日本に90日以上の長期にわたり滞在する外国人は、日本での活動に応じた「在留資格」が与えられますが、この在留資格は一度取得すれば永遠に有効なわけではなく、決められた期間があります。その期間が終了してしまったらどうなるのでしょうか?

今回は有している「在留資格」の更新について解説していきます。

「在留期間更新許可申請」とは?

90日以上の長期にわたり日本で暮らしている外国人は日本で行う活動に応じた在留資格を有しています。
この在留資格は一度取得すればずっと日本にいられるわけではありません。在留資格が交付された際、その在留資格で日本にいられる期間も決められます。

つまり、「あなたがこの在留資格で日本にいていいのはこの期間ですよ」という期間も一緒に決められます。これを「在留期間」と言います。では決められた在留期間が経過した後は帰国しなくてはいけないのでしょうか。

実はこの在留期間は更新することができます。これを「在留期間更新」といいます。
現在持っている在留資格によって許可されている活動を今後も継続して行いたい場合は、法務大臣に対して「今後もこの在留資格で日本に滞在したいので、在留期間の更新を許可してください。」という申請を提出することによって行います。

これを「在留期間更新許可申請」と言います。
例えば「技術・人文知識・国際業務」等の就労資格を持って日本で働いている方が今後も引き続き日本で働くことを希望する場合や日本人と結婚して「日本人の配偶者等」の在留資格を有している外国人が引き続き日本で日本人の夫(妻)と生活することを希望するなどの場合です。

「在留期間更新許可申請」の手続きをするためには?

在留期間更新許可申請は在留期間が満了する日より前に行う必要があります。現在の在留期間が6ヶ月以上ある方は在留期間満了の大体3ヶ月前くらいから期間更新の申請を行う事が出来ます。

ただし、長期出張と重なってしまう、入院の予定と重なってしまう、など事情がある場合は、3ヶ月以前でも更新申請を受け付けてもらえる事があります。そのような場合は放置せず、必ず出入国在留管理局に相談するようにしてください。

更新許可申請行うには申請書に必要事項を記入し提出しますが、現在有している在留資格によって、使用する更新許可申請書が異なります。お近くの地方出入国在留管理局の窓口か法務省のホームページで入手できます。http://www.moj.go.jp/ONLINE/IMMIGRATION/16-3-1.html

また現在有している在留資格によって、申請時に提出する資料が決まっています。
法務省のホームページに情報が掲載されていますので、確認のうえ書類の準備をしてください。http://www.moj.go.jp/ONLINE/IMMIGRATION/ZAIRYU_KOSHIN/shin_zairyu_koshin10_01.html

書類の準備が整ったら本人の住所を管轄する地方出入国在留管理局またはその支局もしくは出張所に申請を行います。管轄については出入国在留管理庁のホームページで確認できます。
http://www.immi-moj.go.jp/soshiki/index.html

その際、現在有している在留カード(外国人登録証明書)とパスポートの提示が必要となりますので、必ず持参するようにしてください。また資格外活動許可を受けている方は資格外活動許可の提示も必要となります。万が一パスポートや在留カードなど提示できない場合には、その理由を記載した理由書の提示も必要となります。

2019年7月25日から一部在留資格の期間更新許可申請についてはオンラインで申請ができるようになりました。http://www.immi-moj.go.jp/tetuduki/zairyukanri/onlineshinsei.html

オンライン申請が利用できる人や対象の在留資格も一部に限られていますが、対象となっている方は一度利用してみるのも良いかもしれません。

申請後の流れは?

出入国管理局に申請が受理されると申請受付票が交付されます。この受付票には申請番号が記載されています。申請後、審査状況を問い合わせる際にこの申請番号が必要となりますし、申請結果を出入国管理局に確認に行く際に必要となりますので、失くさないよう気をつけましょう。

在留期間更新許可申請の標準処理期間は2週間から1か月となっていますが申請内容によっては2か月以上かかる場合もあります。申請提出後、出入国在留管理局が審査のために必要だと考えた場合、追加書類の提出を要請されることがあります。

追加書類の提出は大体2週間以内の提出期限が定められています。追加書類は出入国在留管理局が審査を行うにあたり必要だと考えている書類です。提出要請が来たら放置せず必ず対応するようにしましょう。

何かしらの理由で期限内の提出が難しい場合はその旨を入管に伝えて指示を仰ぐようにしてください。申請結果は申請時に書類と一緒に提出した葉書または封書で通知されます。封書の場合は不許可の場合が多いですが、中に申請結果が記載されている紙が入っていて、不許可となった理由が簡単に記載されています。
葉書の場合ははっきりと結果について記載はされていません。

裏面に持参するものと○月○日までに出入国管理局に来るよう期日の指定があります。葉書の場合、持ち物に「収入印紙」の指定があれば許可、「現金」の指定があれば不許可である可能性が大きいようです。パスポート、現在有している在留カード、申請受付票、葉書を持って指定された期間内に出入国在留管理局に行くようにしてください。

許可の場合は手数料4,000円を収入印紙で支払う事により、在留期間が更新された新しい在留カードが交付されます。残念ながら不許可の場合はなぜ不許可になったのかについて説明してくれますので、結果を受け取ったらなるべく早目に出入国在留管理局に出向きましょう。

書類作成上の注意点

書類を作成する際、まず申請書の記載間違いなどはないよう十分に気をつけましょう。特に在留カード番号、在留期間、パスポート番号、生年月日など間違いやすいので十分気をつけましょう。戸籍謄本や課税及び納税証明書等、日本の役所が発行する書類については発行日から3ヶ月以内のものを提出する必要があります。

更新申請の際、次回希望する在留期間を記載する場合は3年や5年等のように長めに申請しておくと必ず希望の年数が許可されるとは限りませんが、現在の在留状況が良ければ長い在留期間が与えられます。

また申請書に更新の理由を記載する部分がありますし更新申請の際の提出必須資料ではありませんが、在留状況について何か出入国在留管理局に説明したいことがある時や転職した時などは別紙で理由書等を作成することをお勧めします。

「在留期間更新許可申請」のポイント 

出入国管理及び難民認定法において在留期間の更新は「法務大臣が適当と認めるに足りる相当の理由がある時に限り許可する」とされています。この相当の理由があるか否かの判断は申請人の在留状況や在留の必要性等総合的に見て判断されています。法務省のホームページに在留期間の更新許可のガイドラインが掲載されていますので、一度参考にしてみるのも良いでしょう。
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri07_00058.html

留学生の方は出席日数や取得単位数等が足りず更新申請が不許可になってしまう事がありますので、注意してください。またアルバイトをするために資格外活動許可を取得されている事が多いと思いますが、更新申請と同時に資格外活動許可の更新も行うようにしてください。

「技術・人文知識・国際業務」等の就労資格を有している方が在留期間更新を行う場合、職場や業務内容に変更がなければ問題なく期間更新申請が許可されることが多いですが、単純労働に従事していると判断される、転職をして有している在留資格と業務内容が合わないと判断される、等で期間更新が不許可になってしまうこともあります。

次回の期間更新のために「就労資格証明書」を取得しておく、転職した場合はその旨を出入国在留管理局に届け出る、等の対応をきちんとしておきましょう。

まとめ

在留期間の更新許可は現在有している在留資格の活動の状況、在留の状況等を総合的にみて判断されます。
留学生なのに学校に行かなかったり、納税の義務や入管法に定める届出等の義務を果たしていなかったりすると不許可になってしまいます。不許可になってから後悔することのないよう気を付けていただければと思います。