【在留資格取消制度とは】 在留資格が取り消されてしまう7つの場合

外国人が日本に在留するためには、在留資格を持っていなければいけませんが、適合しない要件がある場合には、取り消されることになります。

在留資格が取り消された場合、日本に在留することができず、一定期間日本に再入国することもできません。

 

それでは、どのような場合に在留資格が取り消されるのでしょうか。会社の人事担当者は、どのような点に注意すべきでしょうか。詳しくご説明いたします。

在留資格の取消とは?

在留資格の取消とは、日本に在留する外国人が、虚偽の記載などで上陸許可の証印などを受けたり、在留資格に基づく活動を一定期間行わなかったりした場合に、行われる措置のことです。

 

つまり、日本への入国、あるいは在留に際して不正があった場合に、在留資格の取消という厳しいペナルティが科されるのです。

取り消されるケースとは?

上陸拒否に該当している事実を偽った場合

例えば、過去にオーバーステイなどの理由で国外退去の措置を受け、日本を出国した外国人が、上陸拒否期間中にも関わらず、この事実を隠した上で氏名を変更して上陸した場合は、在留資格が取り消されます。

日本での活動内容を偽った場合

例えば、就労する目的で日本に来た外国人が、学校に通うと偽って「留学ビザ」を取得した場合は、在留資格が取り消されます。

上記以外の内容を偽った場合

例えば、外国人が、就労ビザの取得に必要な要件(学歴、資格など)を偽って、上陸許可などを受けた場合は、在留資格が取り消されます。

申請人以外が虚偽の文書を提出した場合

例えば、外国人の研修生を受け入れる機関が、虚偽の研修計画書などを作成・提出し、その研修生が上陸許可などを受けた場合は、在留資格が取り消されます。

3か月以上活動を行っていない場合

在留資格を持っている外国人が、正当な理由がないのに、在留資格に関する活動を3か月以上行っていない場合は、在留資格が取り消されます。

 

なお、正当な理由とは、就職した会社が倒産して急に解雇された場合で、再就職に向けて就職活動を行っているなどです。

平成24年の改正で追加された取消事由

・偽りや不正の手段などで、在留特別許可を受けた場合

 

・「日本の配偶者等」または「永住者の配偶者等」の在留資格を持っている外国人が、配偶者の身分を有する者としての活動を継続して6か月以上行っていない場合

 

・日本への上陸後、または届け出ている居住地から退去した後、90日以内に居住地の届出をした、あるいは虚偽の届出をした場合

平成28年の改正で強化された事項

・偽りや不正の手段によって、上陸許可を受けて上陸した者、在留資格の変更許可を受けた者、在留期間の更新許可を受けた者、永住許可を受けた者については、3年以下の懲役または禁錮、300万円以下の罰金のいずれかまたは両方が科されます。

 

・上記の事由がある場合、在留資格に関する活動を行っていない期間が3か月未満であり、さらに他の活動を行い、または行おうしている場合には、在留資格の取消が可能となりました。

 

人事担当が注意することは?

在留資格が取り消されると、退去強制の措置が取られ、日本から出国しなければなりません。

 

そうなると、会社も辞めなければならず、会社にとっては痛手になります。

 

ただ、いきなり在留資格が取り消されることはなく、意見聴取が行われ、外国人の言い分や事情などが聴かれます。この意見聴取での内容を検討した上で、処分が決まりますが、外国人はもちろん、代理人は利害関係人も参加して、意見を述べることができます。

 

この利害関係人には、会社の人事担当者も含まれますから、意見聴取での人事担当者の意見は重要になってきます。外国人が意見聴取に行く前に、人事担当者は本人から十分事情を聴いて対応しなければなりません。

 

まとめ

在留資格が取り消された場合には、退去強制という厳しい処分が科されます。ただ、事情や言い分を聞く意見聴取を行った上での判断です。

 

従って、会社の人事担当者は、言葉などで不安を持つ外国人に代わって、十分事情を聴いて対応することが重要です。

 

行政書士井上通夫

熊本県出身。福岡大学法学部法律学科卒業。在学中は、新聞部編集長として、学内新聞を発行。憲法・行政法ゼミ(石村ゼミ第18期生)所属。大学卒業後は、大手信販会社、大手学習塾に勤務。平成18年度行政書士試験に合格後、平成20年7月福岡市で行政書士事務所を開業、現在に至る。扱う案件は、主に相続・遺言、民事法務(内容証明・契約書・離婚協議書等)、公益法人業務(社団・財団法人)など幅広く対応。

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