ビザの申請と出入国在留管理局という言葉は、切り離すことができないくらい、密接な関係にあります。
出入国在留管理局とは、通常は“入管(にゅうかん)”と呼ばれ、出入国手続きについての最初の関門となる行政機関です。

そこで出入国に関する手続に役立つよう、出入国在留管理局について理解しておきましょう。

 

出入国在留管理局とは?

出入国在留管理庁は法務省の一部局です。東京都千代田区霞が関にある法務省の建物の中に、出入国在留管理庁はあります。

そして、全国に8つの地方出入国在留管理局、7つの支局、61の出張所があります。
通常の出入国に関する手続きでは、霞が関に行くことはありません。
地方出入国在留管理局やその支局、出張所に出向きます。

出入国管在留理局の扱う手続きとは?

出入国在留管理局の扱う業務は、大きく分けて7つあります。
※出典(出入在留管理庁ホームページ:各種手続案内

 


 1. 出入国審査手続

 2. 在留審査手続

 3. 在留管理制度に関する手続

 4. 特別永住者証明書の交付に関する手続
    特別永住者の法的地位等を証明するものとして、特別永住者証明書を発行します。

 5. 住居地の届出手続
    中長期在留者に係る住居地の届出手続や特別永住者に係る住居地の届出手続です。
    但しこの届出自体は、住居地の市区町村役場で行います。

 6. 退去強制手続と出国命令制度
    退去強制事由(入管法第24条)に該当する外国人を国外へ退去させる業務を行います。

 7. 難民の認定に関する手続
    難民認定申請を審査します。

 

1から3について、少し詳しくみておきましょう。

 

出入国審査手続とは?

海外旅行に行く方にとっては、なじみ深い在留管理局の業務です。
空港でパスポートを広げて、出国の証印をポンと押してもらう、あの手続です。
外国人の方も同様です。これを出国手続といいます。

その他、外国人の方が日本に入国する際の審査や日本人の帰国手続きを行います(入国・帰国手続)。

 

在留審査手続と在留管理制度に関する手続

外国人の方は、当然に日本に滞在することはできません。
日本に滞在するためには、在留資格が必要なのです。その在留資格を取得したり、変更したりする手続を在留手続といいます。

更に中長期の在留者には、在留カードを交付したり、中長期滞在中に「氏名、生年月日、性別又は国籍・地域」に変更が生じた場合の変更手続を行ったりします。

 

在留手続

日本に滞在することを望む外国人の方は、出入国在留管理局に在留資格を認定してもらい、在留資格認定証明書を得る必要があります。

出入国在留管理局は法務省の管轄です。
したがって、在留資格認定証明書を得たということは、日本の法務省が外国人の方に在留資格があるという証明をしてくれたことになるのです。

外国人の方は、在留資格のことを“ビザ(査証)”と理解されることが多いのが現実です。
それは、このような事情があるからです。しかし本当は、在留資格は“ビザ(査証)”とは全く別のものです。

ビザ(査証)の申請はどこにする?

申請の流れ

出入国在留管理局に在留資格認定の申請をし、無事に在留資格認定証明書を入手できたなら、その証明書を外国にいる外国人の方に送ります。

外国人の方は、その証明書をもって在外公館(大使館、領事館)で、ビザ(査証)の申請を行うのです。
ビザ(査証)の申請は、在外公館に行うのであって、出入国在留管理局ではありません。


在外公館はビザ(査証)の申請を受け付けたら、在留資格があるのかなどを改めて審査します。
日本の出入国在留管理局(法務省)が在留資格認定証明書を発行していても、在外公館は改めて審査を行うのです。
これは在外公館が、外務省管轄だからという理由だけではありません。

日本国の安全への配慮のため、在留資格認定証明書があっても、現地で再度確認をするのです。

提出場所について

以上の手続きは、会社が外国人を日本に呼んで雇用する場合ですが、基本的にその外国人が居住を予定する地、受入機関(会社など)を管轄する地方出入国在留管理署に申請します。

例えば、就労先が本社の場合は、基本的に本社所在地を管轄する出入国管理局、就労先が他の都道府県の支社の場合は、支社所在地を管轄する出入国管理局に申請することになります。

また、日本にいる外国人が、本国から家族を呼び寄せたい場合には、日本に住んでいる外国人の住所を管轄する出入国管理局に申請します。

在留資格を変更・更新する場合

また、在留資格を変更、更新する場合の申請先についても、注意が必要です。

転居の予定がない場合は、現住所を管轄する出入国管理局、就労を機会に他の都道府県に転居する予定の場合は、転居先の住所を管轄する出入国管理局に申請することになります。

変更・更新申請に要する時間は、曜日や時期によって異なりますが、混雑する時には、半日近くかかることもあります。
前もって、申請書類などを準備して、記入漏れなどがないかを確認し、できれば早めに、管轄する出入国管理局に行きます。


一般的な流れとしては、企業の人事担当者や行政書士等の取次者が、必要書類(申請書、添付書類等)を準備して、出入国在留管理局に提出し、在留期間更新許可・変更許可を申請します。


なお、更新許可は、在留期間の残り3ヶ月前から在留期間の末日までが申請期間ですが、許可が下りるまで日数がかりますから、ある程度余裕をもって申請しなければなりません。

書類審査の後、在留資格の更新・変更が許可されると、「通知書」が送られてきます。

入国管理局へ通知書とパスポートを持参します。確認後、係官がパスポートに証印を押してくれます。これで、在留資格の更新・変更手続きは完了します。

 

確実に申請を済ませたい方は取次申請を

通常、窓口業務は、午前9時から午後4時まで(土日、祝日を除く)ですが、午前8時半から受付を開始しますから、それに間に合うように到着すれば、早めに手続きを終わらせることができます。

在留資格を申請、変更、更新する場合、外国人本人に代わって、行政書士などの申請取次者が手続きを行うことができます。

報酬はかかりますが、申請のために仕事を休む必要もなく、また事前に申請書類などをチェックしてもらえますから、手続きもスムーズに運びます。

 

出入国管理局の権限

外国人の方は、日本に自由に入国できるわけではありません。
これは国際慣習法上認められており、入国の拒否は国家の自由裁量となっているのです。

したがって入国管理法は、どのような外国人を日本に入国させるか(要件)を定めていますが、ビザの申請があったら、それらの要件に該当するかどうかを判断します。

その際には、裁量が認められているのです。そういう意味では、外国人の方が入国管理局に在留資格を認めてもらえるかどうかは、実際の審査を担当する入国審査官の裁量にかかっているといえます。

 

まとめ

入国管理局は法務省、在外公館は外務省の管轄にあり、それぞれが連携しつつも、別々に日本国の安全に配慮しながら、出入国に関わる業務を行っています。

入国管理局が発行した在留資格認定証明書は、ビザ(査証)発行のために必要なものです。
しかし、ビザ(査証)発行のために絶対的な効力を発揮するわけではありません。

また入国管理局には裁量権があって、入国のための条件(要件)を備えているかどうかの判断が、委ねられています。そのことを理解した上で、出入国に関する手続に臨みましょう。