深刻化する人手不足に対応するため、特定技能という在留資格ができました。
一定の技能を持った外国人に、人手不足の業界で活躍してもらう就労ビザです。

電気・電子情報関連産業分野においても人手不足が深刻化しています。
電気は、今や生活には、なくてはならないものです。
様々なものに電子情報技術が使用され、電子情報関連産業は、今後ますます必要となってきます。

特定技能における、電気・電子情報関連産業分野とはどんなものでしょうか。

 

特定技能とは?

特定技能とは、電気・電子情報関連産業分野のように、人手不足が著しい業種に限って、一定の技能を持った外国人が働くことができる在留資格です。

この制度は、2019年4月にスタートし、深刻な人手不足にある、電気・電子情報関連産業を始め、介護建設外食業などの14分野で利用することができます。


特定技能で働くには、二つの方法があります。
同じ分野の技能実習2号を修了後に特定技能に移行する方法と、各分野それぞれの専門的な技能試験と日本語能力試験の両方に合格する方法です。

技能実習2号から特定技能になるためには、技能実習で行っていた業種と特定技能で行っていた業種が対応している必要があります。
例えば、電気・電子情報関連産業分野では、技能実習の機械加工や電子機器組立てなどの職種が該当します。

 

特定技能「電子・電気機器関連産業分野」ができた背景

電気・電子情報関連産業分野が、特定技能の分野に指定されたのは、どのような事情があったからでしょうか。
電子・電気機器関連産業分野の現状から見てみます。

人材確保の必要性と工夫

最近では、様々なものに電子部品が使用され、電気・電子情報関連製品はなくてはならない存在です。
また、自動車の電子化に伴う電子部品の需要増加等により、人材確保も必要になっています。

電気・電子情報関連産業界では、作業工程の見直しや自動化、IoTやAIを活用し、生産性を向上させるよう工夫を重ねています。


国内の人材確保においては、シニアやベテラン人材、女性活用を推進し、多様な人材が働きやすい労働環境の整備に取り組んでいます。

 

深刻な人材不足の現状

国内での取り組みによって、女性及び60歳以上の労働者の割合は、平成24年の34%から平成29年には36%に上昇しています。それでも、需要に追いつかないのが現状です。

電気・電子情報関連産業分野に関連する有効求人倍率は、平成 29年度の時点で、2.75 倍もあり、人手不足の状態であることが分かります。

 

求められる人材

電気・電子情報関連産業においては、基本的な知識・技能が必要とされます。
さらに、現場の状況に応じて作業手順を自ら考え作業を実施することができる人材が不可欠です。そうした即戦力のある人材が求められています。

出典:経済産業省「電気・電子情報関連産業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針

 

特定技能「電気・電子情報関連産業分野」の現状

電気・電子情報関連産業分野において、特定技能はどのくらい活用されているのでしょうか。

2020年6月末現在における特定技能で働く外国人の人数は、5,950人で、そのうち、電気・電子情報関連産業分野においては、268名となっています。

電気・電子情報関連産業分野での受入人数は、向こう5年間で最大4,700人とされており、今後ますます特定技能の活用が広がることが期待されます。

出典:法務省「特定技能在留外国人数の公表


電気・電子情報関連産業分野の業務内容

産業分類でいえば、電子部品・デバイス・電子回路製造業や、電気機械器具製造業、情報通信機械器具製造業での業務が該当します。

特定技能の試験内容が13分野に分かれており、それぞれの試験に対応した業務をすることができます。


13分野は、機械加工、機械保全、塗装、金属プレス加工、電子機器組立て、溶接、工場板金、電気機器組立て、工業包装、めっき、プリント配線版製造、仕上げ、プラスチック成形です。

これらの専門的な業務をしますが、他の日本人の従業員が日常行っている補助的業務(会社内の清掃や器具の運搬等)についても行うことができます。
ただし、本来の専門的業務をせずに補助的な業務のみでは許可されないため、注意が必要です。

 

特定技能「電気・電子情報関連産業分野」のビザを取るには

特定技能「電気・電子情報関連産業分野」のビザを取るには、二つの方法があります。

試験に合格すること

技能試験として、「製造分野特定技能1号評価試験」に合格することが必要です。
それに加えて、日本語能力試験に合格することが必要です。

電気・電子情報関連産業分野は、素形材産業分野と産業機械製造業分野の2分野と業務が共通している点が多いため、3分野の共通試験「製造分野特定技能1号評価試験」となっています。

製造分野特定技能1号評価試験は、経済産業省が実施する筆記試験です。
学科試験と実技試験があります。


試験は19区分に分かれており、それぞれやろうとする業務区分の試験を受験します。

合格基準は、学科試験が65点以上、実技試験については、各区分によって設定されていますが、設定されていない区分については、60点以上となっています。

受験料は、国内受験の場合は2,000円で、合格証明書発行手数料は2020年度は徴収しないことになっています。

日本語能力試験は、独立行政法人国際交流基金実施の「日本語能力判定テスト」または、独立行政法人国際交流基金および日本国際教育支援協会が実施する「日本語能力試験」を受験します。

製造分野特定技能1号評価試験と日本語能力試験の両方の合格が必要です。

出典:経済産業省「製造分野特定技能1号評価試験」ポータルサイト

 

技能実習からの移行

電気・電子情報関連産業分野の技能実習生は、技能実習2号が終了すれば、特定技能に移行することができます。
技能実習修了生の場合は、通常必要な技能評価試験や日本語能力試験も免除されます。


しかし、技能実習生は、技能実習で行っていた業務区分と特定技能の業務区分が対応していることが必要です。
電気・電子情報関連産業分野では、業務区分が多いため、技能実習からの移行の場合は、同じ業務内容かどうかをしっかり確認しておく必要があります。

 

雇用する側の注意点

特定技能「電気・電子情報関連産業分野」で外国人を雇用する際、雇用側にも条件があります。
どんな条件があるのでしょうか。

雇用側に課される条件

経済産業省が設置する「製造業外国人材受入れ協議会」の構成員になることが必要です。
この協議会は、電気・電子情報関連産業分野、素形材産業分野、産業機械製造業分野の3分野の業界団体その他の関係者により構成されています。
出典:経済産業省「製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会


さらに、雇用側は、その協議会や経済産業省の調査や指導に協力するよう求められています。
これらは、適切に特定技能の外国人を受け入れるために必要とされています。

このほか、雇用する側は、産業分類において、電子部品・デバイス・電子回路製造業、電気機械器具製造業、情報通信機械器具製造業に分類される事業者であることが必要です。

また、特定技能ビザの外国人の支援や社会保険や税金の不払いがないかどうか、その他労働法に関する違反がないことが求められます。

 

雇用する際の条件

雇用は直接雇用に限られています。

特定技能「電気・電子情報関連産業分野」の外国人を雇用する際には、直接、自分の会社で雇用する必要があります。そのため、自分の会社で雇用契約を結びます。

また、雇用する際には、他の日本人従業員と同程度の給与や待遇にする必要があります。

 

まとめ

様々なものが電子化され、電子部品の需要は、今後ますます高まっていきます。
そうした需要に対応するには、人手不足の改善が望まれます。
その担い手として、特定技能の外国人技術者の活躍が期待されています。

それぞれ、業務内容にあった在留資格を申請しなければ、不許可になる可能性がありますので、在留資格と職種をよく見極める必要があります。