企業の中には、いわゆる「ブラック企業」があります。このような会社は離職率が高く、社員の出入りが激しいことが特徴が存在する場合があります。ここに外国人労働者が在籍にしていれば、その程度はさらに高くなる可能性があります。

もしこのような会社に、外国人が就職する場合、他の会社に比べてビザが許可されにくいことがあるのでしょうか。この点を詳しくご説明いたします。

社員の退職とビザへの影響

今回問題になっている「外国籍の社員が頻繁に退職するとビザが許可されないのか」ということですが、これは実際にあると考えられます。入国管理局が、会社の事業内容などに問題があると判断すれば、認定はもちろん、更新も変更も許可されない場合があります。

入国管理局が重視する点

それでは、会社のどのような点を見て、入国管理局がビザを許可するか否かを判断するのでしょうか。

ビザに該当性があるか?

会社の業務と、申請されたビザの内容に妥当性があるかどうかがポイントです。
つまり、あるビザを申請する場合、申請する側が勝手に拡大解釈して、「うちの会社で行っている業務に、このビザは該当するだろう」といった勝手な判断は、認められません。一方で、許可されたビザとは異なった仕事を行わせていた場合には、その外国人は「不法就労」となり、退職や国外退去を強いられることになります。
従って、ビザの妥当性に対しては、厳密に審査するのです。

人材の専門性と職務内容の一致

ビザが許可されるためには、外国人の持つ専門性と会社の職内容とに関連がなければなりません。つまり、ある特性や専門性を持った外国人が、客観的に見て、それとは関連性が薄い会社に就職するためにビザを申請しても、不許可になる可能性が高いのです。
また、ビザが許可されて就職した会社が、途中から専門外の仕事をやらせた場合には、その外国人は、仕事を継続することが難しく、離職率が高くなることでしょう。従って、雇う外国人の専門性をないがしろにする会社ということになり、その後のビザの許可も難しくなるかもしれません。

雇用できる会社か?

そもそも、外国人を雇い入れるだけの規模の会社でない場合、ビザが不許可になる可能性があります。
審査の際には、会社の決算書などを調査しますから、外国人を継続して雇用できるかどうかは、ある程度判断できます。
もし、継続雇用が厳しい会社であれば、退職する外国人が多いはずですし、そのような会社には、ビザが許可されないことになります。

不許可になったら

不許可の理由を調査する

ビザがなぜ不許可になったか、その理由がわからないと、その後の対策を打てません。そこで、入国管理局の審査官から、不許可の理由を聞くことが第一歩です。話を聞く際にはメモを取り、不明な点は、理解できるまで何度でも聞きましょう。

ただし、相手に反論したり、感情的になったりしては、心証が良くありませんから、あくまでも落ち着いて、冷静に耳を傾けます。また、審査官の理由が具体的でないと感じたら、より具体的な問題点を説明してもらうようにしましょう。理由が曖昧なままだと、対策を施すことが難しくなります。

また、審査官は、不許可の理由を全て言わない場合もありますので、「他にありませんか」と尋ね、細かい理由も含めて、全ての理由を把握するようにしましょう。そして、不許可の具体的理由が理解できたら、改善策を考えます。この時、審査官に「どの点を修正して再申請すれば、許可される可能性がありますか」と直接尋ね、再申請の際の参考にします。

再申請を行う

審査官の話を基にして、再申請の準備をします。ただ、一度は不許可となっていますから、よほどの説得材料がないと、許可されません。そこで、ビザ申請を専門とする行政書士に相談して、今までの経緯を細かく説明し、再申請の代行をお願いすることも選択肢の一つかもしれません。

ただ、不許可の理由によっては、いくら補足説明の資料を添付しても、許可される見込みがないことも考えられます。この辺りの判断も自分では難しいので、いずれにしても専門家への相談が不可欠となります。

まとめ

外国籍の社員が多く退職する会社だからといって、必ずしもビザが不許可になるとは限りません。
ただ、定着率の低い会社は、それなりの問題を抱えていることが多く、外国人自身の問題ではなく、会社が原因で不許可になるケースもありますので、注意が必要です。