オフィスビルなど特定の建築物では、ビルクリーニングが必須となっています。
ビルクリーニングが必要な建物が増える一方で、ビルクリーニングを行う人材は不足し続けています。

そんな人材不足を補うべく、特定技能にもビルクリーニング業分野が追加されました。

特定技能「ビルクリーニング業」とはどんなものでしょうか。


特定技能とは?

特定技能とは、深刻化する人手不足を補うため、特に人手不足が著しい業種において、一定の技能を持った外国人を受け入れるための制度です。


2019年4月にこの制度がスタートした当初は、対象業種も限られたものでした。
しかし、人材不足の業種は多いため、現在までに徐々に増加されてきました。

2020年2月現在では、介護、建設、外食、ビルクリーニング業などの14分野が認められています。


特定技能ビザを取得するためには、技能実習2号修了者か、特定技能試験に合格することが必要です。
技能実習から特定技能に変更する場合には、技能実習で行っていた業種と同じ業種であることが必要です。

特定技能試験については、当初は受験資格が限られていましたが、2020年4月から受験資格が緩和され、受験対象者が拡大されました。

 

特定技能「ビルクリーニング業」ができた背景

深刻な人手不足によって、ビルクリーニング業も特定技能の対象業種となりました。
どのような背景があったのでしょうか。

人手不足の現状

不特定多数の人が利用するオフィスビルなどは、特定建築物に該当し、ビルクリーニングが必要になります。
ビルクリーニングが必要な特定建築物は年々増加しています。


その一方で、ビルクリーニングを担う清掃員の高齢化や人材不足が問題になっています。
平成29年度のビルクリーニングにおける有効求人倍率は、2.95倍にも達しており、募集しても人が集まらず、人手不足の状況をよく表しています。

 

加速する人材不足

平成27年国勢調査によると、ビルクリーニングの従業員は女性が70%、65歳以上の高齢者が37%であり、女性と高齢者が多く担ってきました。

しかし、社会全体的な人手不足により、女性や高齢者が他の業種へ流れることによって、ビルクリーニングの人手不足はさらに加速していくことになると予測されています。


そこで、建物を維持していくためにも必要なビルクリーニング業に外国人の受入が急務であるということから、特定技能のビルクリーニング業が追加されました。

出典:厚生労働省「ビルクリーニング分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針

 

特定技能「ビルクリーニング業」の業務内容

特定技能「ビルクリーニング業」の業務内容は、建物内部の清掃です。

これは、オフィスビルなどビルクリーニングが必要な特定建物において、建物内部の床面やガラス面などの定期清掃、洗浄を行います。
さらに、トイレ掃除など日常の清掃作業も含まれます。一般的にビル内での清掃業務全般です。

 

特定技能「ビルクリーニング業」のビザを取るには

特定技能「ビルクリーニング業」のビザを取るには、二つの方法があります。

試験に合格すること

技能評価試験と日本語能力試験に合格することが必要です。

技能試験は、公益社団法人全国ビルメンテナンス協会が実施する「ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験」です。この試験は、判断試験と作業試験です。


日本国内で受験する場合の資格は、17歳以上で在留資格を持っている人ですが、不法滞在や特定活動、退学、除籍の留学生などは受験することはできません。

受験手数料は2,200円で、合格後、合格証書の発行には、14,300円必要です。
2019年の国内試験の合格者数は204名で、合格率は69.2%でした。


技能評価試験は、日本国内のほか、ミャンマーやフィリピンでも実施されています。

出典:公益社団法人全国ビルメンテナンス協会「2019年度ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験 国内試験 合格者



日本語能力試験は、独立行政法人国際交流基金実施の「日本語能力判定テスト」または、独立行政法人国際交流基金および日本国際教育支援協会が実施する「日本語能力試験」を受験します。

これら、技能評価試験と日本語能力試験の両方の合格が必要です。

 

技能実習からの移行

ビルクリーニング業の技能実習生は、技能実習2号が終了すれば、特定技能に移行することができます。
技能実習修了生の場合は、通常必要な技能評価試験や日本語能力試験も免除されます。

雇用する側の注意点

特定技能「ビルクリーニング業」で外国人を雇用する際、雇用側にも条件があります。
どんな条件があるのでしょうか。

雇用側に課される条件

雇用側に課されるのは、まずは、都道府県知事によって、建築物環境衛生総合管理業の登録を受けていることです。
これは、雇用する会社が、きちんと特定建築物のビルクリーニング業を行う会社かどうかを確かめるものです。


さらに、「ビルクリーニング分野特定技能協議会」に加入することが必要です。
この協議会は、ビルクリーニングの団体や試験実施団体、その他制度関係機関によって作られた協議会で、特定技能の外国人を受け入れるための協議会です。

会社は、この協議会への必要な協力が求められ、さらに、厚生労働省などの指導に対して、協力を行うことが求められます。

雇用する際の条件

雇用は直接雇用に限られています。

特定技能「ビルクリーニング業」の外国人を雇用する際には、直接、自分の会社で雇用する必要があります。そのため、自分の会社で雇用契約を結びます。

また、雇用する際には、他の日本人従業員と同程度の給与や待遇にする必要があります。

 

まとめ

超高齢化や他業種の人材不足によって、さらなる人手不足が加速すると予測される「ビルクリーニング業」。
その担い手として、外国人が新たに注目されています。

雇用する側にも様々な条件が課されていますが、受験資格の拡大などによって、対象となる外国人も今後増加すると予測され、特定技能「ビルクリーニング業」の活用が期待されます。