高度専門職とは、日本の経済発展に貢献し得る外国人のための在留資格です。
高度専門職(高度専門職)という在留資格は、入国管理法で定められている27種類の「在留資格」の一つに過ぎませんが、取得者が急増しています。
その理由は、他の在留資格にはない優遇措置が7つもあるからなのです。この7つの優遇措置の中身を確認するとともに、優遇されるための資格取得要件とはどんなものなのかをチェックしてみましょう。
高度専門職の7つ優遇措置とは?
7つの優遇措置とは、次のようなものになります。
① 複合的な在留活動の許容
② 在留期間「5年」の付与
③ 在留歴に係る永住許可要件の緩和
④ 配偶者の就労
⑤ 一定の条件の下での親の帯同の許容
⑥ 一定の条件の下での家事使用人の帯同の許容
⑦ 入国・在留手続の優先処理
高度専門職の優遇措置①複合的な在留活動の許容
本来、「在留資格」とは、許可された活動のみを行えるというものです。在留資格以外の活動を行うためには、わざわざ資格外活動の許可を得なければならず、その許可がなければ違法活動となってしまいます。
ところが、高度専門職で許可されている職業の中で複数にまたがって活動することができます。
例えばIT企業の役員ならば、大学でIT分野の研究を行うことできるなど、複数の在留資格にまたがる活動まで許容されます。
高度専門職の優遇措置②在留期間「5年」の付与
たとえば「経営・管理」という在留資格では、許可される在留期間は「5年、3年、1年、4か月、3か月」となっています。初めて在留資格を申請したときに、いきなり「5年」を認められることはまずなく、通常は数回の更新を経て、ようやく「5年」が認められることになります。
しかし、高度専門職では最初から「5年」が認められます。
高度専門職の優遇措置③在留歴に係る永住許可要件の緩和
通常、永住許可の申請をするには10年以上日本にいることが求められますが、高度専門職では条件が3年に短縮されます。
別の記事で説明いたしますが、在留資格の申請はポイント制で80点以上の方の場合は、たった1年間日本で活動すると、永住許可申請をすることができるようになるのです。
高度専門職の優遇措置④配偶者の就労
原則として、「家族」として入国する配偶者は働くことができません。
しかし高度専門職の資格を持つ人の配偶者は、「技術・人文知識・国際業務」や「教育」、「研究」、「興行」という在留資格に該当する活動に限り、それらの「在留資格」を得なくても活動できます。
高度専門職の優遇措置⑤⑥親・家事使用人の帯同の許容
年収や子どもの年齢、家事使用人の報酬額など一定の条件はありますが、親や家事使用人を連れてくることができます。
高度専門職の優遇措置⑦入国・在留手続の優先処理
「在留資格認定証明書の交付申請(いわゆる入国の事前審査)」の場合には、10日以内に申請が処理されます。「在留資格更新申請・変更申請(いわゆる在留審査)」では、5日以内となっています。これは2週間から3か月ほどかかる通常の場合と比べて、相当優遇されているといわざるを得ません。
「高度専門職(高度専門職)」の在留資格取得要件とは?
この場合の在留資格取得要件とは、ポイント制で「70ポイント以上を獲得できる外国人」ということになります。もう少し補足するならば、「70ポイント以上を獲得できることを証明できる外国人」ということになります。詳細は別の記事で説明します。
「高度専門職」が次に目指すものとは?
通常高度専門職の説明は、正確にいうと「高度専門職1号」の内容となっています。ということは、「高度専門職2号」が存在するのです。「高度専門職1号」として3年以上活動したら、「2号」に在留資格を変更申請できるのです。
「2号」となった際の優遇措置は、ほぼすべての活動が可能になるということです。しかも在留期間は無期限です。もちろん「1号」の優遇措置はそのまま維持することができます。
このように次に目指すものとは、3年後の「2号」か、永住許可(80ポイント以上の場合は1年)という選択になります。
まとめ
高度専門職(高度専門職)という在留資格は、他の在留資格にはない優遇措置がたっぷりと認められています。
それだけ、日本経済社会への多大な貢献を期待されているのです。この制度のおかげで、優秀な外国人が日本で働きやすくなるのですから、企業にとっては、好条件で優秀な外国人を雇用するチャンスなのです。