外国から日本に来る外国人は、年々増えています。

観光客は別にして、日本に一定期間定住する外国人には、「難民」と「移民」がいます。

現在日本には、約250万人(総務省、2018年1月)の「移民(日本では移民の定義が公式に確定していない)」がいる一方、2018年度に「難民」認められた数は、82人となっています(法務省入国管理局:http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri03_00139.html)。

この「難民」と「移民」の違いは何でしょうか?
詳しくご説明いたします。

■一般的な違いは?

私たちが、日常で使っている「難民」と「移民」の違いは、次のとおりです。

「難民」は、戦争や内戦等によって、本国に住むことが危険となり、正式な手続きを経ることなく、他国に移住する人々のことです。

一方、「移民」は、政策的、経済的な理由等で、正式な手続きを行った上で、他国に移住する人々のことです。

 

■国連での定義は?

国際的な定義では、難民とは、「迫害のおそれ、紛争、暴力の蔓延など、公共の秩序を著しく混乱させることによって、国際的な保護の必要性を生じさせる状況を理由に、出身国を逃れた人々」のこととされています(出典「国際連合広報センター」URL:https://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/22174/)。

このような「難民」の定義は、1951年難民条約、地域的難民協定、また国連難民高等弁務官事務所規程でも定められています。

 

一方で、移民についての正式な定義は特にありませんが、専門家の多くは、「移住の理由や法的地位に関係なく、定住国を変更した人々」としています。

また、視点を「期間」において、3カ月から12カ月間の移動を「短期的または一時的移住」とし、1年以上にわたる居住国の変更を「長期的または恒久移住」としています。

 

なお法的に見て、難民と移民は明確に異なります。
「難民」は、「自分の国籍国から迫害を受けているため、国籍国からの保護を受けられない状況の人々」を言います。

たとえば、日本国籍を持っている人が旅行中に、海外でトラブルに巻き込まれた場合には、その国にある日本大使館に助けを求めることができます。
これは、旅行者は「難民」ではないため、日本国籍を持つ人は日本国政府(日本大使館)から保護されることを意味しています。

しかし、難民はそういうことはできません。
他国が難民を受け入れるには、難民条約に加入している国が、自分の国に難民を受け入れる場合には、難民の出身国を代理して難民の人権を回復した上で、その難民を守ることが義務付けられているのです。

 

■日本の入管法では?

日本の「入管法」では、どのように定義されているのでしょうか。

入管法の正式名称は、「出入国管理及び難民認定法」と言います。
文字通り、「難民」の認定について規定された法律ですが、難民の定義については、1982年、難民の地位に関する条約(通称「難民条約」)と難民の地位に関する議定書(通称「難民議定書」)が、日本において発効し、難民条約第1条、または議定書第1条の規定によって、明確化されました。

それによると、難民とは「人種、宗教、国籍、特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見を理由として迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために国籍国の外にいる者であって、その国籍国の保護を受けることができないか又はそれを望まない者」と定義されています。

なお、移民については、特に法律等で定義はされておらず、日本では「移民の定義」が公式に確定していません。

 

■まとめ

「『難民』と『移民』の違いは?」と質問された場合、その違いは何となく分かっていても、明確に答えることは、難しいかもしれません。

日本で「移民」は、きちんと定義されていませんが、一般的に当初から永住・日本国籍取得前提として、新たに来日する外国人という認識です(出典「産経新聞」URL:http://www.sankeibiz.jp/express/news/140314/exc1403140945000-n4.htm)。

一方、「難民」の定義は、法的にきちんと確立されています。