就労ビザには、「在留期間」があります。もし引き続き、日本に在留したいのであれば、更新手続を行う必要があります。

もちろん、手続きをすれば必ず認められるということはなく、審査基準をクリアしなければなりません。
更新の際の審査基準について、詳しくご説明いたします。

 

更新の種類

就労ビザの期間更新申請には、大きく分けて2つのパターンがあります。

一つは、勤めている会社はそのままで、在留期間のみを更新する場合です。
この場合、就労ビザは変わることなく、在留期間の満了に伴い、期間を更新することになります。

もう一つは、在留期間満了とともに、現在勤めている会社を辞めて、異業種の会社に転職する場合です。
この場合は、基本的に就労ビザの種類が変わりますから、資格変更申請を行うことになります。

 

「在留期間更新許可申請」とは

現在認められている30種類あるビザ(在留資格)には、それぞれ複数の「在留期間」が設けられています。

そして、日本に在留する個々の外国人に対して、その状況に応じ、外務省(外務大臣)が適した在留期間を指定しているのです。

例えば、在留資格「技術」では、5年、3年、1年、3ヶ月の「在留期間」があります。在留期間が満了を迎え、引き続き同じ在留資格で日本での在留を希望する場合には、「在留期間更新許可申請」を行うことになります。

例えば、初めて在留資格「技術」を取得した際に、「在留期間」が3ヶ月だった外国人が、「在留期間」が満了になり更新する場合には、その外国人の雇用状況、勤務態度などを考慮して、新たな「在留期間」が設定されることになります。

 

更新許可申請の必要な書類とは

在留期間更新許可申請に必要な書類は、基本的に、在留期間更新許可申請書、写真、在留カード・外国人登録証明書、パスポート、在留資格証明書、日本での活動に応じた資料、手数料(4,000円の収入印紙)などです。

上記は、引き続き同じ在留資格で在留期間を更新する場合です。
転職などでの理由で、異なる在留資格で在留期間を更新する場合には、上記の書類に加えて、「在留資格変更申請」に関する書類、添付書類を提出することになります。

 

更新申請から許可までの流れ

まず、企業の人事担当者や行政書士等の取次者が、必要書類(申請書、添付書類等)を準備して、出入国管理局に提出します。

在留期間の残り3ヶ月前から在留期間の末日までが、申請期間です。
ただし、許可されるまで数日、あるいは場合によって数週間かかる場合がありますから、ある程度余裕をもって、早めに申請しなければなりません。

また、書類の不備や添付書類の不足があれば、在留期間内に許可が出ないこともありますから、細心の注意で作成・準備しなければなりません。

その後、書類審査を経て、許可されると、「通知書」が送られてきます。
外国人本人が、出入国管理局へ「通知書」とパスポートを持参します。
確認後に、係官がパスポートに証印を押してくれ、更新手続きが完了します。


もし、不許可になった場合には、出入国管理局から外国人本人に対して、出頭命令が出ます。
出頭後、不許可の「通知書」が外国人本人に渡され、出国の意思について、尋ねられます。
出国の意思がなく、引き続き日本に在留したければ、提出していた「在留期間更新許可申請」を「在留資格変更許可申請」に変更することができます。

この手続きにより、外国人に在留資格「特定活動」が与えられ、就労しないことを条件として、1ヶ月間の在留が認められます。

この間に、他の在留資格を得るための「在留資格変更許可」を申請する等の方法を取ることになります。
他の在留資格が許可されれば、引き続き在留できます。

不許可になった場合には、強制送還となり、その後5年間は日本に入国することができません。

 

就労ビザ更新の審査基準

現在の活動

一部例外はありますが、現在の活動実態と、在留資格の内容がかけ離れている場合には、更新されない可能性が高くなります。

例えば、在留資格が「留学生」なのに、実態としてアルバイトばかりしていた場合には、明らかに在留資格と実態がかけ離れていますから、更新がかなり難しいでしょう。
日本の滞在時間中に、活動そのものに変化があった場合には、在留資格の変更を行う必要があります。

上陸基準の適合

上陸基準とは、外国人が日本に上陸する際に、“問題がないかどうか”という点を審査される基準です。
更新申請の場合にも、外国人が上陸した際の「上陸許可」と、滞在中の活動が合致しているのか、審査されます。

滞在中の行動

素行不良でないか

退去強制の事由に該当するような重大な刑事事件を犯した場合は、在留資格の更新がかなり不利になります。
主犯は国外退去処分になりますが、関与して刑事処分を受けた場合は、素行不良と判断されます。

生計を立てられているか

世帯で将来的にわたり、安定した生活を継続できるかがポイントです。
日本での生活が、公共の負担(生活保護など)でまかなわれていないかも判断材料になります。
ただし、公共の負担でも、人道上の理由がある場合には、考慮されます。

雇用・労働条件が適正であるか

就労している場合、雇用・労働条件が適正であるかが、判断基準となります。
ただ、この基準に問題があったとしても、これは雇用者側に責任がある場合も考えられる為、その点も加味されます。

納税しているか

納税をしているかも、判断基準です。
もし、高額、あるいは長期間な未納があれば、更新がかなり厳しくなる可能性があります。
特に、未納が理由で、刑事罰を受けた場合には、かなりのマイナスポイントです。

在留カードの申請をきちんとしているか

日本に中長期滞在する外国人は、在留カードの所持が義務付けられています。
この在留カードを紛失したままだったり、有効期限が過ぎても更新していなかったりしていた場合は、更新がかなり難しくなります。

なお、在留カードが不要の外国人滞在者は、以下の項目に該当する人です。
 ①3ヶ月以下の在留期間
 ②短期滞在の在留資格
 ③外交または公用の在留資格
 ④上記①~③の外国人に準ずるものとして法務省令で定める人
 ⑤特別永住者(※特別永住者証明書のため)

 

入国管理局の内部資料

法務省から、「在留資格の変更,在留期間の更新許可のガイドライン」という資料が出されています。
これを基にして、入国管理局は、在留資格の更新手続きを審査しています。

このガイドラインは、数年ごとに改正されています。「平成28年3月」の版では、以下の7点を判断基準として記載されています。

1 行おうとする活動が申請に係る入管法別表に掲げる在留資格に該当すること

活動が「入管法別表第一に掲げる在留資格」の場合は同表の下欄に掲げる活動、「入管法別表第二に掲げる在留資格」については同表の下欄に掲げる身分、または地位を有する者としての活動であることが必要。

2 法務省令で定める上陸許可基準等に適合していること

入管法別表第1の2の表又は4の表に掲げる在留資格の下欄に掲げる活動を行おうとする場合、在留資格変更及び在留期間更新でも、原則として上陸許可 基準に適合していること。

3 素行が不良でないこと

善良であることが前提で、良好でない場合には消極的な要素として評価される。

4 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること

所有する資産又は技能等から、将来において安定した生活が見込まれること。

5 雇用・労働条件が適正であること

雇用・労働条件が、労働関係法規に適合していること。

6 納税義務を履行していること

納税義務を履行していない場合、消極的な要素として評価される。

7 入管法に定める届出等の義務を履行していること

中長期間在留する外国人は、在留カードの記載事項に係る届出・在留カードの有効期間更新申請・紛失等による在留カードの再交付申請・在留カードの返納・所属機関等に関する届出などの義務を履行していることが必要。


ただし、1の「在留資格該当性について」は、許可する際に必要な要件であり、2の「上陸許可基準について」は原則として適合していることが求められる、としています。
また、3~7については、すべて該当する場合であっても,すべての事情を総合的に考慮した結果、更新を許可しないこともある、としています。
   
更新の手続きは、先程ご説明したように、在留期間の残り3ヶ月前から在留期間の末日までが期限です。
ですから、在留期限の3ヶ月前から準備を行い、できれば、残り3ヶ月を切った時点で、申請を行うようにしましょう。

しかし、うっかりして在留期間を過ぎた後で、更新手続きをしていなかったことに気が付いた場合には、速やかに外国人本人が出入国管理局へ出頭しなければなりません。

そして、係官に在留期間を過ぎている旨とその理由を伝えます。
その際、期限を過ぎた理由を説明するための資料持参し、簡潔にわかりやすく説明するようにします。

その後は、係官の指示に従うことになります。
場合によっては、一度母国に帰り、再度日本へ入国して、就労ビザを取り直すことになるかもしれません。
ただ、外国人が置かれている立場・状況によって取るべき対応が違ってきますから、係官の指示に従うしかありません。

また併せて、勤めている会社の担当者に、入国管理局の係官から指示された内容を速やかに伝える必要があります。

 

申請取次のメリット・デメリット

在留期間更新許可申請の手続きは、外国人本人の他に、代理人や申請取次者が行うことになります。
代理人とは、外国人が未成年の場合は親権者、補助人の場合は補助人です。

また、申請取次者とは、本人や代理人に代わりに申請する専門職の人で、弁護士、行政書士、特殊機関の団体・職員などが該当します。

申請取次者に申請を依頼するメリットとしては、申請が許可される可能性が高くなることです。
特に、弁護士、行政書士の申請取次者は、専門的な研修を受け、出入国管理局に登録されています。

申請取次者は、申請について豊富な知識を持っていますので、安心して依頼することができます。
なお、デメリットとしては、代わりに申請取次者に申請をお願いするため、報酬が必要になることです。

 

まとめ

日本に在留する外国人にとって、在留資格が更新されるかは、大きな問題です。
ご説明したように、在留資格の遵守、上陸基準の適合、在留期間中の行動などを総合的に審査することになります。