【技能実習生の受け入れ】にかかる費用 まるわかり!

技能実習制度を導入しようとしたときに、検討しなければならない問題が、コストです。技能実習生を受入れるとして、一人あたりにどのくらいのコストがかかるのでしょうか。

 この受入れ費用について、監理団体型技能実習をモデルとして、3人の技能実習生を採用するケースを時系列で追及してみましょう。

 

技能実習生受入れのために、監理団体に入会

一般的な、監理団体型技能実習を導入しようとすると、最初にどこかの監理団体に加入しなければなりません。非営利の法人である「□□(事業)協同組合」というような名前が付いている団体です。ここで発生するおおよその費用としては、以下の表の通りです。

 

入会(出資)金

1万円~10万円

年会費

2万円~10万円

 

入会(出資)金や年会費は、受入れる技能実習生の人数とは関係なく定額です。しかし受入れ人数が多くなってくると、複数の監理団体に加入するようなケースもあり、このような場合には、入会金や年会費も加入団体毎となり、コスト面では負担が大きくなります。

 

なお、JITCO(公益財団法人 国際研修協力機構)に加入して、技能実習制度のサポートを受けるかどうかは、技能実習制度を導入する会社の判断です。監理団体も独自に技能実習制度を実施している団体と、JITCOと協力して実施している団体があります。JITCOのサポートを受入れる場合には、年会費10万円~30万円(「資本金・出資金」の額による)が別途必要になります。

 

技能実習生受入れのため事前訪問費用

技能実習生の人選をするために、海外に出かけるための費用です。この部分は、担当職員を何人、何日現地に送り出すかなど、会社の方針でコストを調整できるところではあります。

 

逆に言えば、いくらでもコストをかけられるところでもあり、会社判断次第です。複数の人の目で採用判断をする会社が多いと思いますので、少なくとも二人は現地に送りだすことになるでしょう。現地に担当職員を二人で2日間派遣したとして、往復の航空券代、宿泊費、食事代などで約35万円の出費にはなるでしょう。

 

技能実習生の入国準備費用

技能実習生として採用者が決まれば、ここから様々な費用が発生していきます。どのくらいの費用が発生するかは、技能実習生の母国や送り出し機関によって異なっていますので、以下の表は一つの目安として参考にしてください。

 

 

一人当たり

三人分合計

在留資格認定申請・取次費用

約2万円

約6万円

技能実習生総合保険料

(37ヶ月分)

約2万円

~約6万円

約6万円

~約18万円

雇い入れ前健康診断費用

約1万円

約3万円

入国前講習費

約2万円

約6万円

入国渡航費

約10万円

約30万円

合計

約17万円

~21万円

約51万円

~約63万円

 

技能実習生の入国後費用

技能実習生が日本に入国し、実際に仕事を始めるまでには、もう少し費用が発生します。それが入国後の研修であり、そのための費用と手当を支給しなければなりません。また日本においても健康診断は必ず実施しておく必要があります。

 

 

一人当たり

三人分合計

入国後研修

約10万円

約30万円

講習手当

約6万円

約18万円

雇入時健康診断費用

約1万円

約3万円

 

技能実習生が実習を始めるまでの費用合計

技能実習制度を導入することを決定し、実際に技能実習生が実習を始めるまでの費用項目と概算をみてきましたが、トータルではいくらのコストになっているか、ここでまとめておきましょう。事業協同組合にも様々あり、金額も一律ではありませんが、おおよその目安にはなるはずです。

 

 

総合計

一人当たり

実習開始までのコスト合計

約191万円

~約225万円

約63.7万円

~約75万円

 

上の表では、一人当たり約70万円のコストが発生しています。この数字を高いとみるか安いとみるかですが、日本で一人を採用するための広告宣伝費とその費用対効果から判断されるとよいのではないでしょうか。

 

技能実習生を採用した後の費用

技能実習生を採用した後、給与・社会保険以外にも諸々費用が発生します。その辺りも確認しておきましょう。

 

 

一人当たり

三人分合計

監理団体の管理費(年額)

約60万円

約180万円

送り出し機関管理費(年額)

約12万円

約36万円

帰国渡航費積立金(年額)

約2万円

約6万円

技能検定料

約2万円

約6万円

在留資格変更・更新申請及び

取次費用

約5万円

約15万円

 

まとめ

技能実習生の受入れを決定してから、実際に技能実習を開始するまでには、一人当たり約70万円のコストが発生します。JITCOを利用するには、経費がその分プラスされることになります。

 

監理団体の選定時に、JITCOを利用するかしないのか、そのあたりをよく検討し、適切な監理団体を選ばなければなりません。また、実習生の住宅環境への関心・配慮が欠けると、良質な人材確保が難しくなりがちです。住居費や食費は実習生が実費を負担するからといって、無関心でいるのは良い選択とはいえません。

 

送り出し機関から、良い人材を適正な金額で継続的に紹介してもらうためにも、表だってコストがかからない点にも配慮が必要です。

 

行政書士 齊藤学 (ウェブサイト)

千葉県行政書士会会員・葛南支部船橋幹事。 25年間の会社勤務経験を経て2016年に行政書士として独立。市民法務と国際業務を中心に活動し、ビザの申請取次業務にも従事する。 (事務所HPは、上記"ウェブサイト"をクリックすると開きます)

新規CTA

合わせて読みたい