ビザ申請時の注意点~添付書類編~

ビザの申請・変更等(正確には、「在留資格の申請・変更等」)のための基礎的なことを確認してきました。申請書類を用意し、提出に行くまでの一通りをご理解いただけたと思います。

しかし実は申請の際に必要な書類について、もう少し詳しくご説明しなければなりません。ビザ申請の際に必要になるのは申請書類だけでなく、その他の添付書類も必要なのです。

 

この添付書類についての注意点を、確認していきましょう。

 

ビザ申請時に入国管理局が求める添付書類の注意点

ビザの申請・変更(正確には、「在留資格の申請・変更等」)の際に用意すべき添付書類は、在留資格に応じて決まっています。

 

そこで、一般的な就労資格である「技術・人文知識・国際業務」を例にして確認してみましょう。

ビザの申請時

ビザ申請のための「在留資格認定証明書交付申請書」の他、原則①から⑨の添付書類が必要になります(http://www.moj.go.jp/ONLINE/IMMIGRATION/16-1.html)。抜けがないように注意しましょう。

 

①写真(縦4cm×横3cm) 1葉
②返信用封筒 1通
③専門学校を卒業し、専門士又は高度専門士の称号を付与された者については、専門士又は高度専門士の称号を付与されたことを証明する文書 1通
④申請人の活動の内容等を明らかにする次のいずれかの資料

(1)労働契約を締結する場合

労働基準法第15条第1項及び同法施行規則第5条に基づき、労働者に交付される労働条件を明示する文書 1通

 

(2)日本法人である会社の役員に就任する場合

役員報酬を定める定款の写し又は役員報酬を決議した株主総会の議事録(報酬委員会が設置されている会社にあっては同委員会の議事録)の写し 1通

 

(3)外国法人内の日本支店に転勤する場合及び会社以外の団体の役員に就任する場合

 地位(担当業務)、期間及び支払われる報酬額を明らかにする所属団体の文書 1通

 

⑤申請人の学歴及び職歴その他経歴等を証明する文書

(1)申請に係る技術又は知識を要する職務に従事した機関及び内容並びに期間を明示した履歴書 1通

 

(2)学歴又は職歴等を証明する次のいずれかの文書

ア 大学等の卒業証明書又はこれと同等以上の教育を受けたこと を証明する文書。 1通

イ 在職証明書等で、関連する業務に従事した期間を証明する文書  1通

ウ IT技術者については、法務大臣が特例告示をもって定める「情報処理技術」に関する試験又は資格の合格証書又は資格証書  1通 ※③を提出している場合は不要

エ 外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務に従事する場合は、関連する業務について3年以上の実務経験を証明する文書 1通

 

⑥登記事項証明書 1通
⑦事業内容を明らかにする次のいずれかの資料

(1)勤務先等の沿革、役員、組織、事業内容等が詳細に記載された案内書 1通

(2)その他の勤務先等の作成した上記(1)に準ずる文書 1通

 

⑧直近の年度の決算文書の写し。新規事業の場合は事業計画書 1通
⑨前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表を提出できない理由を明らかにする次のいずれかの資料

(1)源泉徴収の免除を受ける機関の場合

外国法人の源泉徴収に対する免除証明書その他の源泉徴収を要しないことを明らかにする資料 1通

 

(2)上記(1)を除く機関の場合

ア 給与支払事務所等の開設届出書の写し 1通

イ 次のいずれかの資料

(ア)直近3か月分の給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(領収日付印のあるものの写し) 1通

(イ)納期の特例を受けている場合は、その承認を受けていることを明らかにする資料 1通

 

しかし⑩として、

 

⑩「会社四季報の写し」か、「日本の証券取引所に上場していることを証明する文書(写し)」、または「主務官庁から設立の許可を受けたことを証明する文書(写し)」 

を提出できる場合(カテゴリー1)には、④から⑨は省略できます。

 

つまり、①・②・③・⑩を用意すればよいのです。

 

⑩は用意できないとしても、前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表中、給与所得の源泉徴収票合計表の源泉徴収税額が1,500万円以上ある団体・個人(カテゴリー2)であれば、⑪として

 

「前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印のあるものの写し)」

 

を提出すれば、やはり④から⑨を省略することができます。つまり、①・②・③・⑪を用意すれば大丈夫です。

 

⑩が用意できない場合で、前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表中、給与所得の源泉徴収票合計表の源泉徴収税額が1,500万円未満の団体・個人(カテゴリー3)でも、やはり⑪として「前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印のあるものの写し)」を提出すれば、⑨は不要となります。

 

つまり、①~⑧と⑪を用意します。

 

ビザの申請については、“法務省の裁量”が幅広く認められることを既にお伝えしました。用意すべき添付書類についても、その“裁量”のために、「経済取引単位としての大きさ=社会的信用」という価値判断となっています。

 

したがって「カテゴリー1」の上場企業の場合には、上場企業であるというだけで信用され、用意すべき添付書類が圧倒的に少なくなるのです。同様に「カテゴリー2」の場合も、用意すべき添付書類が少なくなります。

 

ビザの変更時

たとえば留学生を社員として雇用するような場合、ビザ変更のための「在留資格変更許可申請書」の他、基本的には上記と同じ添付書類が必要になります。一つ違うのは、上記②の「返信用封筒」が不要となり、変わりに「パスポート及び在留カード」の提示が必要になることです(http://www.moj.go.jp/ONLINE/IMMIGRATION/16-2.html)。

 

任意で用意する添付書類についての注意点

ビザ申請時に入国管理局が求める添付書類については、何を提出するべきか明確なので、それほど苦労することはありません。求められるものを調えるだけで大丈夫です。

しかし何度も繰り返しますが、ビザの扱いには“法務省の裁量”が大きく関わる以上、申請する側ができる限りの用意をしておくべきなのです。 

理由書(請願書・嘆願書)

『ビザ申請時の注意点~申請書類編~』でお伝えしましたが、外国人雇用の“理由書”はとても重要です。この“理由書”は、ビザ変更のときには必須だと考えておきましょう。ビザ申請の際にも用意しておいて損はありません。「無くてもよいのか?」と訊かれたら、「あった方がよい」と答えてしまいます。

 

なぜなら日本の国益にかない、かつ無害な人物であることを証明することは、申請側の義務だからです。

 

今までの勉強・研究・実務経験を、担当する業務にどのように活かすことができるのか、そのことによって、会社はどれだけの直接的・間接的利益を上げることができるのかをまとめ上げるのです。注意点は、できるだけわかりやすい言葉を使うことです。

 

雇用する外国人が技術者ならば、文系出身の審査官に説明することを意識しなければなりません。いかに専門的に高度な内容を書き連ねても、審査官が理解できなければ意味がないからです。日常用語でたとえるなど、中学生に理解してもらうつもりで書くことをお勧めします。

職場の写真など

ビザの申請・変更における、カテゴリー1・2のような会社で外国人を雇用する場合は不要かと思いますが、それ以外の会社の場合には、職場の写真などを用意することもお勧めします。いわゆる単純作業ではなく、雇用する外国人がどのような場所・デスクで仕事をする予定なのかを、はっきりと証明するのです。

 

事務所と店舗を持つ会社の場合には、事務所そのものの写真や配置図などを用意してもよいでしょう。

 

その他

まだあるのかと思われるかもしれませんが、もう少し用意すべきものがあります。

書類リスト

ビザの申請・変更に伴って提出するべき申請書と添付書類は、それなりに種類も枚数も多くなります。審査官は大量の書類を処理していかなければならないわけです。

 

そこで何の書類が提出されているか、どういう順番で調えられているかがわかるリストを1枚用意しておくのです。

 

よりスムーズに、審査が行われることを願っての準備ということになります。

返信用封筒

ビザの申請では、必要な添付書類の中に、②返信用封筒というものがありました。しかし、ビザの変更の際には②が「パスポート及び在留カード」に代わっていましたね。

 

なぜビザの変更では返信用封筒がいらないのかと、不思議に思われた方もおられるでしょう。

 

それは、ビザ変更の場合には許可された後に、受け取りに行かなければならないからです。郵送してくれないのです。

 

ビザの変更では、外国人本人が日本にいることが前提になっているので、「自分で受け取りに来てください」という趣旨です。

 

そのため、東京入国管理局に行った際に、結果を知らせてくれるハガキ(入国管理局が用意しています)に貼る切手を求められます。

 

以上整理しますと、次のようになります。

 

・返信用封筒は、ビザの申請のときだけ必要

・切手は「ビザの申請(返信用封筒に貼る)」と「ビザの変更」どちらにも必要

 

まとめ

ビザの申請・変更をする際の注意点として、法務省が発表している添付書類は必要なものであっても、それで十分というわけではないということを知っておいてください。

 

ここで取り上げていないものでも、とにかくいろいろと提出しておく方が無難です。会社案内だけでなく社史をまとめた冊子などがあれば、そういうものも提出して損はありません。可能な限り、多角的に評価してもらえる努力をしましょう。

 

法務省が要求している各書類についての詳細は、必ず法務省のホームページで最終的に確認をお願いします。

 

 

行政書士齊藤学

千葉県行政書士会会員・葛南支部船橋幹事。 25年間の会社勤務経験を経て2016年に行政書士として独立。市民法務と国際業務を中心に活動し、ビザの申請取次業務にも従事。

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