「帰化(きか)」とは、日本の国籍を取得する一つの方法です。

日本の国籍を取得する方法は三つあり、「出生」、「届出」、そして「帰化」です。外国人の方が日本の国籍を取得したいと思われた場合は、住所地を管轄する法務局・地方法務局に「帰化」申請します。そして法務大臣の許可を得ることができれば、日本国籍を取得して日本人となることができます。

ではどうすれば「帰化」申請が許可されるのか、条件を確認してみましょう。

「永住」と「帰化」の違いについては、以下の記事をご覧ください。
【永住】と【帰化】2つの違いと許可のポイントを徹底解説!

帰化に必要な書類については、以下の記事をご参照ください。
帰化許可申請|必要な書類一覧と審査期間

「帰化」と「出生」・「届出」の違い

「帰化」は、日本の国籍がない外国人が日本の国籍を取得したいと願い出る方法です。したがって、自らの自由意思でしっかりと判断できることが前提となりますから、原則20歳以上で、かつ現在の国籍国(母国)の法令によって行為能力を有することが必要です。このように「帰化」を理解すれば、「出生」・「届出」との違いが明確になります。つまり日本国籍を取得する方法である「出生」・「届出」とは、20歳未満の外国人の方のケースと理解しておくことができます。

たとえば、婚姻関係のない日本人の父と外国人の母との間に子どもができたとします。まだ母の胎内にいる間に日本人の父が認知した場合(胎児認知)は、「出生」によって日本国籍を取得できます。その子どもが生まれてきた後に日本人の父が認知した場合には、出生の時に法律上の親子関係はなかったということになるので、原則「出生」による日本国籍取得はできません。この場合は「届出」という方法になるのです。

ただし20歳未満の子どもの場合、親と同時に「帰化」申請をすることが認められています。

「帰化」が許可されるための条件

「帰化」申請が許可されるための条件は全部で七つあります。ただし以下の七つの条件をすべて満たしていても、必ず法務大臣の許可が得られる保証はないことは、注意すべきです。

①能力条件(国籍法第5条第1項第2号)

日本国籍を取得する方法として、「帰化」は「出生」や「届出」と異なり、本人の自由意思によるしっかりとした判断が原則必要です。そのため、20歳以上かつ母国の法令で行為能力を有する年齢に達していることが必要です。

②住所条件(国籍法第5条第1項第1号)

「帰化」の申請前に、継続して5年以上日本に住んでいることが必要です。もちろん適法なビザ(在留資格)を持って生活していることが、当然のこととして求められます。違法滞在や不法滞在は論外です。

③素行条件(国籍法第5条第1項第3号)

普段の行いが悪いと、「帰化」の許可は下りません。普段の行いが悪いというと、すぐに「重大な刑法違反=重たい犯罪」を思い起こし、自分は大丈夫と考える方が多いのです。しかし交通違反を繰り返していたり、税金の支払い遅延や未納があったりした場合も、素行が悪いと判断されます。このようなことに思い当たるならば、「帰化」申請は数年待つべきです。数年が具体的に何年になるかという基準はないのですが、しばらくは悪いといわれる実績を作らないように行動しましょう。

④生計条件(国籍法第5条第1項第4号)

自分のめんどうは自分でみられるということが、「帰化」申請においては大事です。日本の国籍を与えた瞬間に、国や地方自治体がその人のめんどうをみなければならなくなるという事態を回避するためです。

しかし「帰化」申請した本人には現在収入がなくとも、配偶者や生計を共にする親族の稼ぎや資産で安定した生活ができるならば、問題はありません。

⑤重国籍防止条件(国籍法第5条第1項第5号)

「帰化」申請が許可されて日本の国籍を取得した場合、自らの意思で国籍を喪失できない場合を除き、それまで有していた国籍を喪失しなければなりません。

⑥憲法遵守条件(国籍法第5条第1項第6号)

日本国民には、憲法遵守義務はありません。しかし「帰化」をして日本の国籍を取得しようとする場合には、憲法遵守義務が求められます。日本政府を暴力で破壊するような計画を立てたり、そのような集団を作ったり加入したりしている場合は、「帰化」の許可は下りません。

⑦日本語能力条件

今までの「帰化」申請の条件とは異なり、7番目の条件は国籍法には記載がありませんが、日本国籍を取得しようと思うならば当然のこととして要求されます。そうは言っても、高度な日本語能力を求められているのではなく、小学校3年生程度の日本語能力と言われています。著名人が「帰化」する場合、その条件にも到達できていないように思えることがありますが、あの程度で大丈夫と安心されないように気を付けてください。

まとめ

外国人の方が日本国籍を取得する方法の一つが「帰化」です。原則、本人の自由意思で申請する方法と理解しておきましょう。「帰化」申請の許可が下りるためには、少なくとも七つの条件をクリアしなければなりません。かといって、すべての条件をクリアすれば必ず「帰化」申請が許可されるわけではありません。

一方で、「日本国民であった者の子(養子を除く。)で引き続き3年以上日本に住所又は居所を有するもの(国籍法6条1号)」や「日本国民の配偶者たる外国人で引き続き3年以上日本に住所又は居所を有し、かつ、現に日本に住所を有するもの(国籍法7条前段)」などは一部の条件が緩和・免除されるということもあります(簡易帰化)。