出入国在留管理局に認定証明書交付申請、在留期間更新許可申請、在留資格変更許可申請等を提出した後に待ち遠しいのは結果ですよね。しかし、「不許可」の通知が来たらどうしたら良いのでしょうか。今回は不許可通知が来た場合の対応について解説していきます。
不許可の通知はどうやってくるのでしょうか?
入国管理局からの結果の通知は申請の種類によって違います。在留資格認定証明書交付申請時には、申請書類と一緒に普通郵便代と簡易書留分の切手を貼付し、返信用の宛名書きをした定型封筒を提出しますので、結果はこの提出した封筒の中に入っています。
許可であれば、封筒の中に「認定証明書」が入っていますが、残念ながら不許可の場合は、不許可である旨とその理由が記載されたA4の紙が入っています。在留期間更新許可申請と在留資格変更許可申請の場合、申請時に指定の葉書を入国管理局から渡されます。この葉書の表面に結果を通知してほしい住所と名前を記載します。裏面は、申請する入国管理局によって多少違いはありますが、結果が出た際のお知らせ文が印刷されています。
結果が出た際には、裏面に必要事項(申請番号や入国管理局に行く期日、持ち物等)が記載された葉書が届きます。認定証明書交付申請には不許可と記載された紙が入っているので、申請の結果は明確に分かるのですが、葉書の場合はそこに「不許可ですよ。」とは書かれていません。「申請に対する結果を通知するのでいついつまでに入管に来てください。」と書かれています。
ただ、持ち物に「収入印紙○○円分」と書かれていたら許可、「収入印紙ではなく現金○○円」と書かれていたら不許可であることが多いです。また本人ではなく代理人や弁護士、行政書士等が申請した場合、葉書に「必ず本人が出頭してください。」との記載がある場合にも不許可である可能性があります。
不許可になったらまずやることは?
不許可の通知を受け取ってしまったらまずは入国管理局に不許可になった理由を聞きに行きましょう。不許可の理由によっては、再申請が可能な場合がありますので落ち着いて対応することが必要です。在留期間更新許可申請と在留資格変更許可申請は、原則的には本人が現在何らかの在留資格を有しているはずです。
不許可になった時点で在留期間が残っている場合には、その在留期間の満了日までは日本にいることが出来ます。結果が出た時点で既に在留期間が過ぎてしまっている場合には、入国管理局に不許可事由を聞きに行った際、「特定活動(出国準備)」という特別な在留資格が与えられます。この在留資格は通常31日間もしくは30日間の在留期間が与えられ、指定された期間内に準備をして出国してください、という期間になります。
では、不許可になってしまった場合、この出国準備中に再申請することは出来ないのでしょうか。また一度不許可になった申請は再申請することは出来ないのでしょうか?実は一度不許可になっても再申請することは可能ですし、特定活動(出国準備)の31日の間に再申請することも可能です。
再申請する際の注意点
上記の通り、不許可になった申請であっても再申請することは可能です。しかし、むやみやたらに再申請すれば良いという事ではありません。不許可になった申請には必ず理由があるはずです。
不許可理由について精査し、再申請する場合にはその点についてきちんと説明をし、問題点をクリアしなければ許可はおりません。就労ビザの場合、日本でどのような仕事を行うのか、その在留資格を申請する要件を満たしているのかが非常に重要となります。例えば「技術・人文知識・国際業務」は学歴要件や実務経験要件が要求されますし、仕事内容も単純労働作業と判断されれば許可はおりません。
そもそも、在留資格の申請要件を満たしていなければ何度再申請しても許可は出ません。しかし、仕事内容に対する説明が不足していたため、単純労働だと判断されたような場合には、その部分について再度説明を行う事で再申請を行えば許可が出る可能性もあります。
また特定活動(出国準備)中に再申請した場合、31日を経過しても、再申請に対する結果が出る日または在留期間満了日から2か月が経過する日のどちらか早い日までは日本にいることが出来ます。
その場合、前回と同じ企業で再申請をするのであれば不許可事由の説明を行えば良いですが、違う企業で就労ビザの申請をするのであれば書類等を最初から揃えることになるので、早急に準備を行うようにしてください。
ただし、出国準備期間が30日を与えられた場合は、残念ながら再申請することは難しいかもしれません。
これは「入管法第20条第5項」の定めによるものです。31日の出国準備期間が与えられた人には、上記のように31日が経過しても引き続き日本に在留することができる特例措置がありますが、30日の期間の人にはこの特例措置が適用されないのです。つまり、30日を経過したら不法滞在扱いとなってしまうので、帰国しないといけません。
これは、入管からの「再申請しても許可は難しいですよ。」というメッセージが込められています。そのため、再申請しようとしても受理してもらえない可能性も少なからずあるのです。どうしても再申請したい場合には、一度入管に相談してみてください。
不許可にならないために
不許可にならないためにはまずは、審査のガイドラインを参照し、審査では何がポイントとなっているかを把握し、申請時にきちんと理由書等で説明することが非常に大切になります。法務省のホームページにはガイドラインのみならず、不許可事例も掲載されていますので、参考にすると良いでしょう。
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri01_00006.html
また、在留期間更新許可申請や在留資格変更許可申請の場合、現在の在留状況が影響します。税金の滞納、年金未払には注意しましょう。また転職した場合の届出等、義務付けられている届出はきちんと行うようにしてください。
また転職した場合、次回の期間更新許可申請時の審査が厳しくなりますので、「就労資格証明書」の取得をしておくと良いでしょう。留学生の方が日本で就職をしたいと考える場合においても、現状の在留状況が良くない場合は不許可となる可能性があります。出席日数が足りない、アルバイトのし過ぎ等には注意しましょう。
まとめ
せっかく日本で就労先を見付けられたとしても、就労の在留資格が取得できない、更新や変更時に不許可になってしまったという事では日本で働くことは出来ません。一番大切なのは、不許可になった場合の理由を確認し、再申請可能かどうかの判断を行うことです。
不許可になると落胆しますが、落ち着いて次の方法を考えるようにしましょう。