日本に在留する外国人が、日本国内で住居を変えた場合、どのような手続が必要になってくるのでしょうか。その外国人が勤める会社の人事労務担当者がやるべきことと、外国人本人がやるべきことに分けて、詳しくご説明いたします。

人事労務担当者がやるべきこと

社会保険の手続

外国人従業員が引越しをした場合、日本人従業員と同じように、「被保険者住所届」(書類のリンクは下記)が必要になります。但し、以下の記述に該当する場合は不要となります。

マイナンバーと基礎年金番号が結びついている被保険者であれば、原則届出は不要です。マイナンバーと基礎年金番号が結びついていない被保険者、マイナンバーを有していない海外居住者、短期在留外国人が住所を変更した場合、速やかに変更後の住所を事業主に申し出なければなりません。

(出典:日本年金機構「従業員及び被扶養配偶者の住所に変更があったときの手続き」)

上記の手続きの対象となる場合には、国民年金第3号被保険者となる配偶者の「住所変更届」も、併せて行います。変更届を記載するのは、外国人本人になります。しかし、外国人にとって書き方がわからない点が多いと思いますので、会社の人事労務担当者が、記載についてサポートする必要があります。記載した後は、担当者が責任をもって、内容を確認して、会社の所在地を管轄する年金事務所へ提出します。提出方法は、電子申請、郵送、窓口持参のいずれかにです。電子申請は、自宅や職場のパソコンから、インターネットを使って、各種手続きが行うことができるシステムです。

ただし、あらかじめ「電子証明書」を取得するなどの手続や設定が必要です。また、届出用紙に以外にも電子媒体(CD又はDVD)によって、提出できます。ただし、配偶者の住所変更届は、電子媒体ではできません。なお、提出時期は、変更後「すみやか」に行うことになっています。

入国管理局への届け出

入国管理局への届出については、外国人本人が行うことになりますので、会社は外国人の相談に乗ったり、サポートをしたりすることがベターであるといえるでしょう。

外国人本人がやるべきこと

市区町村役場への届出

外国人従業員が引越しをした場合、日本人従業員と同じように、市区町村役場での住所変更手続を行う必要があります。同じ市区町村内での引っ越しでは、「転居届」を役所、役場に提出します。これで、手続きは完了です。

違う市区町村に引っ越す場合には、まず現在住んでいる役所、役場に「転出届」を出します。その際、「転出証明書」が渡されますので、大切に保管しておきます。それから、引っ越し先の市区町村役場に、「転出証明書」を添えて、「転入届」を提出します。また、「在留カード」を持っている人は、「在留カード」も添えて、手続きを行います。後で説明しますが、この際に「在留カード」の住所変更の手続きも併せて行うことになります。これで、手続きは完了です。

なお、住所変更の手続きは、住所変更をした日から、14日以内に「転入届」を提出しなければなりません。この届け出は、「届出人本人(16歳未満は除く)」か「代理人(届出人が16歳未満の場合、自らできない場合は届出人と同居する16歳以上の親族)」または「法定代理人」が行います。

届け出を怠った場合は

引越しをしたのに、住所変更の届出をしなかった場合には、ペナルティを科されることがあります。
住所変更後90日以内に、正当な理由がなく、変更の手続きをしなかった場合には、在留資格が取り消されるか、20万円以下の罰金が科されます。
また、住所変更について虚偽の届け出を行なった場合には、1年の懲役、20万円以下の罰金が科されます。
(※参考資料:法務省・総務省「外国人住民に対する手続き案内の一体的な運用について」)

入国管理局への届出

在留カード」には、名前や住所など、多くの情報が記載されています。住所が変わったのですから、入国管理局への届出も必要ではないか、と思う人も多いと思います。しかし、「在留カード」の住所変更は、新たに引っ越した市区町村役場で、「転入届」と併せて行うことができます。

手続きが完了すると、市区町村役場で、「在留カード」の裏面に新しい住所が記載されます。

まとめ

外国人従業員が、日本国内で住居を変えた場合に、会社も外国人本人も手続きをしなければなりません。特に、在留カードについては、期限中に手続きを行わない場合、ペナルティが科される可能性がありますから、注意が必要です。