外国籍従業員がパスポート or 在留カードを紛失してしまった!どうしよう...

優秀な外国人を探しだし、就労ビザ在留資格)を無事取得させ、後はビジネスに専念してもらうだけ…と思ったところ、その外国籍従業員がパスポートや在留カードを紛失したと言ってきたら、会社はどうすればよいのでしょうか?

 

台風や地震などの災害時対策としても、会社の人事や総務担当者はぜひ知っておいて欲しいと思います。


パスポート(旅券)を紛失してしまったケース

就労ビザ(在留資格)を持っている外国籍従業員が、パスポート(旅券)を紛失してしまったと会社に連絡をしてきたら、直ぐに警察に届け出るように指示を出してください。

 

その際には、警察署発行の遺失届出証明書を必ずもらわなければなりません。パスポート(旅券)の再発行をするには、この警察の証明書は必ず必要になります。会社の担当者が同行できるようであれば、可能な限り同行するようにしてください。その方が、就労ビザ(在留資格)を持っている外国籍従業員の身分を証明しやすくなります。

 

パスポート

 

本国の在日大使館または領事館でのパスポート(旅券)再発行手続き

就労ビザ(在留資格)を持っている外国籍従業員の本国が、日本におく大使館や領事館で、紛失したパスポート(旅券)の再発行手続きを行います。申請も受け取りも、原則本人でなければできません。

 

 

タイ王国の場合

申請手数料9,000円の他に、以下の書類を用意しなければなりません。なお写真は大使館で撮影することになるようです。受け取りには、約4週間かかるようです(在東京タイ王国大使館)。

  • 1. パスポートのコピー(※持っている場合)
  • 2. 国民身分証明書
  • 3. 住居登録証(タビアンバーン)
  • 4. 日本の外国人登録証(持っている場合)※住所確認のため
  • 5. 氏名変更証明書(氏名変更したことがある場合)
  • 6. タイ区役所発行の婚姻証明書、離婚証明書、又は家族身分登録証明書(婚姻/離婚)
  • 7. パスポート申請書1枚(大使館に用意してあります。もしくは大使館のHPからダウンロードできます)
  • 8. 日本の警察署発行の遺失届出証明書

 

中華人民共和国の場合

短期ビザ(90日以内)の場合には、旅行証を申請して帰国することになります。そうでなければ以下の書類等を準備して再発行を願い出ることができます。

  • 1. 記入済みの「中華人民共和国パスポート・旅行証・回国証明申請表」
  • 2. パスポートの写真ページのコピー (もしあれば提出して下さい)
  • 3. 6ヵ月以内に撮影されたカラーの証明写真二枚
  • 4. 在留カードか外国人登録証明書の原本と原本の表裏のコピー
  • 5. 三ヶ月以内に市区町村役場で発行された「住民票」
  • 6. 「パスポート紛失或いは損壊状況報告」一部
  • 7. 警察署が発行する遺失届出証明書

 

在留カードを紛失してしまった場合

中長期滞在の外国人に発行され、常に携帯が義務付けられているのが在留カードです。そのため、紛失する外国人が多いのも事実です。

 

紛失した際には直ぐに警察に届け出て、遺失届出証明書を取得させてください。紛失日から14日以内に、以下の書類等を用意して、入国管理局に再発行を申請します。代理人でも申請は可能です。

  • 1. 在留カード再交付申請書(入管にあります。)
  • 2. パスポート
  • 3. 顔写真(横3cm×縦4cm、撮影3か月以内。16歳未満は不要です。)
  • 4. 遺失届出証明書等
  • 5.  (代理人などが行く場合)委任状

 

人事・総務担当者の心得

就労ビザ(在留資格)を持っている外国籍従業員がパスポート(旅券)を紛失した場合に備えて、彼らの本国の大使館または領事館のホームページを確認しておきましょう。

 

たとえばポーランド共和国大使館のように情報が載っていないところもあります。ポーランド大使館では、パスポート(旅券)を紛失した同国国民が問い合わせをしてきたら対応をするというスタンスです。このように就労ビザ(在留資格)を持っている外国籍従業員の本国の情報を、担当者として把握しておくことも、リスクマネジメントとして必要だと思われます。

 

なお、パスポート(旅券)が再発行されたら、入国管理局に出向き、上陸許可の証印転記願を申請することも忘れずに行いましょう。

 

パスポート以上に紛失の可能性が高いのが、在留カードです。在留カードとパスポート(旅券)を常に一緒に持ち歩く場合は、一度に紛失することが多いですが、パスポート(旅券)の再発行をしてから在留カードの再発行をしてもらうのがよいでしょう。パスポートの再発行は外国人本人しかできませんが、後の手続きは代理人でもできますし、パスポート(旅券)があればその後の手続きはスムーズだからです。

 

まとめ

会社の人事・総務担当者は、就労ビザ(在留資格)を持っている外国籍従業員の管理監督権として、パスポート(旅券)やIDカードなどのコピーを預かっておくことが必要かもしれません。国によってはパスポート(旅券)の再発行の手続きに数カ月もかかる場合があるようなので、パスポートやIDカードのコピーを提出して、再発行手続きをスムーズに進めたいところです。

 

在留カードの再発行願いの申請は、紛失を知ったときから14日以内となっていますが、それを過ぎたからといって即、罰則が適用されてはいないようです。しかしできる限り早急に、再発行をしてもらうよう促すことも、大切な役目だと思われます。

 

行政書士 齊藤学

千葉県行政書士会会員・葛南支部船橋幹事。 25年間の会社勤務経験を経て2016年に行政書士として独立。市民法務と国際業務を中心に活動し、ビザの申請取次業務にも従事。

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