外国籍従業員の給与額ってビザ申請に関係するの? 1から詳しく!

現在多くの外国人が日本で働いていますが、外国と日本では、年収に大きな差があります。例えば、ベトナムの平均月収は約3万円です。

 

日本の平均月収が約34万円ですから、もしベトナム人が日本で月34万円の給料をもらった場合、かなりの高額になることがわかります。

 

それでは、外国人の給料を日本人の給料よりも低くして良いのでしょうか?ビザの申請に影響は出ないのでしょうか? この点について、詳しくご説明いたします。

 

就労ビザの条件

就労ビザには、報酬に関する基準が設けられています。この基準をクリアしないと、就労ビザを取得できません。

 

つまり、いくら本国の給与基準が日本の給与基準よりも低いからといって、不当に安い給与にすることは禁止されているのです。

 

具体的な基準は、次のとおりです。 

日本人と同額以上の給与額

報酬に関する規定には、「(外国人従業員は)日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること」と記載されています。

 

つまり、日本人と同じ、あるいは日本人以上の給料を支払うことになっていなければ、就労ビザ取得することができません。

 

なお、この規定の対象となるビザは、「経営・管理」、「研究」、「教育」、「技能」、「企業内転勤」、「介護」、「興行」、「技能実習1号」、「技能実習2号」です。

日本人と同額以上とは?

外国人の給与額が、日本人と同額以上であるとする基準には、次の2つの考え方があります。

 

自社内での比較

多くの場合、この「自社内での比較」です。外国人の報酬と、自社内の日本人従業員の報酬を比べて、同等額以上の報酬とするものです。

 

他社との比較

従業員をまだ採用していない状態、あるいは初めて採用する職種等の場合には、比較する日本人従業員の給与がありませんから、他社と比べることになります。この場合、他社の同種の職種と比較しなければなりません。

 

なお、学歴と報酬をリンクさせる必要もあります。

日本の会社では、一般的に従業員の学歴によって、給与の基準を設けています。

ですから、大学卒の外国人の報酬を高卒の日本人従業員と比較するのではなく、大卒者と同等額以上の報酬にする必要があります。

 

報酬の考え方

報酬は、「一定の役務の給付の対価として与えられる反対給付」と定義されます。

ただ、報酬は、法律によって解釈や範囲が異なります。

就労ビザにおける「報酬」の範囲は、以下のとおりです。

 

  • 報酬の月額は、賞与等も含めた1年間の報酬の12分の1です。
  • 通勤手当・扶養手当・住宅手当等の手当ては、報酬に含みません。手当は仕事に対する対価ではなく「実費弁償の性格を有する」とされていますから、就労ビザの報酬規定から、除外されます。ただ、残業手当は、労働に対する対価であり、また役職手当や資格手当等は地位や能力を評価するものですから、報酬に含めます。

まとめ

いくら本国の給与基準が低いからといって、日本で働いている以上、日本人と同額かそれ以上の給与を外国人に支給しなければなりません。

 

これは、就労ビザの取得条件になっていますが、外国人も日本で生活していく以上、当然の基準だと言えます。

 

行政書士 井上通夫

熊本県出身。福岡大学法学部法律学科卒業。在学中は、新聞部編集長として、学内新聞を発行。憲法・行政法ゼミ(石村ゼミ第18期生)所属。大学卒業後は、大手信販会社、大手学習塾に勤務。平成18年度行政書士試験に合格後、平成20年7月福岡市で行政書士事務所を開業、現在に至る。扱う案件は、主に相続・遺言、民事法務(内容証明・契約書・離婚協議書等)、公益法人業務(社団・財団法人)など幅広く対応。

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