビザとは?

外国人雇用_学歴_必要_要件

 

日本に在留できる資格を「在留資格」と言います。

 

その中で日本の滞在が可能で、しかも就労に制約がある資格は、外交、公用、教授、芸術、宗教、報道、投資・経営、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術、人文知識・国際業務、企業内転勤、興行、技能の16種類です。

 

この中で、「研究」、「教育」、「技術」、「人文知識・国際業務」の4つの資格で就労するには、基本的に「学歴」が必要です。

学歴が必要なビザの内容

「研究」ビザは、国や地方公共団体の機関・特殊法人などと契約を行い、試験、調査、研究などの仕事ができるものです。

 

「教育」ビザは、小・中・高等学校、専修学校、各種学校などで、教育をする活動を行うことができるものです。

 

「技術」ビザは、理学、工学などの自然科学の分野に関する技術、あるいは知識を必要とする業務を行うことができるものです。

 

人文知識・国際業務」ビザは、法律、経済学などの人文科学の分野に関する技術、あるいは知識を必要とする業務を行うことができるものです。

必要な要件とは?

この4つのビザでは、従事しようとする業務について、

 

①関連する科目を専攻し、大学を卒業し、またはこれと同等以上の教育を受けたこと

②関連する科目を専攻し「本邦」の専修学校の専門課程を修了したこと

③10年以上の実務経験を有すること

のいずれかを満たしていること

 

という基準が定められています。

 

卒業証明書の見方

海外の大学の卒業証明書の表記

海外の大学を卒業している場合には、卒業証明書を見て、要件を満たしているか確認する必要があります。

 

卒業証明書の中に、以下の文言があれば、学歴の要件はクリアしています。

  • 「Associate」(準学士)
  • 「Bachelor」(学士)
  • 「Master」(修士)
  • 「Doctor」(博士)

海外の学校制度の注意点

学校制度は、国によって違いますので、上記の基準が完全に当てはまるということではありません。

 

また、外国人本人が大学だと思っていても、大学ではなく専門学校だった場合には、要件に当てはまらないことになります。

 

ただその反対に、上記の文言が入っていなくても、日本の大学に相当する学校を卒業していれば、要件を満たすこともあります。

 

学歴の要件を満たしていないときは?

実務経験の証明

「自分は高卒だから、ビザの取得は難しい」と考えて、ビザの取得をあきらめる人がいるかもしれません。

 

ただ、学歴の要件を満たしていなくても、実務経験で要件を満たすことができる可能性があります。業務内容にもよりますが、「技術・人文知識・国際業務」は、3年、あるいは10年の実務経験があることを証明できれば、ビザの取得が可能になる場合もります。

理由書の提出

理由書」とは、外国人が日本に在留する根拠やあるいは、外国人の在留状況に変化があった際に、申請書では説明しきれない理由を補足するためのものです。

 

今回の学歴の要件でも、申請書添付資料で説明しきれない事情をこの「理由書」という形で補足することも有効です。

 

例えば、文系の学歴を持つ外国人をITエンジニアとして採用する場合に、この「理由書」を作成するのです。その内容としては、「入社後に専攻した知識を必要とするプロジェクト開発に携わる予定がある」とか「入社後の教育(OJT)によって、エンジニアの技術を習得させる」などです。

まとめ

学歴を要件とする就労ビザを取得した場合、仮に学歴を満たさない場合でも、実務経験や理由書を利用して、申請することを検討してみましょう。

 

行政書士井上通夫

熊本県出身。福岡大学法学部法律学科卒業。在学中は、新聞部編集長として、学内新聞を発行。憲法・行政法ゼミ(石村ゼミ第18期生)所属。大学卒業後は、大手信販会社、大手学習塾に勤務。平成18年度行政書士試験に合格後、平成20年7月福岡市で行政書士事務所を開業、現在に至る。扱う案件は、主に相続・遺言、民事法務(内容証明・契約書・離婚協議書等)、公益法人業務(社団・財団法人)など幅広く対応。

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