「特定技能」という新しいビザ(在留資格)制度を利用して、外国人を雇用したいと考えたなら、実際にどういう手続きを踏めばよいのでしょうか。どのような届出をどこに提出するのでしょうか。このような疑問を明らかにし、具体的なプロセスをご提示したいと思います。具体的なアクションが起こせるように、わかりやすくお伝えします。

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特定技能外国人についての正しい雇用条件

最初にしっかりと確認しておきたいことは、「安価な労働力」として特定技能を通じて外国人を雇用することはできないということです。

実はこのプロセスを飛び越えてしまって、後からがっかりするというケースが見受けられます。特定技能外国人は、あくまでも日本人と「同等以上」の条件で雇用しなければなりません。すると、「最低賃金ならば雇用できるのか」というご質問を受けることがあります。

それに対する答えは、「Yes」であり、「No」でもあります。つまり、他の日本人社員の雇用条件によるのです。日本人を最低賃金で雇用しているなら、特定技能外国人を最低賃金で雇用しても「同等」に扱っていることになりますし、最低賃金以上の条件で雇用しているならば、特定技能外国人を「同等」条件で扱っていることにはならないため、「No」ということなのです。


更に、特定技能外国人を雇用するには諸々の支援が要求されますから、それに応じたコストが発生するということを理解しておいてください。

特定技能外国人の支援態勢を整える

次のプロセスは、特定技能外国人の支援態勢の構築です。特定技能外国人の支援として、以下のようなものがあります。

  1. 事前ガイダンスの提供
  2. 出入国する際の送迎
  3. 適切な住居の確保に係る支援・生活に必要な契約に係る支援
  4. 生活オリエンテーションの実施
  5. 日本語学習の機会の提供
  6. 相談又は苦情への対応
  7. 日本人との交流促進に係る支援
  8. 非自発的離職時の転職支援
  9. 定期的な面談の実施・行政機関への通報

これらの支援を行うにあたって、その計画をまとめ、支援責任者と支援担当者を決めなければなりません。どちらも常勤である必要があり、かつ特定技能外国人の担当業務に直接かかわる職務に就けません。例えば介護分野では、直接介護業務にかかわらない事務局長などが支援責任者となり、事務員が支援担当者に就くようなイメージになります。


このような態勢を整えるプロセスを経ると、最終的に支援計画書にまとめる必要があります。

特定技能外国人として雇用する外国人を探す

特例技能外国人の支援態勢を整えたならば、雇用する特定技能外国人を探すプロセスに移行します。特定技能外国人となれる条件を確認しましょう。

特定技能外国人は即戦力としての働きを求められますので、その能力があることを証明しなければなりません。それが、「技能試験」及び「日本語試験」の合格です。しかし、技能実習2号を良好に修了した外国人の場合には、職種・作業に関連性が認められる限りにおいて、「技能試験」及び「日本語試験」の合格を免除されます。

このような能力を証明できる外国人を探す場合、基本的には、海外の送り出し機関から紹介してもらうことになるでしょう。ネットで検索すると、そのような送り出し機関を見つけることができますので、それらの中から慎重に検討しましょう。送り出し機関も様々ですから、詳細に話を聞いて、良質だと思えるところと契約手続きをすることを勧めます。そのために現地を訪問することも稀ではありません。人物を見極めるためにも、実際に海外に出向くことがあるでしょう。しかし、やむを得ない場合には、テレビ会議のような形で面接をすることも可能です。

採用手続きが完了すると、特定技能のビザ(在留資格)を得るために、「在留資格認定証明書」の交付申請のプロセスになります。特定技能外国人の居住予定地または受入れ機関の所在地を管轄する出入国在留管理局に届け出る手続きをします(法務省 特定技能)。その際に必要となる書類は、法務省のホームページに記載があります(特定技能外国人の在留諸申請に係る提出書類一覧・確認表)。

登録支援機関を利用する選択肢もある

特定技能外国人を雇用するにあたり、支援制度が企業の負担となることも十分に考えられます。

特定技能外国人を雇用し、支援計画を実施するまでに行った届出や手続きは、変更事項が生じる度に、すべて届出が義務付けられています。支援計画書についても、最初に提出して終わりではありません。四半期ごとにその実施状況を届出なければならないのです。

支援計画に変更が生じれば、もちろんそれも届出る手続きが必要になります。このような大きな負担を自社で担わずに、一部もしくはぜんぶを外部の「登録支援機関」に委託することも可能です。ぜんぶを委託するならば、すべての手続き・届出を任せることができるので、コストはかかりますが本来業務に専念することができるという、大きなメリットを享受できます。

登録支援機関は、法務省のホームページにそのリストが掲載されており、問い合わせをすることができるようになっています。

まとめ

特定技能というビザ(在留資格)は、外国人を安く雇用できる制度ではありません。その認識のもと、特定技能制度を導入し特定技能外国人を雇用するには、支援態勢を整えることが重要です。

特定技能外国人の支援プロセスが非常に重要なポイントである以上、必然的に入出国在留管理局への各種届出や手続きが多くなり、企業によっては負担と感じる可能性があります。そのような場合は、特定技能制度の円滑な運用を行うために、登録支援機関を利用するのも一考です。