ビザの申請・変更等(正確には、「在留資格の申請・変更等」)のために、いよいよ実際に申請に行ったときの注意点を確認してみたいと思います。
特に、入国管理局は混雑していることで有名なので、“待ち時間”に焦点を当ててご紹介してみましょう。しかも、日本で一番混雑している“東京入国管理局”を取り上げますので、他の地方入国管理局やその支局・出張所を利用される場合は、一つの目安にしてください。
入国管理局の概要については下記の記事もご参照ください。
1からわかる! 【入国管理局】とは? ビザってどこで申請するの?
ビザ申請で特に混雑する時間帯の注意点
東京入国管理局のビザ申請の受付時間は、午前9時から午後4時までです( 土・日曜日,休日を除く)。
しかし、午前8時30分くらいから番号札の配布が始まりますから、午前9時30分から午前10時頃に到着するようなペースで初めて行くと、相当混雑している状況に驚いてしまうかもしれません。
銀行で待ち時間が1時間近くになると、いらいらしてきますよね。東京入国管理局では、1時間で終わるなら、それは大変早く終わったという感覚ですから、注意してください。そして混雑し始めると、基本的にその後に空くことはあまり期待できません。
朝は別の用事を済ませて、午後から東京入国管理局に行く予定を組む場合の注意点は、その日の午後にはビザ申請以外のスケジュールは入れないようにすることです。
次の予定が入っていると、そわそわ・いらいらしてしまい、精神衛生上も良くありません。場合によっては、その用事をキャンセルせざるを得ない事態になるかもしれません。午後から行かれる場合には、余裕を持てる状態を作っておくことが大切です。
東京入国管理局は、SNSでビザ申請の混雑状況を発信中
ビザ申請取次資格を持つ行政書士の先生方でも、意外に知らない方が多いのですが、東京入国管理局は某SNSを使って、発券済み番号と呼出し済み番号を明らかにしています。以下の様な形です。
ビザ申請の通常のパターン
東京入国管理局が、ビザ申請でいつも激しく混み合っているとは限りません。以下にご紹介するような発信もあるのです。
「2018年2月21日
在留申請窓口(Bカウンター)の状況をお知らせします。本日午前11時現在、306番まで発券しています。今、236番の方までお呼びしています。受付は午後4時までです。お早めに。」
比較的空いている状況なので、今のうちに早く来て欲しいというメッセージが込められているのが、よくわかりますよね。朝9時台に到着していれば、午前11時頃には品川駅にいられるような状況ではないでしょうか。
業務開始時間は午前9時からですので、2時間で236番ということは、1時間で118人くらいの受付が終了していることになります。
どうでしょうか?案外、たいしたことないなと思われましたか?
そうですね。もしこの日の朝に私が東京入国管理局に行っていたとしたら、「ラッキー!」と思ったはずです。進み具合が早いということは、それだけ帰る人も多いので、感覚的にも「今日はガラガラだな~」という状況です。
ただ注意点として、いつもこのような状況ではないので、勘違いをしないように気を付けてください。
徐々にビザ申請が混雑度を増していくパターン
午前中は比較的ビザ申請に来られる方が少なくカウンターが空いていても、午後から状況が変わるということもあります。
先ずは、午前中に発信されたものをご覧ください。
「2018年5月2日
在留申請窓口(Aカウンター)の状況をお知らせします。本日午前11時現在、403番まで発券しています。今、207番の方までお呼びしています。今、混雑しています。」
業務開始時間の午前9時から2時間で207番ということは、1時間で103人くらいの受付が終了していることになります。受付スピードがそこそこ速いですから、混雑している感じはしませんね。
ロビーで待っている人の数もそれほど多くもありませんから、精神的にも疲労度は高くなさそうです。朝9時台に到着していれば余裕をもってビザ申請が終了し、午前中に東京入国管理局を後にできるペースです。待ち時間2時間前後のペースではないでしょうか…。
ところが3時間後の午後2時になると、状況が一変するのです。午前中が空いていても、午後はわからないというのが、注意点です。
「2018年5月2日
在留申請窓口(Aカウンター)の状況をお知らせします。本日午後2時現在、735番まで発券しています。今、494番の方までお呼びしています。今,混雑しています。」
3時間の間に順番待ちの人が332人増えています。この間に受付が終わったのは、287人ですから、混雑度が増しています。
このように午前中それほど混み合っていないとしても、午後から混雑度を増すというのもよくある状況です。したがって、油断は禁物です。この場合午後は、3時間前後の待ち時間を覚悟する必要がありそうです。
ビザ申請で非常に混雑しているケース
東京入国管理局は、必ず午前と午後に発信しているわけではありません。基本的には午前11時発信のようです。
これからご紹介する日の発信は、午前の分がありませんでした。午前中に空いていると、「受付は午後4時までです。お早めに。」と発信していますから、推測ですが朝からビザ申請で激混みだったと思われます。
「2018年 4月2日
在留申請窓口(Aカウンター)の状況をお知らせします。本日午後2時現在、1,150番まで発券しています。今、606番の方までお呼びしております。今,混雑しています。」
今度は、5時間で606番ですから、1時間で約121人ペースです。先ほどご紹介したものよりも、受付スピードは上がっています。しかし、順番待ちの人が544人もいますね。ずっとこのペースで行くと、最後の人の受付が終わるのが午後7時頃でしょうか。
午後5時くらいからは、東京入国管理局も受付の職員を増員するので、もう少し早く終わるかもしれませんが…。
受付スピードが鈍らないとして、確実に3時間以上は待つ必要がありそうです。そしてとにかく待ち人数が多いので、気持ち的に疲労度が非常に高くなるというのが、注意点です。
東京入国管理局のビザ申請受付カウンター
ビザ申請のために東京入国管理局がどのくらい混み合っているのかを、わざわざSNSで発信している内容をご紹介しましたが、その中で、「Aカウンター」と「Bカウンター」という言葉が出てきました。東京入国管理局では以下のように受付カウンターが分かれています。
- Aカウンター:新しい在留カードを受け取るカウンター
- Bカウンター:ビザ変更・更新(在留資格の変更・更新)申請カウンター
- Cカウンター:ビザ(在留資格認定証明書)交付の申請
- Dカウンター:在留カードに関するカウンター
この中でC・Dは機械で番号札が発券されるのですが、A・Bは書類の確認をしてからの発券になるので、まずここから順番待ちがスタートします。注意点は、この段階での書類チェックは、書類が調っているかどうかを形式的にみているだけだということです。それなのにここで相当待たされてしまいます。
大きく分けて4つのカウンターがありますが、その中で一番混んでいるのが、Bカウンターではないかというのが、実感です。この4つのカウンターがワンフロア―に集まっていますから、混雑しているときの環境は劣悪です。
ビザ申請で、東京入国管理局へ行くときの注意点
ビザの申請のために東京入国管理局に行く時間の注意点をご紹介しましょう。
ビザ申請にお勧めの時間帯
午前10時以降は混み合う可能性が非常に高いです。
そこで徹底的に朝早く行くことを、お勧めします。午前8時30分に東京入国管理局に到着していれば、ほぼ1時間以内にビザの申請が終了し、帰路につくことができるでしょう。
朝9時台は品川駅から東京入国管理局に行くバスに乗るのも、行列待ちです。そのため思い切って早朝から気合を入れて行かれてはどうでしょうか。
時々、受付終了時間16時の前(15時30分頃)に行くことを勧められることもありますが、激混みの場合には、午後7時頃まで待つリスクはあるので、積極的にはお勧めできません。
まとめ
ビザの申請・変更(正確には、「在留資格の申請・変更」)は、全国に8つある地方入国管理局やその支局・出張所で行います。
その際に海外にいる外国人を日本に呼ぶ場合は、就労ビザならば就労地を管轄する役所に出向きます。そうでないなら、居住予定地を管轄する役所に出向かなければなりません。このように申請先が二つに大きく分かれます。
一方で、既に日本に滞在している外国人のビザの変更や更新は、申請先の基準は一つしかありません。その外国人の方が現在住まわれている居住地が基準となり、その居住地を管轄する役所に出向きます。
ただし転居を予定している場合には、注意点があります。
それは、申請のときに転居予定地を管轄する役所で在留カードを受け取ることができるよう、その旨を申告しておく必要があるということです。
申請先の管轄については、入国管理局のホームページで事前に必ず確認しておきましょう。
入国管理局の管轄と、ビザ申請の提出先についてはこちら
たとえばさいたま出張所では、千葉県に住む外国人の方のビザ変更・更新申請は可能です。しかし、千葉県で就労予定の外国人を招くためのビザの取得は、受け付けてもらえません。このような微妙な扱いの違いもありますので、入国管理局のホームページでぜひ確認してみてください。