日本に滞在している外国人は、どれだけ日本にいることができるのでしょうか。日本にいることのできる期間は外国人本人が決めるのではありません。では、日本にいることのできる期間はどのように決められるのでしょうか。在留資格と在留期間の関係、そして在留期間はどのように決められるのか、在留期間決定には何が影響を及ぼすのか、などについて解説します。

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在留期間とは何か?

出入国管理及び難民認定法第二条の二第一項において「本邦に在留する外国人は(中略)それぞれ、当該外国人に対する上陸許可若しくは当該外国人の取得に係る在留資格(中略)をもって在留する者とする。」とされています。

そして同条第三項において「第一項の外国人が在留することのできる期間(以下「在留期間」という)は、各在留資格について法務省令で定める」とされています。

つまり、在留期間とは、上陸許可や在留資格をもって、日本に滞在している外国人各々が持っている在留資格等によって与えられている、「日本にいることの出来る期間」の事を言います。また、その在留期間は、在留資格ごとに法務省令で決められているものなのです。

ただし、特定の在留資格を除いては、この在留期間は5年を超えることができない、とされています。

ポイント1. 在留期間は在留資格ごとに決められている。

では、具体的に在留資格ごとの在留期間を見ていきましょう。

先ほど特定の在留資格以外の在留期間は5年だという説明をしました。5年以上の在留期間を与えられる「特定の在留資格」とは何でしょうか。具体的には「外交」「高度専門職2号」「永住者」です。

「外交」の在留資格を有して日本にいる外国人とは「外国政府の大使や公使」等の方が挙げられますが、この方達は日本で「外交活動を行っている期間」中は日本に滞在することが出来ます。「高度専門職」とは平成27年(2015年)に創設された在留資格であり、「研究の分野」「自然科学・人文科学の分野」「経営の分野」において高度な専門的能力をもった外国人に日本で活躍してもらうために設けられました。外国人の学歴や年収、その分野での功績等を予め定められた基準表を基にポイント化し、合計70点以上であると「高度専門職1号」が与えられます。

「高度専門職1号」の在留資格を取得して3年以上日本に在留した外国人が、在留中の素行が善良であるなどの一定要件を満たすことによって、「高度専門職2号」の在留資格を得ることが出来ます。この「高度専門職2号」を取得すると、在留期間は「無期限」となります。

永住者」は在留期間に拘束されることなく日本に永住できる権利を有している外国人の事ですので、在留期間は「無期限」となっています。

では、これ以外の在留資格における在留期間を見てみましょう。

法には【特定の在留資格を除いては、この在留期間は5年を超えることができない】とされている、という説明は先ほどした通りです。ただし、「特定の在留資格」以外の在留資格における在留期間の上限がすべて5年である、という事ではありません。例えば、俳優やダンサーに与えられる「興行」、日本の文化を研究するために来日している外国人に与えられる「文化活動」の上限は3年、「研修」の上限は1年、「留学」の上限は4年3月など、上限が5年より短い期間が定められている在留資格もあることに注意が必要です。

「5年以上の在留期間が許される特定の在留資格」と「5年に満たない在留期間を上限と定めている在留資格」以外の在留資格の在留期間は上限が5年となっていると理解していただければよいと思います。

ポイント2. 在留期間決定に影響を及ぼす要素

「在留期間の上限」については上記のとおりですが、在留期間は「在留資格につき一つ」なのではなく、いくつか設定があります。

例えば良く知られている就労系の在留資格に「技術・人文知識・国際業務」があります。この在留資格の在留期間は「5年、3年、1年又は3月」と4つの在留期間が定められています。

日本で働きたい外国人は「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得するために入国管理局に「在留資格認定証明書交付申請書」または「在留資格変更許可申請書」を提出します。

この申請書には在留を希望する期間を記載する欄があります。その際に、上記の4つの中から自身が希望する期間を記入します。

大体初回は1年と記載する方が多いかもしれませんが、中には3年と記載する場合もあるかもしれません。
しかし、本人の希望通りに在留期間が与えられるとは限りません。また現状与えられている在留期間が満了しても、引き続き日本に在留することを望む外国人は、在留期間満了前に在留期間更新許可申請を行うのですが、この時も同様です。

1年の在留期間を有して在留していた外国人が、更新の際に3年で申請しても、必ずしも3年許可されるわけではなく、やはり1年しか許可されなかった、という事は往々にしてあり得るのです。

では、入国管理局はどのようにしてこの「在留期間」を決定しているのでしょうか?
「在留期間」の決定には、何が影響を及ぼしているのでしょうか?

要因は様々ですが、例えば就労の在留資格を申請している外国人であれば、内定先の会社の規模や経営の安定性、存続性、その外国人を採用する必要性など総合的に考慮して在留期間が与えられます。

ただ最初の申請時では1年の在留期間が与えられることが多いかもしれません。国際結婚をして外国人の妻を日本に呼び寄せたい場合は夫婦の実態や扶養者の収入等を考慮して在留期間が決められます。この場合も許可される期間は初回は1年が一般的であると思います。

問題は在留期間の更新の時です。

例えば3年の在留期間が与えられていた外国人が次の更新でも当然に3年が与えられるだろう、と思っていたら在留期間が1年に短縮されたという場合は何が影響しているのでしょうか。これは過去の本人の素行に問題があった、税金や保険料を滞納している、日本人と結婚しているはずなのに同居していないなどが影響すると思われます。逆に言えば、何も問題がなければ、更新の回を重ねていけば次第に長期の在留期間が与えられると考えて良いでしょう。

まとめ

在留期間決定には、本人の素行の問題や環境、結婚の場合にはその正当性などが影響を及ぼします。特に在留期間の更新時には、勤務先の状況、本人の素行や活動の状況、結婚生活の状況などが重要視されます。

平成8年に在留期間更新許可申請の際、在留期間が短縮されたことに対する処分の取消を求めた訴えの最高裁判例が出ています。この訴えは棄却されています。残念ながら一度決定した在留期間はいくら不服であろうとその決定を取り消して変更してもらうことはできません。

在留期間が短縮された場合は、また在留期間が延長できるよう巻き返しも出来ますが、在留期間更新が不許可になる可能性もゼロではありません。日本に長く生活したいとお考えの方は在留期間決定に何が影響を及ぼすか念頭においたうえで日本で生活していただきたいと思います。