在留資格の中に「定住者」というものがあります。
これには、どのような特徴があり、どのような人が該当するのでしょうか。
また、「永住者」とは、どの点で違うのでしょうか。詳しくご説明いたします。

在留資格「定住者」「永住者」「特別永住者」とは

「定住者」とは

「定住者」に該当するためには、2つの基準があります。
1つ目は、法務大臣が特別な理由を考慮し、一定の在留期間を指定して居住を認める外国人です。
2つ目は、法務省の告示で、あらかじめ定められている外国人です。

「定住者告示」は1号から8号まで規定されており(2号削除)、それに該当する人は、以下のとおりです。


  ・タイ国内において一時的に庇護されているミャンマー難民(1号)
  ・マレーシア国内に一時滞在しているミャンマー難民(2号)
  ・日系2世、3世(3号)
  ・日系3世(4号)
  ・日系2世、3世である定住者の配偶者(5号)
  ・未成年、未婚の人で実親(B)から扶養を受けており、その親(B)が日本人、永住者、定住者、日系人、日本人の配偶者又は永住者の配偶者である人(6号)
  ・6歳未満の者で養親が日本人、永住者又は定住者であるもの(7号)
  ・中国残留邦人とその関係者(8号)
   ※出典(法務省ホームページ


上記の告示に該当しなければ、在留資格「定住者」として、来日することはできません。
ただ、既に他の在留資格で日本に居住する外国人が、「定住者告示」に該当しなくても、「定住者」への変更が認められる場合もあります。

例えば、「入管法第20条第3項」では、短期滞在から在留資格の変更を行う際には、「やむを得ない特別の事情に基づくものでなければ許可しないものとする」とあります。
つまり、人道上の必要があれば、この「特別の事情」に該当すると考えられ、変更は可能だということになります。

在留資格「定住者」には、永住者と同じように、職種に関係なく就労できるというメリットがあります。
ただ、永住者と違って、在留期限があり、引き続き日本での居住を希望する場合には、更新手続きを行わなければなりません。

「永住者」とは

「永住者」とは、原則10年以上継続して日本に在留して、次の3つの要件を満たす外国人が、対象となります。(日本人と結婚している場合は3年)


  1. 素行が良好であること
  2. 独立の生計を営むに足りる資産または技能を有すること
  3. その者の永住が日本国の利益に合すると認められること (ただし、日本人・永住者または特別永住者の配偶者、またはその子の場合は、1及び2に適合することを要しない)


上記に該当する人が「永住許可申請」をして、法務大臣から許可されると、永住権を得ることになります。

永住者は在留資格の更新が不要です。 
ただ、永住許可を得るためには、今後日本できちんと生活できるということを証明するための資料を添付する必要があります。
例えば、日本人や永住者が身元保証していることを証する書面(身元保証書)や資産を証明する資料(預金通帳等)を提出しなければなりません。

「特別永住者」とは

第二次世界大戦中に、日本の占領下で日本の国民とされた在日韓国人・朝鮮人・台湾人の人たちが、1952年のサンフランシスコ平和条約によって、朝鮮半島・台湾などが、日本の領土でなくなったことで、日本国籍を離脱することになりました。

その在日朝鮮人・韓国人・台湾人とその子孫について、日本への定住などを考慮した上で、永住を許可したのが、「特別永住権」です。
特別永住者証明書の交付申請をして、法務大臣から許可された人を、「特別永住者」と言います。
在留資格の申請先は入国管理局ですが、特別永住者証明書の交付申請先は、居住地の市区町村窓口です。

 

「定住者」と「永住者」の違い

在留期間の違い

定住者の在留期間は、5年、3年、1年、6ヶ月または法務大臣が個々に指定する期間(5年を超えない範囲)ですが、永住者の在留期間は無制限です。
従って、定住者には在留期間の更新手続きが必要ですが、永住者は必要ありません。

社会的信用度の違い

永住者は、法務大臣から許可を受けた人ですから、定住者よりも社会における信用度が高いと言えます。
なお、就労に関しては、永住者も定住者も就労の制限はなく、日本人と同じように、どのような仕事にも就くことができます。

「帰化」との違い

一方で、永住者と似通ったものに、「帰化」がありますが、帰化は外国人が日本の国籍を取得することです。
複数の国籍を持つことができる国もありますが、日本では国籍は一つしか認められていませんから、日本に帰化したら、今持っている国籍を放棄することになります。

帰化すると、国籍上日本人になりますから、ビザの更新や届出はなくなります。
また、選挙権や被選挙権を持つことができ、就労についても制限がなく、どんな仕事にも就くことができます。
帰化するためには、法務局に申請を行う必要があります。

 

「定住者」として資格取得が認められる例

日本人との間に生まれ、かつ日本人の親から認知された子どもについて、養育したり監護をしたりしている外国人の親

日本人の親の認知が必須条件となりますが、認知は、自発的な任意、裁判による強制認知、あるいは死亡後の認知のどれでも、構いません。

また、外国人の親が子どもを養育したり、監護したりする場合でも、親権を持ち、扶養義務を負担しているだけでなく、実際に同居して育てているという事実がなければなりません。

日本人と結婚したことで「日本人の配偶者等」の在留資格を得て、その後に離婚や死別したことで、在留期間の更新が難しくなった外国人

日本に於いて、ある程度の期間、婚姻関係を継続してきた外国人は、日本に生活の基盤があるという理由で、「定住者」の資格取得が認められる場合があります。

また、日本人との間に子ども(日本国籍)がいて、引き続き日本で扶養するような状況にある場合には、認められる可能性が高いと言えます。

難民などで、本国に帰国すれば迫害される可能性が高い外国人

難民は、一般的に難民認定申請を行いますが、実際には審査が厳しいため、なかなか認められません。

それでも、本国に強制送還されると迫害される可能性が高ければ、人道的見地から、「定住者」の在留資格を取得できることがあります。

連れ子、連れ親

日本人と再婚した外国人の配偶者が、本国にいる前夫・前妻の子どもと一緒に暮らしたい時に、その子どもに「定住者」の在留資格を取得させて、日本で暮らすことになります。

また、「日本人の配偶者等」、「定住者」等が、本国の親と一緒に暮らしたい時に、その親に「定住者」の在留資格を取得させて、日本で暮らすことになります。
ただ、その親が本国で監護ができない程度の高齢者でなければ、資格の取得は難しいと言えます。

特別養子の離縁者

特別養子縁組が解消されたことにより、「日本人の配偶者等」の在留資格に該当しなくなった子どもであって、しかも資産や技能を持っているため、独立して生計を営むことができる場合には、「定住者」の資格が取得できる可能性があります。

ただし、その子どもが未成年であり、扶養や監護するべき実の親が海外にいるようなケースでは、認められません。

棄児

両親が帰国したり、外国人が行方不明になった場合の子ども(未成年)であったりした場合は、「定住者」の資格を取得できる可能性があります。

 

「永住者」の資格取得の要件

 (1) 素行が善良であること
       法律を遵守し日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいること。
 (2) 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
       日常生活において公共の負担にならず、その有する資産又は技能等から見て、将来において安定した生活が見込まれること。
 (3) その者の永住が日本国の利益に合すると認められること
   ア 原則として引き続き10年以上本邦に在留していること。ただし,この期間のうち,就労資格(在留資格「技能実習」及び「特定技能1号」を除く。)又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していることを要する。
   イ 罰金刑や懲役刑などを受けていないこと。公的義務(納税,公的年金及び公的医療保険の保険料の納付並びに出入国管理及び難民認定法に定める届出等の義務)を適正に履行していること。
   ウ 現に有している在留資格について,出入国管理及び難民認定法施行規則別表第2に規定されている最長の在留期間をもって在留していること。
   エ 公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと。
  
  ※ ただし,日本人,永住者又は特別永住者の配偶者又は子である場合には,(1)及び(2)に適合することを要しない。また,難民の認定を受けている者の場合には,(2)に適合することを要しない。

 

「定住者」と「永住者」申請書類について

定住者の申請書類


  ・在留資格認定証明書交付申請
  ・写真(申請3ヶ月前撮影、縦4cm、横3cm、無帽無背景の証明写真)
  ・返信用封筒(380円切手を貼付)
  ・預金通帳残高証明書(申請人名義のもの)
  ・雇用予定証明書又は採用内定通知書(日本の会社発行のもの)
  ・理由書
  ・身元保証書(通常、日本に居住している日本人又は永住者)
  ・本国書類の翻訳文


上記の書類に加えて、身分関係を証明する書類として、戸籍謄本、婚姻届受理証明書、婚姻証明書写し、出生証明書写しのいずれか1つを出入国在留局へ提出する必要があります。

審査期間(標準処理期間)は、約75日ですが、書類の不備などがあれば、さらにこの期間より長くなります。
また、修正、補正を求められても、対応できない場合には、取消になってしまう可能性があります。

 

永住者の申請書類


  ・永住許可申請書
  ・身元保証書(身元保証人は日本人か永住者)
  ・申請理由書(永住を希望する理由など)
  ・配偶者の戸籍謄本(日本人との婚姻関係にある場合)
  ・住民票の写し(同居家族全員)
  ・住民税の課税証明書(直近3年分)
  ・住民税の納税証明書(直近3年分)
  ・国民健康保険税の納税証明書(直近3年分)
  ・在職証明書
  ・預貯金関係の証明
  ・不動産の謄本(持家資産が有る場合)
  ・表彰状など 
  ・旅券
  ・在留カード
  ・申請用写真(縦4cm、横3cm、無帽無背景の証明写真)
  ・健康保険証(同居家族全員分のコピー)
  ・国民健康保険税の納付済領収証(国民健康保険に加入している場合)
  ・身元保証人の住民票の写し 
  ・身元保証人の住民税の課税証明書(直近1年分)
  ・身元保証人の住民税の納税証明書(直近1年分)
  ・身元保証人の在職証明書
  ・身元保証人の身分証明書コピー


以上の必要書類を出入国在留管理局へ提出します。
提出する書類がかなり多いので、計画的に漏れなく、取り寄せる必要があります。

審査期間(標準処理期間)は約4ヶ月ですが、書類の不備などがあれば、さらにこの期間より長くなります。
また、修正、補正を求められても、対応できない場合には、取消になってしまう可能性があります。

取り消しとなった場合

もし、取消の措置が行われた場合には、新たな書類を準備して、再度申請を行うか、
あるいは、申請を一度断念し、日本での生活において実績を積み重ね、再度申請を行う等の方法があります。

 

定住者・永住者が結婚した場合の手続きについて

定住者が外国人と結婚した場合、その外国人も定住者の在留資格を取得することとなります。
ただし、在留資格の審査に当たっては、法律上の婚姻関係だけでなく、実体のある婚姻であるか否かが審査されます。

永住者が外国人と結婚した場合、その外国人は「永住者の配偶者等」の在留資格を取得することができます。
学歴、職歴、資格は必要ありませんし、「永住者の配偶者等」の在留資格を取得すれば、仕事の制限もありません。

ただ、在留資格「日本人の配偶者等」と同じく、厳しい審査を受けることになります。

 

まとめ

「定住者」と「永住者」との違いは、大まかに言って、在留期間があるかないかですが、就労の制限がない所は、共通しています。

ただ、「永住者」の在留資格を取得するには、要件が厳しく、かなり多くの書類を提出しなければなりません。