日本で起業する場合、「経営・管理ビザ」の取得が必要です。
ただ、この在留資格には在留期間があり、更新しなければ事業を引き続き行うことができません。

ここでは、「経営・管理ビザ」の更新申請における必要書類、注意点などをご説明いたします。

 

経営・管理ビザとは?

外国人が日本で会社を設立し、その経営者になるためには、「経営・管理ビザ」を取得する必要があります。

取得の際の在留期間は「1年間」が一般的です。従って、取得して1年後には、更新手続きを行わなければなりません。

このビザの在留期間は、5年、3年、1年、4ヶ月、3ヶ月の5種類があります。
先程ご説明したように、最初は1年間の在留期間ですが、その後は申請する外国人が設立した会社の経営状態によって、期間が長くなったり、逆に短くなったりします。

 

更新申請の必要書類

更新申請の際に必要な書類は、以下のとおりです。

  • 在留期間更新許可申請(指定書式)
  • 証明写真(直近3ヶ月以内の撮影:縦4cm×横3cm)
  • 前年度の源泉徴収の法定調書合計表(税務署受付印がある分)
  • 直近年度 住民税の課税証明書(市区町村役場発行分)
  • 直近年度 住民税の納税証明書(市区町村役場発行分)
  • 年間投資額説明書
  • 株主名簿
  • 会社名義の銀行通帳(コピー)
  • 更新理由書 
    (起業してから今までの経緯、沿革、直近1年間の主要取引先、将来の事業展望など)

※出典(法務省ホームページ:「経営・管理」)


なお、経営・管理ビザの更新申請は、在留期限の3ヶ月前からの申請が可能です。
管轄、時期によって異なりますが、審査期間は1ヶ月程度です。

従って、審査期間中にビザの在留期間が切れることがないように、早めに準備を行い、申請する必要があります。

 

申請時の注意点とは?

先程ご説明した必要書類は、申請人全員に共通するものですが、3年、5年の在留期間申請の場合などに、提出した方が良い書類は、以下のとおりです。

  • 登記事項証明書(所在地変更、代表者の住所変更、役員変更などがあった場合)
  • 取締役の報酬を決定する株主総会議事録(報酬の変更があった場合)
  • 従業員との雇用契約書
  • 源泉納付書(全従業員分。税務署受付印のある分)
  • 社会保険に加入していることを証明できるもの(社会保険料通知書など)
  • 今後3年間の事業計画書

 

また、会社の事業内容などが変更された場合には、更新申請前に、以下の手続きを完了しておく必要があります。

  • 会社の所在地や事業内容が変わった場合 → 変更登記
  • 飲食事業などを行う場合 → 営業許可取得
  • 事業を譲渡する場合 → 営業譲渡契約書の作成
  • 自社で取った営業許可 → 名義変更

 

更新のポイント

更新の際には、申請人(外国人)が営む会社の「事業の持続性」、申請人の「法令の遵守」がポイントになります。

「事業の持続性」では、会社の決算状況を確認した上で、事業で利益を出しているかが重要なポイントとなります。
しかし、最初の年度(1期目)で赤字決算であっても、今後経営が改善される可能性が高い場合には、ビザが更新されることがあります。


つまり、利益を出していないからといって、それだけで「不許可」となるわけではありません。
あくまでも、事業が今後も継続されるという「事業の継続性」が重要なのです。

ですから、逆に言えば、2期連続して利益がでていない、あるいは2期連続して債務超過の状態であれば、今後の事業の継続性や安定性の観点から疑問符が付くことになり、更新されることがかなり難しくなります。


「法令の遵守」では、会社の法人税、法人事業税、法人住民税、消費税などを納税しているか、申請人が所得税、住民税を納税しているかが、最重要事項です。
外国人であっても、日本に在留する限り、納税の義務は課されます。また、日本の法律、法令をきちんと守り、法を犯していないかという点も、重要視されます。

 

ビザの期間

「経営・管理ビザ」の期間は、通常1年間です。
しかし、2年(2期)以上連続で、黒字経営が続いていれば、3年間の更新が認められる可能性があります。

ただし、2年以上の黒字だけで条件を満たすわけではなく、申請者(経営者)の経歴、日本での在留状況、経営する会社の規模・業務内容などを参考にして、在留期間が判断されます。


なお、「経営・管理ビザ」で、在留期間が3年、あるいは5年が認められる要件は、以下のとおりです。

  • 経営する会社の売上額、利益、納税額等が安定していること
  • 経営する会社で、日本人、永住者ビザを保有する外国人を複数雇用していること
     ※社会保険の加入
  • 国、地方公共団体、地方自治体等の仕事を受託したことがあること
  • 中堅規模以上の会社の役員に就任すること
  • 中堅規模以上の会社が出資した会社の役員になること

 


なお、提出が義務付けられている書類だけでは、3年の在留期間が認められることは難しいですから、できれば「更新理由書」を作成し、他の書類を併せて提出することをお勧めします。


この「更新理由書」では、会社の経営が安定していることを具体的に説明する必要があります。
その際に重要になってくる数値が、「流動比率」です。

「流動比率」は、「流動資産÷流動負債(「貸借対照表」の数値)」で算出されるものです。
一般的に、この「流動比率」が「200%以上」あれば、会社の経営はかなり安定していると判断されます。また、「120%以上」でも、経営状態は安定していると見られます。


また、「更新理由書」では、取引先の名称、取引の年数、年間の取引金額、取引の内容、取引先の概要等を記載することで、安定した取引先があることをアピールできます。

経営・管理ビザを取得している外国人(申請人)の業務内容も記載します。
この際に、会社の経営にきちんと携わっていることを具体的に説明します。さらに、今後3年間の事業計画を作成し、安定的、計画的に事業を行う旨をアピールします。

 

まとめ

「経営・管理ビザ」では、経営する会社が安定的に事業を行っていること、および経営者(申請人)自身が法令を遵守していることが、在留期間を左右します。

提出書類はもちろん、「更新理由書」を作成し、具体的な説明を行うことが重要です。
特に、今までの取引に関する説明はもちろん、今後の事業の展望について具体的に記述する必要があります。