約50万人受け入れ? 最近よく聞く【特定技能】ってなんだろう

平成30年9月13日、外国人労働者受け入れのための新在留資格の検討会初会合が、法務省で行われました。この会合は、新しいビザ(在留資格)である“特定技能”を創設して、外国人労働者の受け入れ窓口を拡大していく具体策を話し合うものです。外国人労働者に対して単純労働を認めていくという大きな政策転換の第一歩です。

 

そこで、“特定技能”というビザ(在留資格)は一体どのようなものなのか、詳しくみていきましょう。


“特定技能”というビザ(在留資格)の内容

2019年4月からスタートさせる予定の“特定技能”というビザ(在留資格)は、就労ビザ(在留資格)の一つとして創設され、単純労働を認めるものです。しかし、全ての業種で認められるわけではないようなのです。またいろいろと制約もあるようなので、どのようなビザ(在留資格)なのか、その内容を明らかにしていきましょう。

認められる業種

“特定技能”というビザ(在留資格)は、報道されているところによると、人手不足が著しいとされる5業種(農業・介護・建設・宿泊・造船業)に限られるようです。つまりこの5業種については、外国人の方が単純労働の担い手となることができます。

 

2025年頃までに5分野で約50万人超の受け入れを想定しているようですが、他業種からの陳情が活発化している状況があり、水産や食品加工などを加えた15業種以上になる可能性もあるとのこと。そうなると、受け入れ予定の外国人労働者の数は100万人を超えるかもしれません。今後行われる会合についての報道からは、目が離せません。

制限

移民政策の転換を行うわけではないので、“特定技能”というビザ(在留資格)では、定住を認めません。そのため在留期間は最長5年間までとなるようです。また家族の帯同や呼び寄せは認められません。


“特定技能”というビザ(在留資格)取得のための2つのルート

外国人の方が、“特定技能”というビザ(在留資格)を取得する方法は、以下の2通りになるようです。

特定技能評価試験(仮)合格

国が要求する水準にある試験を業界団体が作成、実施し、外国人の方がその試験に合格すれば、“特定技能”というビザ(在留資格)が認められる資格を得ます。

 

この試験は日本語能力試験のN4レベル相当の能力を要求しつつ、実際の技能レベルを測ります。日本語能力N4レベルとは、技能実習での介護職種で入国条件となっているレベルです。日本語能力試験ではN1が一番難しく、N5が一番やさしいレベルですから、比較的高度な日本語を要求しているわけではありません。

 

そして業種によっては、N4レベルに達していなくてもよいというように緩和されることもありそうです。

技能実習修了生

技能実習生については、技能実習1号から技能実習2号の計3年間が終了していることを条件として、特定技能評価試験(仮)が免除されます。つまり、技能実習生として3年間が終了したら、“特定技能”というビザ(在留資格)が認められる資格を得ることができるのです。


“特定技能”と“技能実習”との違い

“技能実習”ビザ(在留資格)とは、発展途上地域の経済発展を担う人造りに、日本における技術・技能・知識を移転させることで寄与する制度です。労働力不足を補う制度ではありません(外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律第3条2項)。

 

しかし、“特定技能”というビザ(在留資格)は不足する労働力を補充する制度です。この点において、“技能実習”ビザ(在留資格)と“特定技能”というビザ(在留資格)は決定的に異なっています。

 

まとめ

深刻な労働力不足を補うために、単純労働を外国人労働者に解放するのが、“特定技能” というビザ(在留資格)なのです。しかし、いきなり全業種に解放するとなると、様々な摩擦が予想されるため、特に人手不足と思われる業種からという方針のようです。5業種はほぼ決まっているかのような報道が目立ちますが、それ以外の業種についても、まだ可能性があるようです。

 

また、“特定技能”というビザ(在留資格)で滞在し、他の高度な就労ビザに変更申請が認められるようですから、長期に日本に滞在する可能性も途絶えてはいませんし、家族の呼び寄せも将来的には可能となる場合があります。

 

行政書士齊藤学

千葉県行政書士会会員・葛南支部船橋幹事。 25年間の会社勤務経験を経て2016年に行政書士として独立。市民法務と国際業務を中心に活動し、ビザの申請取次業務にも従事。

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