2019年4月「特定技能」という新しい在留資格が創設されました。

特定技能」では、外国籍の方と、その方が実際に働く会社との間で、雇用契約を結ばなければなりません。具体的な雇用契約の形式、内容について、詳しくご説明します。

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特定技能と雇用契約

現在日本では、慢性的な人手不足に陥っており、このままでは、今後の日本の経済に大きな影響を与える可能性があります。

そこで、そのような事態を解消するために、「専門的・技術的分野」における外国人の受け入れを行う必要性が出てきました。参考資料:特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する基本方針について(平成30年12月25日閣議決定)

そこで、新たに「特定技能制度」が設けられ、人手不足の分野を対象に、専門性があり、特定の技術を持った外国人を受け入れていくことになったのです。

この「特定技能」の在留資格を取得するには、技能試験と日本語試験に合格していること、「技能実習2号」に合格していることなどの要件があります。

また、会社と「雇用契約」を結び、「特定技能雇用契約書」の写しを添付しなくてはなりません。

つまり、在留資格を取得する要件として、雇用される会社との間で「雇用契約」を結ぶ必要があるのです。

雇用契約の形式

外国人と会社との間で結ぶ「雇用契約」は、通常日本人が結ぶ「雇用契約」、あるいは「労働契約」とほぼ同じです。

従業員が外国人だからと言って、特に形式が変わるわけではありません。

日本に住んで、日本にある会社で働くわけですから、「労働基準法」をはじめとした日本の法律に則って、「雇用契約」が結ばれることになります。

雇用契約の項目・条項

「雇用契約」の柱は、2つあります。

まず1つは、「雇用関係に関する事項」です。

当然ながら、雇用する外国人に従事してもらう業務をきちんと規定しなければなりません。

「1号特定技能外国人」は、「相当程度の知識若しくは経験を必要とする技能」として、分野別運用方針、分野別運用要項の基準を満たす業務でなければなりません。

なお、分野別運用方針とは、特定技能の在留資格に係る制度を適正に運用するための基本方針であり、分野別運用要項とは、それを分野別に説明したものです。

2つとも法務省から提示されています。

また、「2号特定技能外国人」は、「熟練した技能」として、同じく分野別運用方針、分野別運用要項の基準を満たす業務でなければなりません。

労働時間、報酬等については、通常労働者(日本人)と同等でなければなりません。(特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令第1条第1項第3号)

つまり、外国人労働者だからと言って、日本人の労働者に比べて、労働内容、労働時間、給与などについて、差別してはいけないということです。

また、雇用する会社は、外国人から一時帰国の申し出があった場合には、事業の適正な運営を妨げる場合などの特別な事情を除いて、有給休暇を与えるなどの配慮をしなければなりません。(特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令第1条第1項第5号)

2つ目の柱は、「外国人の適正な在留に必要な事項」です。

外国人が、特定技能雇用契約が終わり、帰国する際の費用については、原則的に外国人本人の負担ですが、本人が負担できないような時は、雇用した会社が帰国のための費用を負担し、出国がスムーズに行くように、配慮しなければなりません。

また、外国人が日本で安定的に働くことができるように、外国人の健康状態や生活状況に十分配慮しなければならないとされています。

まとめ

「特定技能」の在留資格を取得する際には、雇用される会社との間で「雇用契約」を結び、「雇用契約書」を添付しなければなりません。

ただし、契約内容が基準を満たしていない場合には、在留資格を取得できませんので、本来の雇用契約の条項はもちろん、特定技能雇用特有の条項についても、もれなく記載しておく必要があります。