民法752条には、『夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。』と書かれており、夫婦の同居義務を明確にしています。
違反した場合には、その理由によっては不法行為となり、損害賠償を請求されることにもなります。

ところが外国人は日本人の配偶者となっても、ビザ(在留資格)がなければ不法滞在となってしまうのです。
日本人の配偶者となって日本に滞在するには、どんな条件があるのかを確認してみましょう。

 

「日本人の配偶者等」のビザ(在留資格)とは

日本人の配偶者として日本に滞在するには、“日本人の配偶者等”のビザ(在留資格)を申請することになります。
ビザ(在留資格)名をよく見ると「等」という言葉がついていますが、これは「日本人の子として生まれた者で、外国籍の者」をも対象とするビザ(在留資格)だからです。

「日本人の配偶者等」のビザ(在留資格)を取得すると、日本国内での活動に制約がありません。
パートもアルバイトも、転職も自由にできます。
もちろん、そのためのビザ(在留資格)の変更なども不要です。ただ、在留資格の期限はあります(6か月、1年、3年、5年)。

そしてもう一つ特徴的なのは、「永住者」ビザ(在留資格)を取得しやすいということがあります。
「日本人の配偶者等」のビザ(在留資格)で在留期間を「3年」で認められており、かつ「結婚後3年以上日本に在留」していれば申請可能です。

 

 

「日本人の配偶者等」のビザ(在留資格)取得のための申請方法・必要書類・条件

申請方法

外国人であり、日本人の配偶者、日本人の特別養子、日本人の子どもで、日本の在留を希望する人は、以下の必要書類を出入国管理局に提出します。

 

 必要書類(申請人=日本に在留を希望する外国人)

 1. 在留資格認定証明書交付申請書(1通) ※(フォーマット:外務省ホームページ


 2. 写真(縦4cm×横3cm)(1枚)
  ※申請前3か月以内に正面から撮影された無帽、無背景で鮮明なもの
  ※裏面に申請人の氏名を記載、申請書の写真欄に貼付


 3. 配偶者(日本人)の方の戸籍謄本(全部事項証明書)(1通)
  ※申請人との婚姻事実の記載があるもの。婚姻事実の記載がない場合には,戸籍謄本に加え婚姻届出受理証明書を提出
  ※発行日から3か月以内のもの


 4. 申請人の国籍国(外国)の機関から発行された結婚証明書(1通)
  ※申請人が韓国籍等で戸籍謄本が発行される場合には、2人の婚姻が記載された外国機関発行の戸籍謄本の提出


 5. 配偶者(日本人)の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)(各1通)
  ※1月1日現在お住まいの市区町村の区役所・市役所・役場から発行されたもの
  ※1年間の総所得及び納税状況(税金を納めているかどうか)の両方が記載されている証明書であれば、いずれか一方でよい
  ※入国後間もない場合や転居等により、お住まいの区役所・市役所・役場から発行されない場合は,最寄りの地方出入国在留管理官署に問い合わせること
  ※発行日から3か月以内のもの


 6. 配偶者(日本人)の身元保証書(1通)
  ※身元保証人は、日本に居住する配偶者(日本人)


 7. 配偶者(日本人)の世帯全員の記載のある住民票の写し(1通)
  ※個人番号(マイナンバー)は省略し、他の事項については省略のないもの
  ※発行日から3か月以内のもの


 8. 質問書(1通)


 9. スナップ写真(夫婦で写っており、容姿がはっきり確認できるもの)(2~3枚)


 10. 返信用封筒(定形封筒に宛先を明記の上、404円分の切手(簡易書留用)を貼付したもの(1通)


 11. その他
  (1) 身元保証人の印鑑
  (2) 身分を証する文書等の提示
     ※申請人以外の人が申請を提出する場合



日本人の配偶者としてビザ(在留資格)を取得するのは、簡単ではありません。
“偽装結婚”のケースが多いために、真実の婚姻関係なのかを徹底的に調べ上げられます。

就労ビザ(在留資格)を取得できない外国人が、日本人と偽装結婚して日本での就労の権利を取得しようとするのです。
そのようなケースではなく、真実の婚姻関係であることを証明するためには、次のような条件をクリアしなければなりません。

 

法律上の婚姻成立条件

いわゆる「事実婚」や「内縁関係」では、「日本人の配偶者等」のビザ(在留資格)取得は不許可となります。
また同性婚については、現在日本の法律では認められておりません。
そのため外国で法律上認められたとしても、「日本人の配偶者等」のビザ(在留資格)取得は許可されません。

ただし、外交官が日本に駐在し、本国にいる内縁の妻を日本に呼び寄せる場合には、「特定活動」の在留資格を認められることがあります。
内縁の妻との間に生まれた子どもも同様です。


外国人の方の母国で先ずは法律上の婚姻手続をし、正式な「結婚証明書」を入手しておく必要があります。
その上で、日本で市区町村役場に婚姻届を提出しておくことが、「日本人の配偶者等」のビザ(在留資格)申請の条件となります。

(※注記:外国人の方の母国で法律上の婚姻手続を済ませて、「日本人の配偶者等」のビザ(在留資格)の申請をしている外国人が、短期滞在ビザで来日中に「日本人の配偶者等」の在留資格を認定された場合は、ビザの変更申請をすることができます。他のビザ(留学など)で滞在中の場合も、同様にビザの変更手続きが行えます)

 

真実条件

法律上の婚姻手続が完了していたとしても、夫婦としての実態が本当に伴っているのかどうかが、審査されます。

「日本人の配偶者等」のビザ(在留資格)申請時に提出する書類の中に、「質問書」がありますが、出会いから結婚に至るまでのなれそめを始めとして、渡航回数や二人のコミュニケーション方法など、プライバシーについて答える必要があります。

実際には、その質問書を補充するための資料を、できる限り集めて、入国管理局に提出します。
SNSでお互いの関係を深めたというケースであれば、そのやりとりすべてをプリントアウトして提出するということも、ごく普通のことです。多少恥ずかしい内容があったとしても…。

二人の想いでの写真も、付き合い始めから現在に至るまで、二人の関係性を証明する資料になります。
お互いの親に紹介し合っていることを証明するために、そのときの写真も提出します。

同居条件

二人が同居することが条件です。
初めから別居が前提では、「日本人の配偶者等」のビザ(在留資格)申請は許可されません。
婚姻生活の途中においても、理由なく別居をしていると、ビザ(在留資格)の更新が認めてもらえなくなります。

入国管理局には、実態を調査する専門の職員がいますので、嘘はすぐに発覚します。

生計・収入条件

二人が夫婦として暮らしていけるだけの収入があるかどうか、または資産があるかどうかが「日本人の配偶者等」のビザ(在留資格)申請の最期の条件です。
夫婦として共同生活を営む上で、収入・資産がなければ夫婦共同生活を継続できません。

そのため、日本人の方の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書を提出して、生計・収入条件を証明します。

 

「日本人の配偶者等」のビザ(在留資格)更新のための申請方法・必要書類・条件

申請方法

外国人であり、日本人の配偶者、日本人の特別養子、日本人の子どもで、現在在留資格「日本人の配偶者等」を持っている人が、更新期間も日本での在留を希望する場合には、以下の必要書類を出入国管理局に提出します。

必要書類

 


 1. 在留期間更新許可申請書(1通)
   ※(フォーマット:外務省ホームページ


 2. 写真(縦4cm×横3cm)(1枚)
   ※申請前3か月以内に正面から撮影された無帽、無背景で鮮明なもの
   ※写真の裏面に申請人の氏名を記載、申請書の写真欄に貼付
   ※16歳未満の人は,写真は不要


 3. 配偶者(日本人)の方の戸籍謄本(全部事項証明書)(1通)
  ※申請人との婚姻事実の記載があるもの
  ※発行日から3か月以内のもの


 4. 配偶者(日本人)の方の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)(各1通)
  ※1月1日現在お住まいの市区町村の区役所・市役所・役場から発行されたもの
  ※1年間の総所得及び納税状況(税金を納めているかどうか)の両方が記載されている証明書であれば、いずれか一方でよい
  ※入国後間もない場合や転居等により、お住まいの区役所・市役所・役場から発行されない場合、最寄りの地方出入国在留管理官署に問い合わせる
  ※配偶者(日本人)の方が申請人の扶養を受けている場合等、4を提出できないときは、申請人の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)
  ※発行日から3か月以内のもの


 5. 配偶者(日本人)の方の身元保証書(1通)
  ※身元保証人は、日本に居住する配偶者(日本人)


 6. 配偶者(日本人)の住民票(世帯全員の記載のあるもの)(1通)
  ※個人番号(マイナンバー)については省略し、他の事項については省略のないもの
  ※発効日から3か月以内のもの


 7. パスポート(提示)


 8. 在留カード又は在留カードとみなされる外国人登録証明書(提示)

 9. その他
  (1) 身元保証人の印鑑
  (2) 身分を証する文書等(提示)
   ※上記(2)については、申請人本人以外の方が申請を提出する場合において、申請を提出できる方かどうかを確認するために必要となる。また、申請人以外が申請書類を提出する場合であっても、上記7及び8の「申請人のパスポート及び在留カードの提示」が必要であるが、在留カードとみなされる外国人登録証明書の場合は、写しの提出でもよい。

 

条件

 1. 素行が良い
  日本に在留する間に罪を犯したり、税金を滞納したりすると、更新が厳しくなります。


 2. 一定の収入がある
  ビザ取得時に十分な資金力があっても、更新時に資産、収入が少ない場合には、更新が厳しくなります。
  安定した収入は、今後の生活の継続性や真実性にも関係するため、著しく収入が低い時には、更新されない可能性が高くなります。


 3. 申請内容に矛盾がない
  もし提出する書類の記載内容に矛盾がある場合は、「虚偽申告をしている」と見なされ、不許可になる可能性が高くなります。

 

在留資格「日本人の配偶者等」の人が永住権を取得するには

現在、在留資格「日本人の配偶者等」を取得する人が、在留資格「永住者」を取得した場合には、改めて申請する必要があります。

「永住者」は、「日本人の配偶者等と違って、在留期間が無制限ですから、かなりのメリットがあります。

ただし、原則として引き続き10年以上本邦に在留していること、罰金刑や懲役刑などを受けていないこと、税の滞納がないこと等、厳しい条件があります。


なお、日本人、永住者及び特別永住者の配偶者の場合には、実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し、引き続き1年以上本邦に在留していれば、特例として在留資格「永住者」を取得できます。

また、その実子等が在留資格「永住者」を取得するには1年以上日本に継続して在留している必要があります。
なお、在留が無制限のものには、「帰化」がありますが、こちらは、現在持っている国籍を離脱し、日本国籍を取得する手続きです。

従って、現在の国籍を変えたくない人には、帰化は不向きと言うことになります。

 

離婚後の手続き

日本人と結婚して、日本に在留する外国人は、基本的に「日本人の配偶者等」の在留資格を持っています。

従って、離婚をした場合、その外国人は、在留の前提になる「日本人の配偶者」という立場ではなくなるわけですから、帰国の必要が生じるかもしれません。
ただ、婚姻中に日本の生活になじんだり、日本で仕事をしたりして、日本での生活を続けたいと思う外国人も少なくありません。


そこで、「日本人の配偶者等」の在留資格を持つ外国人が離婚し、引き続き日本に在留したい場合には、6ヶ月以内に別の在留資格に変更しなければなりません。

また、日本に引き続き在留するか否かに関わらず、離婚から2週間以内に、入国管理局へ離婚した旨の届出を行わなくてはなりません。
この届出を怠ると、届出義務違反となり、その後の在留資格申請で不利な取り扱いをされる可能性が生じます。

 

引き続き在留する場合

離婚した外国籍の方が、引き続き日本に在留を希望する場合、次のような方法があります。

 日本人との再婚

日本人と再婚することで、再び「日本人の配偶者等」の在留資格を取得する方法です。
同じ在留資格ですから、在留期間更新許可を申請することになります。
ただし、申請内容は新規と同様です。

 永住者と再婚

永住者と再婚することにより、「永住者の配偶者等」の在留資格を取得する方法です。
今までの在留資格と異なりますから、在留資格変更許可を申請することになります。

 就労ビザの外国人と再婚

現在就労ビザを取得して日本に在留している外国人と再婚して、「家族滞在」の在留資格を取得する方法です。
今までの在留資格と異なりますから、在留資格変更許可を申請することになります。

 社員として就職

日本の会社に就職して、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得する方法です。
今までの在留資格と異なりますから、在留資格変更許可を申請することになります。
なお、この在留資格を取得するには、基本的に学歴等が必要となってきます。

 

 会社を設立する

日本で代表取締役として会社を設立し、「経営管理」の在留資格を取得する方法です。
今までの在留資格と異なりますから、在留資格変更許可を申請することになります。
ただし、金銭的な裏付けとビジネス面での力量が問われますから、ハードルは高いといえます。

 

 定住者ビザの取得

婚姻期間が長い人、子どもを引き取った人、日本での生活に慣れ親しんでいる人などは、「定住者ビザ」を取得する場合が、少なくありません。

ただし、日本国籍の子どもがいて、離婚後にその子どもを看護養育する場合には、婚姻期間は問われませんが、そのような子どもがいない場合には、3年以上の婚姻期間(あくまでも目安)が必要だと言われています。
また、引き続き日本で生活するための仕事や金銭面での生活基盤について、申請時にきちんと説明できなければなりません。

 

子どもがいる場合の離婚

子どもの国籍

日本で国際結婚をした場合、両親のどちらかが日本人であれば、日本国籍を持つことになります。
この場合、婚姻相手の国の法律にもよりますが、子どもが20歳までは二重国籍の状態になる可能性が高いといえます。
20歳までに、どちらかの国籍を子どもが自分で選ぶことができます(あくまでもケースバイケースです)。

両親が離婚しても、子どもの国籍は変わらず、子ども本人の意思で選ぶことができます。
つまり、離婚したからと言って、すぐに外国籍になるわけではありません。
あくまでも、子どもが自分の意思で日本国籍を放棄しない限り、外国籍になることはないのです。

 

子どもの在留資格

二重国籍であっても、子どもが日本国籍を保持している限りは、両親の離婚が子どもに影響することはなく、そのまま日本に住み続けることができます。

一方、子どもが外国籍の場合には、子どもの在留資格は生まれた時から、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」になっているはずです。
この場合、親の在留資格も同様に「○○の配偶者等」となっているのであれば、親の離婚後の在留資格が変わることで、子どもの在留資格も変わることになります。

最も一般的な方法としては、子どもが3年以上居住している場合には、「法務省告示」に基づき、看護者と共に「定住者」の在留資格を取得することです。
子どもが日本国籍を持っている場合は、特に問題はありませんが、外国籍の場合には、専門家に相談を行うのがベターであるといえるでしょう。※(外務省告示:法務省ホームページ

 

もし配偶者がなくなったら

在留資格「日本人の配偶者等」の場合

「日本人の配偶者等」の在留資格を持つ外国人が、もし日本人の配偶者と死別した場合、そのまま日本に住み続けることは、できるのでしょうか。

もし日本人の配偶者との間で、3年以上の結婚生活があり、配偶者が亡くなった後でも、一人で経済的に自立して、生活することができれば、在留資格を「日本人の配偶者等」から、「定住者」に変更できる可能性があります。

また、3年未満の結婚生活であっても、在留の期間や経済状態によっては、同じく「定住者」の在留資格が認められることもあります。
※(定住者告示:外務省ホームページ

その他にも、大学を卒業しているのであれば、「技術・人文知識・国際業務」に変更したリ、あるいは自分で会社を経営することができれば、「投資・経営」に変更したりすることも、可能となります。


なお、「日本人の配偶者等」の在留資格を持つ外国人は、配偶者が亡くなった場合には、亡くなって14日以内に入国管理局に届け出を行わないといけません。
もし届け出を怠れば、20万円の罰金を取られることもあります。
また、虚偽の届出は行った場合には、1年以下の懲役、または20万円以下の罰金に処されることがあります。

在留資格(家族滞在)の場合

就労ビザを持つ外国人が亡くなった場合、その配偶者は、「家族滞在」という在留資格が認められないことになります。

ただ、直ぐに本国へ帰らなければならないわけではなく、身辺整理、出国の準備などで、一定期間(30日間)は日本の在留は可能です。
また、引き続き日本での在留を希望する場合には、その期間内に在留資格を得る必要があります。

在留資格(永住者の配偶者等)の場合

「永住者」の在留資格を持つ外国人が亡くなった場合、その配偶者は、「永住者の配偶者等」という在留資格が認められないことになります。

ただ、先ほどの「家族滞在」と同様に、直ぐに本国へ帰らなければならないわけではなく、一定期間(30日間)は日本の在留は可能であり、引き続き日本での在留を希望する場合は、その期間内に在留資格を得なければなりません。

 

まとめ

外国人が日本人と結婚して、「日本人の配偶者等」のビザ(在留資格)を申請するには、膨大な資料を提出しなければなりません。
それは、偽装結婚と思われる申請を不許可にするため、入国管理局としてはやむを得ない対応なのでしょう。

しかしビザ(在留資格)を申請する側は、プライバシーを公開することになり、嫌な思いをするかもしれません。
そこまで嫌な思いをしながら不許可とならないよう、「日本人の配偶者等」のビザ(在留資格)を申請する場合には、許可される条件を一回で証明できるよう、しっかりと準備しておくことが肝心です。