外国人材を雇用していくことは、これからの日本においてスタンダードなことになるでしょう。それは、加速するグローバル化の影響だけではありません。日本の労働力人口が減少するからです。労働力人口は統計上増加しているように見えますが、15歳以上人口の減少が示す通り、やがて確実に減少します。そのような状況の中で、外国人材を雇用することが更なるメリットを呼び寄せる、助成金や補助金制度をご紹介しましょう。

減少_データ

出典「労働力調査結果」(総務省統計局)


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補助金と助成金

国や地方自治体が民間の事業者に対して、お金を給付するときの名目として、「補助金」・「助成金」という言葉が使われます。国の場合には「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(補助金適正化法)」、地方自治体の場合には「地方自治法第232条の2」を根拠にして給付されます。ただし、補助金の定義、助成金の定義というものが明確に定められていないので、補助金・助成金の意味の違いを深く追求する必要はないかと思われます。

それでも、一般的なイメージとして次のような特徴を知っておくとよいでしょう。補助金は給付金額が高く、採用されるためには高い倍率をかいくぐらなければなりません。一方助成金は、給付額が低いけれども一定の条件を満たせば給付される傾向にあります。ただし、あくまでも一般的な傾向ですから、名称から早合点せずに詳細をよく確認してください。

キャリアアップ助成金

厚生労働省の行っている「キャリアアップ助成金(こちら)」は、有期契約労働者・短時間労働者・派遣労働者を、正社員化・処遇改善の取組を実施した事業主に対して助成される制度です。

例えば3年という有期雇用契約をしている外国人材を正社員として直接雇用とするとか、派遣会社から仕事に来ている外国人材を正社員として直接雇用するといった場合に申請ができます。

雇用の際のチェックポイントは以下の記事もご参考になさってください。
【外国人 採用 注意点】就労ビザのチェックポイントを一挙解説!

有期契約の外国人材を正社員にすると、1人当たり42.75万円(助成内容は、2018年4月1日基準)が助成されます。更に生産性向上も認められる場合には1人当たり54万円です。申請する事業主が中小企業の場合には金額がもっと上がり、それぞれ57万円、72万円にもなります。申請できる人数には上限も定められており、1年度1事業所当たり、20人までとなっています。

更に派遣社員の外国人材を正社員として直接雇用する場合には、上記助成金額に加算して1人当たり28万5,000円、生産性向上が認められれば36万円が加算されます(中小企業・大企業同じ)。

人材開発支援助成金

厚生労働省の行っている助成金制度です(こちら)。正規雇用を約束されていない有期契約労働者等が対象で、机上研修(Off-JT)や実施研修(OJT)の経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成する制度となっています。
たとえば有期契約の外国人材に対して、正社員になってもらうべく机上研修(Off-JT)をする場合(一般職業訓練)の助成内容は以下のようになります(助成内容は、2018年4月1日基準)。

  • 賃金の助成:1人1時間当たり475円(生産性向上が認められる場合は、600円) ;事業主が中小企業ならば、それぞれ760円と960円になります。(※1人当たりの助成時間数は1,200時間を限度)
  • 経費の助成:1人当たりの訓練時間数;100時間未満 7万円(事業主が中小企業ならば10万円);100時間以上200時間未満 15万円(事業主が中小企業ならば20万円);200時間以上 20万円(事業主が中小企業ならば30万円)※事業主が負担した実費が上記を下回る場合は実費を限度

有期契約の外国人材に対して、正社員になってもらうべく有期実習型訓練(「ジョブ・カード」を活用したOff-JTとOJTを組み合わせた3~6か月の職業訓練)を行う場合には、上記の助成に加えて実施研修(OJT)に対して、以下の助成があります。

  • 実施助成:1人1時間当たり 665円(生産性向上が認められる場合は、840円);事業主が中小企業ならば、それぞれ760円、960円になります。※1人当たりの助成時間数は680時間を限度

この助成金制度では、既に正規雇用の正社員である外国人材に対しても適用されるコースがありますから、広く活用できるものとなっています。

地方自治体の行っている補助金・助成金

たとえば、千葉県の2018年度「プロフェッショナル人材確保事業補助金」というものがあります。これは県外で勤務していた人材を雇用しようとする中小企業等を対象にして、試用就業期間中に発生する給与や転居費用の経費を最大750万円(1人当たり250万円)まで補助するというものです。
このように、地方自治体が独自の補助金制度を採用しているということもありますから、会社住所地の自治体ホームページなどをご確認ください。

まとめ

外国人材を雇用することで申請可能な補助金・助成金をご紹介しましたが、毎年度その内容や制度が変更されることがありますし、場合によって次年度は実施されないということもあります。当然新しく補助金・助成金制度が創設されることもありますので、いかに情報のアンテナを張っておくかが大切になります。
そして補助金・助成金を申請する際は、外国人材が正規の就労可能なビザ(在留資格)を持っているかご確認ください。「資格外活動」では、日本での長期就業を目的とする就労資格ではないということで、対象外となってしまいます。また事業主側も、性風俗関連営業や接待を伴う飲食等営業、またはこれらの営業の一部を受託する営業を行う場合には、基本的に補助金・助成金の対象外です。

多くの金額を受け取れる補助金・助成金制度ですが、申請準備や事後の報告などに多くの時間と手間を要します。手抜きをして、不正受給とならないようご注意ください。