【外国人技能実習機構とは?】 4つのポイントからみる技能実習制度

日本で技能を習得した外国人は、母国に戻って習得した技能を伝達し、母国の発展に寄与することを最終的な目標にしています。

 

そのためには、きちんとした仕組みが必要となりますが、それが「外国人技能実習機構」であり、「技能実習制度」です。今回は、この仕組みについてご説明いたします。

 

外国人技能実習機構とは?

外国人技能実習機構とは?

「外国人技能実習機構」は、「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」という法律によって、設立されたものです。

 

その目的は、日本に在留する外国人の技能、技術、知識の習得、習熟、熟達について、技能実習の適正な実施や技能実習生を保護するものです。

 

また、育成された人材を通じて開発途上国などの地域に習得した技能を伝達されることで、国際協力を推進することを目的としています。なお、この機構は、法務省と厚生労働省が管轄している認可法人です。

どの地域に置かれているか?

この機構は、東京に本部事務局が置かれています。

 

また、札幌、仙台、水戸、東京、長野、富山、名古屋、大阪、広島、高松、松山、福岡、熊本の13か所に地方事務所・支所が置かれています。

業務内容は?

外国人技能実習機構の業務は、次の7つです。

 

  1.     技能実習計画の認定
  2.     実習実施者・監理団体への報告要求、実施検査
  3.     実習実施者の届出の受理
  4.     監理団体の許可に関する調査
  5.     技能実習生に対する相談・援助
  6.     技能実習生に対する転籍の支援
  7.     技能実習に関する調査・研究等

そもそも技能実習制度とは?

技能実習制度とは?

「技能実習制度」とは、外国人が「技能実習」の在留資格で日本に滞在する際に、行う実習に対して報酬を支払う制度のことを言います。

 

なおこの制度には、会社などの実習実施機関が海外の会社などの職員を受け入れて、技能実習を実施する「企業単独型」と、商工会などの営利を目的としない監理団体が技能実習生を受け入れて、傘下の実習実施機関で実習を行う「団体監理型」に分けられます。

基本的な仕組み

外国人の技能実習生は、日本に入国すると、まず日本語の教育や実習生自身が法的な保護を受けるために必要な講義を受けます。

 

その後受け入れ先の機関に雇用され、現場で機能を習得するための活動を開始することになります(「技能実習1号」1年間)。

 

その後、習得した技能が一定水準に達すると、「技能実習2号」の在留資格への変更が許可され、最長3年間の実習が可能となります。

 

さらに、「技能実習3号」の在留資格を得ると、優良性が認められる監理団体や実習実施機関に限り、最長5年間技能実習が認められます。

 

技能実習での注意点とリスク

この「技能実習制度」には、いくつかの注意点やリスクがあります。

エージェントの問題

外国人を派遣することを目的とする団体(エージェント)が多く存在します。

 

もちろん、優秀な外国人を日本に紹介してくれる良心的なエージェントがほとんどですが、中には問題のあるエージェントも存在します。本国を離れて日本で働きたいと思う外国人を募り、高額な報酬を受け取って日本に派遣する方法です。

 

技能実習制度を利用して日本に入った外国人は、そのまま失踪して、無許可で就労することがあります。一度日本に入国して行方が分からなくなると、探し出して強制送還することが難しくなります。

雇用する側の問題

一方、受け入れた日本の企業が、安い報酬で過酷な労働を強いたために、途中で外国人がいなくなるケースも増えています。

 

このように、劣悪な労働環境で外国人を酷使する会社も少なくないのです。

 

技能実習とビザ取得との関係

研修ビザとは?

研修ビザは、在留期間が1年間で、技能実習ビザへの在留資格変更はできません。

 

また、公的機関以外では、実務研修は行えず、座学研修のみとなります。さらに、労働者ではありませんから、報酬は受け取れず、実費支給(交通費など)のみとなります。

技能実習ビザとは?

一方、技能実習ビザは、「技能実習2号」へ在留資格を変更することで、最長3年間の滞在が可能です。その後「技能実習3号」に変更することで、さらに2年間滞在することができます。

 

また、初期講習後に、実習計画の範囲内で、実務実習を行うことができます。さらに、初期講習後には、報酬を受け取ることができますが、その報酬は労働関係法令が適用されて、最低賃金を下回ることを禁止されています。

 

まとめ

技能実習制度は、受け入れる日本の会社などにとっても、日本に在留する外国人にとってもメリットのある制度です。

 

ただし、仕組みをきちんと理解しておかないと、トラブルの原因になります。

 

行政書士井上通夫

熊本県出身。福岡大学法学部法律学科卒業。在学中は、新聞部編集長として、学内新聞を発行。憲法・行政法ゼミ(石村ゼミ第18期生)所属。大学卒業後は、大手信販会社、大手学習塾に勤務。平成18年度行政書士試験に合格後、平成20年7月福岡市で行政書士事務所を開業、現在に至る。扱う案件は、主に相続・遺言、民事法務(内容証明・契約書・離婚協議書等)、公益法人業務(社団・財団法人)など幅広く対応。

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