1から詳しく! 【技能実習生】受入れ可能人数は何人まで?

技能実習制度に興味を抱かれると、「いったい何人を受入れできるのか?」という大きな疑問が湧いてきます。

 

他にもいくつかの疑問点があるかと思いますが、この人数についての疑問をまずは正しく解決しないことには、先に進めないでしょう。そこで技能実習生の受入れ可能人数について、分かりやすく解説しましょう。


技能実習生の受入れできる人数とは?

「技能実習法(外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律)」の第9条11号に、以下の文言があります。

 

申請者が技能実習の期間において同時に複数の技能実習生に技能実習を行わせる場合は、その数が主務省令で定める数を超えないこと。

 

つまり、一定の人数制限を設けているのです。

 

基本人数枠

「技能実習法」を受けて、「技能実習法施行規則」の第16条が、受入れることができる具体的な技能実習生の人数を示しています。以下の表を参照していただくと分かりやすいかと思いますが、実はこの数字はあくまで「基本人数」の基準にしかすぎません。具体的には、団体監理型なのか、企業単独型なのかによって変わってきます。

 

申請者の常勤の職員の総数

技能実習生の数

301人以上

申請者の常勤の職員の総数の1/20

201人以上300以下

15人

101人以上200人以下

10人

51人以上100人以下

6人

41人以上50人以下

5人

31人以上40人以下

4人

30人以下

3人

 

団体監理型か企業単独型かによる受け入れ人数基準

技能実習生の人数制限は、団体監理型か企業単独型かによって、異なっています。

 

団体監理型

基本人数枠をベースに、2倍・4倍・6倍という制限があります。優良基準適合者であるためには、実習実施者と監理団体の両方が優良基準を満たす必要があります。

 

第1号(1年間)

基本人数枠

第2号(2年間)

基本人数枠×2倍

優良基準適合者

 

第1号(1年間)

基本人数枠×2倍

第2号(2年間)

基本人数枠×4倍

第3号(2年間)

基本人数枠×6倍

 

企業単独型

企業単独型団体監理型と同様に優良基準適合者は優遇されます。そして常勤職員の総数が少ない企業で、「法務大臣および厚生労働大臣が継続的で安定的な実習を行わせる体制を有すると認める企業」となると、より優遇されるように定められています。

 

企業

主務大臣の認定企業

左記以外の企業

第1号(1年間)

基本人数枠

常勤職員数総数の1/20

第2号(2年間)

基本人数枠×2倍

常勤職員数総数の1/10

優良基準適合者

 

 

第1号(1年間)

基本人数枠×2倍 常勤職員数総数の1/10

第2号(2年間)

基本人数枠×4倍

常勤職員数総数の1/5

第3号(2年間)

基本人数枠×6倍

常勤職員数総数の3/10

 

具体例

常勤職員の総数が30人の企業で、技能実習生受入れ可能数をシミレーションしてみましょう。技能実習生受入れにおいて一般的な団体監理型で、4年目には優良基準適合者になり、「第3号」の実習生を受入れするケースです。

 

 

1年目

2年目

3年目

4年目

第1号

3人

3人

3人

6人

第2号

0人

3人

6人

6人+6人

第3号

0人

0人

0人

3人+15人

合計

3人

6人

9人

36人

 

1年目には、第1号の技能実習生を3人だけ受入れできます。2年目は、新たに3人を第1号として受入れできますし、初年度の3人が第2号に変更となっています。技能実習生は、合計で6人になります。3年目には、やはり第1号で3人を新規に受入れ可能です。

 

第2号として、初年度の3人と2年目の3人の計6人が在籍していますから、技能実習生は、合計9人になっています。

 

さて、4年目を迎える前に優良基準適合者となったので、初年度の3人が第3号に変更になります。優良基準適合者ですから、第3号は「3人×6倍」まで受入れできるので、理論上は他社から15人を迎え入れることは可能です。第2号は2年目と3年目の3人ずつの計6名がいます。ここも理論上は、「3人×4倍」まで受入れ可能ですから、他社から6人を迎え入れできます。第1号は、「3人×2倍」ですから、新規で6人採用可能です。

 

このようにシミュレーションをすると、常勤職員数の総数が30人以下の会社では、技能実習生を受入れてから4年目で、理論上は常勤職員数の総数を超える外国人実習生を受入れできるのです。

受入れできる技能実習生の数の上限

優良基準適合者となると、どんどん技能実習生を増やしていくことができそうですが、やはり上限枠というものは存在します。この上限数は団体監理型・企業単独型を問わず、共通で、やはり常勤職員数の総数を基準に定められています。

 

技能実習生

上限数

常勤職員数総数30人の場合

第1号

常勤職員数総数以下

30人以下

第2号

常勤職員数総数の2倍以下

60人以下

第3号

常勤職員数総数の3倍以下

90人以下

 

技能実習生受入れ人数の基準となる常勤職員とは?

常勤の職員とは、分かりやすく理解すると、「正社員」ということになります。正社員と同様の就業時間で、継続して働く日給月給者を含みます。国内にある本社・支社・事業所など企業全体で合計します。「国内」と表現しましたが、海外にある支社・事業所などの常勤職員はカウントできませんので、注意が必要です。 

役員は常勤職員としてカウントできるか

理事、監事、取締役などの役員は、会社から労働の対価を得ている場合を除いては、常勤職員として、カウントすることはできません。「取締役部長」という肩書があっても、会社から役員報酬しか支払われていない場合には、やはり常勤職員とすることはできません。「部長」としての労働の対価(給与)が支払われていれば、常勤職員としてカウントできます。

建設業・造船業における注意点

以下の条件を満たす場合には、下請け業者の雇用者を元請け業者の常勤職員としてカウントすることが可能になります。

 

① 元請け業者(以下、「A」)と下請け業者(以下、「B」)との間に、Aを注文者としてBを請負人とする請負契約が過去1年以上おおむね継続的に締結されていること

 

② Aが注文者である工事現場において、Bに継続的に雇用されているCがBの監督の下、Aに雇用されている者と共にAの業務にフルタイムでおおむね6か月以上継続して従事していること

 

③ Cの勤務形態が労働関係法令その他の法令に違反するものではないこと

 

まとめ

技能実習生を何人まで受入れることができるのかは、その法人の常勤職員数の総数が基準となります。技能実習生の最大受入れ人数は、常勤職員数の総数の6倍です。どのような法人でも、常にその数を最初から受入れることはできません。

 

優良基準適合者になれるかどうか、そして第1号から第3号までの区分によって、いろいろな制約があります。そのあたりを計画的に見据えていけば、常勤職員の最大6倍まで受入れ可能になるのです。

 

行政書士 齊藤学

千葉県行政書士会会員・葛南支部船橋幹事。 25年間の会社勤務経験を経て2016年に行政書士として独立。市民法務と国際業務を中心に活動し、ビザの申請取次業務にも従事。

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