この頃、街を歩いている時や買物をする時、働く外国人の方を見かける事に違和感を感じなってきました。それもそのはずです。厚生労働省によると外国人労働者の数は平成29年10月末で約128万人にのぼり前年との比較でも約2割増加、平成19年の届出義務化以来、過去最高を更新したそうです。事業者数でみても前年との比較で21,797か所、12.6%増加し、こちらも過去最高を更新しています。

 

2019年4月には新しい在留資格である「特定技能」が新設されます。これまで働くことのできなかった分野でも雇い入れができるようになり、今後も外国人労働者は増え続けていくでしょう。

 

外国人の雇用が増えるという事は、その一方で退職する方、転職を考える外国人の方も増えてくることが予想されます。

雇用の手続きだけでなく、退職の手続きについても把握していますか?

 

退職_手続き_2

 

突然退職したいとの申し出を受けた場合でも、慌てることのないようあらかじめ知っておきましょう。今回は外国籍従業員が退職する際に必要な手続きについてお話していきたいと思います。

 

退職時の手続き

退職日までにしなくてはならない手続きは様々ですが、外国籍の従業員が退職するときの手続きは、原則、日本人と同様です。

  • 健康保険の被保険者証の回収
  • 雇用保険の離職票の交付
  • 労働保険社会保険の資格喪失処理の手続き
  • 源泉徴収票の交付
  • 住民税で支払うべき残額がある場合の手続き

社会保険や税務関係は日本人の退職者と同様に手続きします。これ以外にも退職届の提出、貸与品の返納、引継ぎなど会社の規定・ルールに従い行います。

 

外国人従業員の退職手続きで特有のもの

さて、ここからは、従業員が外国人であった場合について確認していきたいと思います。特有の手続きは以下の2点です。

 

「雇用保険被保険者資格喪失届」をハローワークに提出する

入管法では、外国人が退職したとき、会社は入国管理局に届け出るよう努めなければならないと定めています(入管法第19条の17)。ですが、ハローワークに「雇用保険被保険者資格喪失届」の届出をしていれば、会社から入国管理局への届出は免除されます。


この「雇用保険被保険者資格喪失届」には退職する外国人が所持している「在留カード」の内容を参照し、氏名(ローマ字表記)、在留期間、派遣・請負の就労区分、国籍・地域、在留資格の事項を記入します。


この「雇用保険被保険者資格喪失届」は事業主の届出義務(雇用対策法第28条第1項)となっています。届出しなかったり、虚偽の届出をした場合は、罰則が科せられます(雇用対策法第40条第2号:30万円以下の罰金)ので気をつけましょう。

※ただし、在留資格「外交」、「公用」、特別永住者である外国籍従業員の場合は、届出が不要です。

「退職証明書」を作成し本人に交付する。

外国人が退職する際、「退職証明書」を求められることが多く、請求があれば交付します。請求されなくとも、後から「発行されていなかった」等、外国人とトラブルになるケースもあるので、退職時に「退職証明書」作成・交付しておいた方が賢明かと思います。

 

というのも外国人が退職後に転職するときは、「退職証明書」が不可欠です。外国人が在留期間の更新、在留資格の変更・就労資格証明書の交付、などの手続きを行うときに、添付書類として入国管理局に提出するからです。「退職証明書」により、入国管理局が外国人の前職での従事業務、勤務期間などを確認します。


この「退職証明書」は、使用期間(会社に在籍した期間)、業務の種類(従事業務、職務内容)、地位(社内の役職など)、賃金、退職の事由などを記載します。

 

退職する外国人、本人がする手続き

日本人と同様に、社会保険・税金などの手続きが必要です。雇用保険の受給要件を満たしていれば、失業保険を受け取ることも可能です。

 

その他に入管法(入管法第19条の16)が定める手続きがあります。外国人の在留資格により「活動機関に関する届出」、もしくは「契約機関に関する届出」が必要となります。いずれも退職や転職が生じた日から2週間以内に入国管理局に届出を提出します。この用紙は法務省のホームページからダウンロードできます。

 

その他、外国人の方が自ら行うべき重要な届出については、以下の記事をご参照ください。

【外国人 届出書】外国人の方が行うべき5つの重要な届出

 

まとめ

外国籍従業員が退職する際に必要な手続きも日本人と同様です。

 

違うのは雇用保険被保険者資格喪失届をハローワークに提出すること、退職証明書を本人に交付することの2点です。忘れないようにしましょう。

 

外国人の退職者は自身で行わなければならない手続きについて、知らない可能性もあります。企業の人事担当者は退職時に説明するようにしましょう。また次の就職先を決めず退職してしまう場合もあります。退職後3カ月以上にわたり、再就職や就職活動がなければ「在留資格の取消し」の対象になってしまいます。今後の生活や在留資格の失効条件についても、説明し相談に乗ってあげることも大切です。