1から詳しく! 外国人の【転職】と【就労資格証明書】

就労ビザ(在留資格)を取得した外国人の方は、就労資格証明書の交付申請が可能です。就労資格証明書とは、入管法第19条の2に根拠を持つ公的な証明書のことです。

 

 

申請をした外国人の方が、行うことができる収入を伴う事業を運営する活動や報酬を受ける活動を証明します。この就労資格証明書の交付申請がなぜ必要なのか、就労資格証明書の役割、就労資格証明書がなかった場合の注意点などについて確認しましょう。

                      

就労資格証明書が必要になるとき

就労ビザを取得している外国人の方は、必要に応じて就労資格証明書の交付を申請することができます。では、どのようなときに必要になるのでしょうか。

 

一番必要になるのは、転職のとき」です。(外国人の転職と在留資格の関係についてはこちら)

 

就労ビザ(在留資格)を申請するときには、雇用する会社(招へい機関)との雇用契約書などを提出します。つまり雇用する会社が存在し、そこでどのような業務をするのかが明確になっている状態で就労ビザ(在留資格)を申請しているので、就労資格証明の交付申請は必要ないのです。

 

わざわざ就労資格証明を得るということは、就労ビザを取得したときの、雇用会社(招へい機関)を退職し、別の会社に転職するためということになります。

 

外国人の方にとっての就労資格証明書の役割

就労ビザ(在留資格)は、あくまでも申請時における雇用会社(招へい機関)での業務を前提としています。しかし雇用会社を退職しても、就労ビザの有効期間内であれば、そのまま日本に滞在することは可能です。

 

但し、就労ビザ(在留資格)で許可された仕事を3か月以上しないでいるような状態が続くと、就労ビザ(在留資格)を取り消される可能性があります。そのようなことにならないよう、転職活動を行い、転職先を見つけた際に、就労資格証明書は役に立ちます。新たに見つけた仕事が、自分の取得している就労ビザ(在留資格)に適合しているのかの判断が可能になるからです。

 

もしも就労資格証明書を取得していなかった場合は、就労ビザ(在留資格)の更新申請の際に、転職先の仕事が就労ビザ(在留資格)に適合しているかの判断も合わせて行うことになります。重要な注意点は、万が一更新申請の際に不適合という判断がなされると、退去強制という処分が待ち構えている可能性があることです。

 

転職先の会社にとっての就労資格証明書の役割

日本に滞在している外国人の方を新たに採用する場合には、既に所持している就労ビザ(在留資格)が、自社の仕事と適合しているかを確認しなければなりません。

 

外国人の方に就労資格証明書を提出させる義務はありませんし、外国人の方が提出しなかったからといって、不利益な扱いをすることも禁じられています(入管法第19条の2、2項)。

 

しかし雇用後に、もしも外国人の方が取得している就労ビザ(在留資格)が自社の仕事と適合していなかった場合、不法就労助長罪(入管法第73条の2、1項)に問われる可能性が出てくることが注意点です。ちなみに、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金となります。場合によっては、その両方が科せられるというかなり重たい罰則です。

 

このようなことにならないよう、雇用する前に就労資格証明書を外国人の方に提出してもらうようにすべきでしょう。

 

就労資格証明書の交付申請

次のような書類を用意し、外国人の方が住んでいる地域を管轄する入国管理局に申請します。

①就労資格証明交付申請書

②旅券(パスポート)又は在留資格証明書

※②を提出できないときは、その理由を記載した理由書

③資格外活動許可書(取得している場合のみ)

在留カード又は特別永住者証明書

⑤源泉徴収票(転職前の会社が発行したもの)

⑥退職証明書(転職前の会社が発行したもの)

⑦転職後の会社等の概要を明らかにする資料

  ・法人登記簿謄本

  ・直近の決算書の写し(新設会社の場合は、今後1年間の事業計画書)

  ・会社等の案内書

⑧転職後の活動の内容、期間、地位及び報酬の記載ある文書で、以下のいずれか

  ・雇用契約書の写し

  ・辞令・給与辞令の写し

  ・採用通知書の写し

  ・上記に準ずる文書

⑨本人の転職理由書

⑩雇用理由書

 

まとめ

就労資格証明書は、外国人の方が転職する際に必要な書類です。就労資格証明書は外国人の方だけでなく、雇用する会社にとっても重要な役割を果たす書類です。

 

この証明書を取得するには1か月以上かかることがあります。そのため交付申請を渋る外国人の方もいますが、外国人の方にとっても有益な書類ですから、協力を仰ぐようにすべきです。

 

そして、就労資格証明書が入手できるまでは、仕事をしない、雇用しないという注意点も覚えておきましょう。

 

強制送還を回避する方法についてはこちら

 

行政書士齊藤学

千葉県行政書士会会員・葛南支部船橋幹事。 25年間の会社勤務経験を経て2016年に行政書士として独立。市民法務と国際業務を中心に活動し、ビザの申請取次業務にも従事。

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